完全予約制のお店もいいけれど、偶然見つけるお店も悪くない。

ここ最近、完全予約制のお店が増えた気がするのは私の住む地域限定だけだろうか。

基本的な情報発信はインスタで、インフォメーション欄には「完全予約制です。希望日をメールしてください。」というような文言。

ふらりと街中にでかけて、今日のランチはここにしよう!とお店のドアを開けると、「ご予約のお客様ですか?」と聞かれる。「いえ…予約はしていません…」と言うと、「またのご来店お待ちしています」と申し訳なさそうに言われる。

もちろんコロナ禍のさまざまな規制があるからこそ、飲食店にとっても苦渋の決断なのだと思う。でも、こんな”当たり前”は、今まではなかったはず。

完全予約制は、お店を予約するところから始まって、ワクワクした期待感も含めて体験になるのかもしれない。たしかに、数ヶ月前から予約して食べに行ったお店はとっても美味しく感じたし、「ついに芸能人に会えた!」みたいな気分だった。

とは言っても、さすがにいつものように数ヶ月後の計画を立てるのは結構手間がかかることで、せめて数日前の予約ぐらいに留めておきたい。一番は、その日の天気や気分でお店を決めるくらい気軽に過ごしたい。

そんなことを心の中でぼんやり思っていたところ、先日偶然入ったお店が大当たりだった。

スキーに行って温泉に入った帰り道、「夜ご飯どうする?」と車内で会話。「王将かなー」「お好み焼きでもいいなー」そんな会話をした矢先、GoogleMapを眺めていると「南米料理」という文字が目に飛び込んできた。


この片田舎で、南米料理!?と思いつつ夫に伝えると、すぐにGOサイン。数分後に到着すると、寂れた商店街に、ひときわギラギラ輝く「ペルー料理」のお店が。

カタコトの「いらっしゃいませー」のあいさつとともに、ラテン系のBGMと異国感漂うにおいを全身で受け止める。

お目当てのメニューはなかったけれど、セビーチェ(海鮮マリネ。トップ画像は以前食べたセビーチェ)やチチャモラーダ(紫とうもろこしのジュース)などを注文。本場ペルー料理を食べたことはないけど、おいしい。パプリカだと思って食べたら激辛で悶絶してひと盛り上がり。こんな展開も異国料理ならではの楽しさ。

その後も知っているスペイン語を話すと、「まぁ!!」と嬉しそうなスタッフさん。居合わせたお客さんはブラジル出身で、ブラジルの言語であるポルトガル語も教えてもらう。

お店のテレビにはペルーの音楽番組が流れていたけど、それはお客さんのYouTubeが繋がっていたようで、なぜかその後アンジェラアキの「手紙〜拝啓十五歳の君へ〜」が映る。

「この曲大好きなの!!」というお客さんとスタッフさんとともに、みんなで口ずさむ展開に。

名残惜しいけれど、規制でお酒も飲めないので切り上げ。最後にお会計をしていると「昔は日本でスペイン語教師をしていたの。今度またお店でスペイン語講座も始めるのよ。」と教えてくれた。


予約せずに偶然見つけたお店だからこそ、激辛料理に悶絶したり、みんなでアンジェラアキを歌ったり、スペイン語講座の情報を得ることができた。

お店を出た帰り道は、久しぶりに胸が高鳴っていた気がする。そうそう、この突然見つけたお店での出来事が人生をおもしろくしてくれるんだ。

もしかしたらこれからは予約制が一般的になるのかもしれないけれど、いきあたりばったりの出会いも大切にしていきたい。

人生いろいろありますが、今しかできないことに挑戦していきます♩