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深センでスマホスクリーン覗いてみた

Slush深センの前日、Business Designチームは人気企画、"スマホ覗いてみた"の調査をしました!(過去記事はこちら

深センでの集計

グレートファイアウォールの影響でGoogleを始め、Instagram、Facebookなどが使用できない中国ではどんなアプリが代替として使われているのか。Baidu、Alibaba、tencentのアプリがほとんどなのか。様々な想像を膨らませ調査に挑みました。

しかし、中国での調査は困難を極めました。

まず向かったのはとにかくたくさん人がいる電気街です。中国語を話せないので、紙に中国語を書いて挑みましたが、苦い顔をされてしまいました。午前中一杯粘り、100人ほどに当たりましたがほとんど相手にされませんでした。今まで調査を行って来た日本やインドネシアのようなフレンドリー感はなく、中国の洗礼を強く感じた瞬間でした。


紙を見せて意思疎通を試みるも相手にされず。。。

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電気街の様子

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電気街で心が折れ、若者であればこちらの意図を汲み取ってくれるのではないかということで次に向かったのは深セン大学です。深セン大学の学生は皆英語を話すことができ、調査にも非常に協力的でした。夏休み中であまり人がいませんでしたが、なんとか50人分のスマホスクリーンを集めることができました。


深セン大学の学生寮の前で調査を行いました。

属性データはこんな感じです。

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①BATのアプリ

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Baidu Alibaba Tencentの中国3大IT企業のアプリを集計しました。

この三社だけでそうアプリダウンロード数(カメラなどのデフォルトアプリも含む)の10.6%を占めておりその存在感は非常に大きいです。

BATと括られ、並列に語られることも多い三者ですが、ダウンロード数だけでいうとtencentが非常に強い印象です。実はtencentの本社でも調査を行おうとしましたが一瞬で追い払われてしいました。

Googleとも比較されるBaiduのブラウザはダウンロード数は22%とそれほど多い印象はありませんでした。検索エンジンとしてのシェアは80%を超えているBaiduですが、ブラウザとしてはのシェアは低いようです。

②tencentのメッセージアプリ

wechatは日本人でも知っているかと思います。しかしtencentからもう一つメッセージアプリが出ており、ほとんどの人がダウンロードしていることをご存知でしょうか。その名も「QQ」

ではwechatとQQをどう使い分けているのか。

どちらもメッセンジャーアプリであることに変わりはありませんが、メッセージ機能以外の機能に違いがあります。wechatはペイメントとミニプログラム(後述)が主な機能です。QQはというとコミュニティ・ミニブログといった機能があり、SNS的な使い方をされているようです。同じtencentがメッセージアプリを2種類出しているというのはLINEやwhatsappなどにはみられない戦略です。使用している層としてはQQのほうがより若者向けに作られており、電話番号や身分証がなくても登録することができます。

③海外アプリの利用率

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ご存知の通り中国ではグーグルをはじめLINE、instagram、twitter、Facebookなどへアクセスができません。ところがスマホスクリーンを覗いてみると意外こういったアプリはインストールされていました。これは非常に意外でした。

特にinstagramに関しては中国版インスタ「Red」のダウンロード数に迫る結果になりました。

どうやって使っているのかというと、VPNという海外サーバーにアクセスすることができるサービスを使ってこうした制限アプリを利用しているようです。VPNは基本的には有料なのでそこまでしても海外のサービスを使いたい人が一定数いることがわかります。

また、airbnbのダウンロード数が20%と日本と比べてもかなり多いです。

airbnbは中国進出を強力に推進しており、当局との情報共有も進めているようです。(参考:https://wired.jp/2018/09/06/airbnb-china-market/)

④ユニコーン企業と言われているmobike,ofoの現状

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数年前に盛り上がりを見せていたシェアサイクルですが、若者への浸透はイマイチのようです。実際に深センの街中を歩いた印象としてもmobikeを利用している人は1日に2,3人いるかどうかくらいで、流行しているとは言えない現状でした。mobikeは2018年に美団に買収されていますが、mobikeはユーザー数2億人と公表していましたが、買収後公表されたデータでは4819万人になっていました。外野がはやし立ててしまい、そもそもそこまで多くのユーザーがいなかった可能性があります。

乗る人を待つmobikeの車両、深センでは放置されてはいなかった

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放置自転車、収益モデル、会社内部の投資方針など様々な問題があるようで、バブル的な盛り上がりだったと言わざるを得ない状況になっています。今後どう事業を展開していくの注目です。

(参考:https://wisdom.nec.com/ja/business/2018083001/index.html https://glotechtrends.com/china-share-bike-war-181003/)

⑤中国動画サービス群雄割拠

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BAT各社が出している動画サービス。見事にダウンロード数も分散しています。以前は中国と言えば違法ダウンロードのイメージもあったかもしれませんが、お金を払ってコンテンツを消費するということが若者の間では当たり前になっています。

課金ユーザー数はIQIYが1億人を超え、tencent videoも8900万人以上と公表しています。netflixの1.3億人と比較してもその勢いがわかるかと思います。(参考:https://www.reuters.com/article/us-china-iqiyi/chinas-iqiyi-looks-abroad-after-hitting-100-million-paying-subscribers-idUSKCN1TP13Q)

また、ニコニコ動画の中国版「bilibili」のダウンロード数も目をみはるものがあります。ゲームやアニメといったコンテンツを中心にコミュニティ化しているようで、本家を超える盛り上がりです。

⑥luckin coffee意外と少ない!?

電子決済専用コーヒーチェーンとして話題のluckin coffeeのダウンロード数は16%と、予想よりも少ない印象でした。あれ、もしかしてあまり流行ってないのか!?

しかしこれには理由がありました。

wechat内にはミニプログラムと言うアプリ内アプリの機能があり多くの人はこちらからサービスを利用しているそうです。(ミニプログラムに関してはこちらの記事にまとまっています)

実際に私も友人とluckin coffeeを利用した際、ミニプログラムを介して注文をしていました。決済で必ず使うwechat内で完結するためこっちの方が便利だと言っていました。

次はミニアプリも集計してみたいところです。

⑦EC市場の盛り上がり

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中国版アマゾンのAlibabaを中心にECも活況を見せています。

いくつか面白いものを紹介します。

・taobao

EC最大手Alibabaの看板アプリです。商品の写真を取るだけでその商品をtaobao上で検索する機能があったりと、独自機能もあるサービスになっています。もちろん支払いはAlipayで行われ、wechatだけに依存させない理由にもなっています。

・老毒物

シューズを主にした個人間売買プラットフォームです。他のサービスとの違いは毒側に出品するものを一度送って鑑定してもらう必要がある点です。スニーカーなどは世界的に高騰しておりコレクターも数多くいます。レア物のスニーカーを安心して購入できることが若者に受けているようです。模倣品が多い中国ならではのニーズかもしれません。ちなみに毒という個性的なネーミングは中毒的なものを販売しているという意味が込められているそうです。

・闲鱼

こちらはAlibabaグループのフリマアプリです。日本でいうメルカリですね。アカウント数は2億を超えており、そのうちの52%が90、00年代生まれとのことです。売り手側のユーザー数も1600万を超えており、これはtaobaoよりも多い数字です。

・JD.com

こちらはテンセントグループのECサービスです。t偽物が流通しがちな中国において徹底した商品管理・配送スピードの向上・アフターサービスで信頼を勝ちとりました。特に家電に関して厚い信頼を得ているようで、家電を買うと言ったらJDで、という方も多いようです。

・拼多多

Alibaba tencentに次ぐ第三勢力として2015年に誕生したのが拼多多です。拼多多は主に地方に住む低所得者をターゲットにしユーザーを増やしました。グルーポンのような共同購入という仕組みをwechatを通じて行うことで割引が受けられたりします。


⑧中国独特のアプリ色々

・全民K歌 ダウンロード率32%

中国ではカラオケが独自進化しているようで、自分が歌った動画を投稿することができます。SNSっぽくなっていて、いいねができたり、メッセージを送り合うことができたり、投げ銭機能まであります。

・知乎(Zhihu) ダウンロード数52%

これはyahoo知恵袋、QuoraのようなQ&Aサービスですが、半分以上の人がダウンロードしているのは非常に驚きでした。yahoo知恵袋のようなラフな感じではなく、かなり専門性の高い質問も多いようです。また、有料プランでは弁護士や医師などにクローズドでの質問も可能です。

まとめ

BATを中心に独自サービスを展開してきた中国。

スマホの中をのぞいてみるとその実情がよりわかったと思います。

中国でこんなアプリ流行ってるよ!面白いサービスあるよ!という方は是非コメントいただけると大変嬉しいです!

この国で調査して欲しい!などリクエストも歓迎です!

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