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数年ぶりにアパレルショップで洋服を新調して感じたこと

先日、とっても久しぶりに洋服を新調した。
そしたら、日常が鮮やかになった。


いつからだろう、全く洋服をほしいという欲が湧かなくなり、全く洋服にお金を使わなくなったのは。

4年前まで東京で働いていた頃は、使途不明金が多く、「ボーナス一括払い」を切り札に、そこそこ散財する生活をしていた。そんな私をほぼ無欲にさせた要因は、「リモートワーク」・「田舎暮らし」・「カナダ生活」だと思う。

リモートワークが当たり前になった今、誰かに会うことも減り、おしゃれしなきゃ!という気持ちがなくなっている。とはいえ、化粧は仕事モードに入れるのでするようにはしている。

そして田舎暮らし。よりによって島に住んでいるので、どこに行くにも不便になった。いろんなお店が入っている百貨店や、ルミネやパルコのような商業施設に行こうと思ったら、中国地方の大都市と呼ばれる岡山市内か広島市内まで出なければいけない。自宅からの距離、約100km。(!)

東京はどの主要駅に降り立っても商業施設があって、誘惑がすごかった。毎シーズン流行を押し出してくるので、特にほしいものがなかったはずなのに、建物を出るときには何かしら買っていた、なんてことはしょっちゅうだった。

そして私にとって大きな転機となったのは、1年間カナダの山岳地帯で暮らした経験。きっとトロントやバンクーバーのような大都市なら違うんだろうけど、アウトドア好きが暮らす地域ということもあり、女性たちはTシャツにレギンスが当たり前。化粧も最低限もしくはすっぴんで、「外見を着飾らなくていいことの心地よさ」を知ってしまった。

こうして普通は難しいと言われる「上がった生活水準を下げる」ことに成功した。おしゃれな同僚が「毎月服を一着買わないと気が済まない」と言っているのを聞いて、「そんな気持ちになるなんて一生ないだろうな〜」と横目に聞いていた。


ただ、ここ最近困ったことがひとつあって、理由は分からないけど満足しない、つまらないという気持ちが続いていた。

梅雨のせい?異常な気候のせい?

と流していたけど、夫も同じ気持ちだったようで。ふと、夫婦どちらからともなく「洋服ほしいなー」という言葉が出てきた。


数日後、思いつきで洋服屋さん(アパレルショップ?)に行き、思う存分試着して、ほしいものを買った。

自分には似合わないと思っていた洋服も、試着してみると案外悪くなかった。

昔は避けていたような配色も、歳を重ねたからか似合うようになっていた。


帰宅してお互いの買った服を着て見せ合いっこしてみると、心なしか夫の表情が明るくなったように見えた。そして今度は「カラーサングラスを買いに行こうよ」という夫。


あんなに無欲だったのにどうして…?

だって、定番の洋服は3パターンくらいで、Tシャツなんて3年前に買った2枚を着回していたのに?

突然どうしたの、と聞いてみると、「日本が困っているこんな時に、経済回さないとって思って」とのこと。


洋服を新調することと、経済を回すことになんの関係があるのだろうと一瞬ハテナが浮かんだけれど、たしかに。ここ最近、わたし、全然経済回していなかった。


ほしいものなんて無いと言い聞かせ、それがだんだん本音になり、いつしか流行なんて追わなくなっていた。けれど、それは経済も回っていなければ、自分の気持ちも巡っていなかったんだ。


同じ場所に住み続けると退屈になるのと同じで、同じ洋服ばかり着てチャレンジしないとつまらない気持ちになっていってしまうのかも。


経済を回したら、自分の気持ちも明るくなって、日常に彩がもたらされましたという話。これからも、適度に洋服を新調することを忘れずにいたいと思う。

人生いろいろありますが、今しかできないことに挑戦していきます♩