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病気とは何か?




先日よりつぶやき記事を始め、今少しづつ学びを深めているホメオパシーのレメディについて原料の語源を投稿している。数えきれないほどのレメディの中からどれを使うかは初心者には至難の技で、キットに入っているよく耳にするレメディに絞っても似た様な中からどれを選ぶかは難しいものだが、こうして語源と共に原料について書くことで、気づきや記憶の大いなる助けになる。何となく始めてみたnoteのつぶやきだったが、今のところ自分自身には効果大。外に向けて発信することはそれが届いた方々に何らかの助けやきっかけになればそれはもちろん素晴らしいことだが、同時に自分にとっての大きな財産となる…と言うかそちらの方が大きいかもしれない。例え誰の目に触れることもない投稿であったとしても、アウトプットする事はこんなにrewardingだとはやってみるまで気づかなかった。

そのつぶやきで取り上げたレメディの一つHypericum、オトギリソウ(弟切草)は、帯状疱疹になった時に随分と助けられた。その当時は「allopathyで症状を抑えるだけの対処はしたくない!」一心で持てる限りの知識を駆使して使っていたが、だんだんと波動療法(怪しいものでも何でもなく物質の周波を利用する物理と化学と生物の話)の事が分かってくると、神経に沿って毒出しをしていたあの痛みにHypericumが効く意味がだんだんと腑に落ちてきた。波動の意味がわかってくると実行部隊の糖をしっかりと摂取していればもっと早く治っただろうにと、今になれば理解できる。

さて、帯状疱疹に関しては歴史は繰り返す⑥
https://note.com/quellet/n/nf7ca816f0f28

で取り上げて書いたが、その時にも登場したDr. Cowanの言葉通り、それは水疱瘡のレッテル貼り替えに過ぎないのだろう。Dr. Cowanは皮肉屋さんで辛辣だが面白いことを言うのでいつも大笑いしてしまう。まじめを絵に描いたようなDr. Kaufmanとは対照的で、いいコンビ(ご本人たちはコンビを組んだつもりはないだろうが)だ。今回の記事では病名に対するCowan先生の皮肉のコメントを少しだけ紹介したい。



QPのワンポイント英単語✖️7


allopathy 逆症療法 allo-(異形の) と苦しみ・感情を表すギリシャ語のpathos由来のpathy(療法)からなる語。homeopathy(homeo-同様の、似た)同種療法の反対語で、例えば熱が出れば熱を下げるの様な症状の反対を施す療法、すなわち現代医学のほとんど。

smallpox 天然痘
 poxは膿疱・痘疹を表すpockの複数形pocksの綴りを変えた物 専門用語ではvariola 変化(この場合斑点のこと)を表すラテン語variusの※指小辞形で「小さな斑点」。

chickenpox 水疱瘡 waterpoxと言う単語もある。斑点がひよこ豆に似ているからとも鶏がつついた跡のように見えるからとも。 専門用語varicellaはvariolaの指小辞形。

measles 麻疹 中世オランダ語で膿疱を表すmaselが由来と目されている。専門用語rubeola ラテン語で赤を意味するrābeの指小辞形で「赤みがかった」。

German measles 風疹 当初麻疹や猩紅熱(scarlet fever)の一種とされていたがドイツの文献で別の病気と発表されたことからこの名前がついた。日本語でも三日はしかの異名があるが、名前からして麻疹みたいなものだとわかる。専門用語rubellaはラテン語で赤を表すrubeusの指小辞形で「赤みがかった」。

monkeypox 猿痘 最近はMpoxと言うようになったらしいが、1958年に研究のために飼育されていた猿の群れにこの病態が見られたことから

shingles 帯状疱疹 中世ラテン語で帯girdleを意味するcingulumから。専門用語herpes zosterの herpesはギリシャ語で這うを意味するherpeinから、zosterもギリシャ語の帯girdleを意味するzōstērから。

※指小辞 diminutiveとは名詞や形容詞について、感情的に「小さい」「少し」と言う意味を表す接辞の事。例えば、dogに指小辞のieをつけるとdoggieとなり「ワンこ」「わんちゃん」の様なニュアンスとなる(gが重なるのはdogの母音を保つため)。

What a beautiful doggie!



それではWhat is disease? 病気とは何か?に対するDr. Cowanの辛辣で秀逸な答えをご紹介。ちょうど日本だけでなく世界でも今テレビやネットで煽られているらしい例の病態の話がたまたまですが出てきます。

What is disease? 病気とは何か?


何か質問されてもその質問には答えないのが僕だけど、まずはこの話からして行くことにしよう。今になればわかるが、医学部の目的とは我々(医学生)の頭の中を混乱させることだと。すなわち医学教育が終わる頃にはまともにものを考えることができなくなっていると言うことだね。それで病名について色々考えてしまう状態に陥るんだよ。と言うのも医学部に行くと例えば次の様なことを習うからなんだけどね。

患者が具合が悪くて熱があって関節が腫れていて、その関節の腫れは移動するし左右対称に起こるとかの症状があって、抗原検査をするとリウマチ因子陽性となり、それがこの病気だと。病名は関節リウマチ。さて次の患者が来る。同様に具合が悪くて汗をかいて関節が腫れて、関節の腫れはあちこち動くし左右対称。そこでリウマチ因子検査をすると陰性と出る。それで何と言うかと言えば、リウマチ因子陰性の関節リウマチだと。すなわち最初の患者の病気は関節リウマチで、2番目の患者のはリウマチ因子陰性の関節リウマチ。(一同クスクス)

さて次の患者。昔の話だけど麻疹の患者。高熱で発疹がある。その発疹は斑状丘疹性であって、斑状性でも丘疹性でも斑状小胞性でも小胞丘疹性でもない。麻疹の病徴、言い換えれば麻疹の特徴の事だけど、それはコプリック斑と言う口腔内にできる小さな白い斑点だと。コプリック斑があれば間違いなく麻疹だと。だけどこの間たまたま見てたら、麻疹の子どもでコプリック斑がない子の割合…40%だってよ。じゃぁ病名は?コプリック斑陰性の麻疹…となるわけだけど、こんな話ばっかり、いくらでもあるよ。

一般の人が病気についてだろうが生活する中でだろうがそんな話をすれば精神病院行きだね…いやまぁ昔ならの話だけどさ。最近は精神病院そんなに作ってないからね。でも医者が言うと、お、この人さすが頭いいね、麻疹とコプリック斑陰性麻疹の違いがわかるんだから…ってなって、そんな話を鵜呑みにしちゃうわけだよ。これこれはそれぞれ別の疾患で、誰か罹っていたらそれが伝染する可能性があるとかね。あ、リウマチは伝染性はないんだけど、とにかく医学部に入ったら卒業の頃にはまともに物が考えられなくなってて、関節リウマチの患者がいたら本を調べて、これこれを投与して…となる。それに疑問を呈することもないわけ。もうぜーんぶが意味不明だからね。(一同クスクス)



4人のドクターが病気とは何かと尋ねられて、トップバッターのCowan先生の皮肉たっぷりの答えを聞いていた他のドクターたちもクスクス笑い出す。僭越ながら私も爆笑。二番手Kaufman先生は「僕はTom(Cowan)みたいなキャラじゃないから面白いことは言えないけど…」と続けていた。

出典:The End of COVIDシリーズのセッション75 What is disease?
無料期間は過ぎましたので現在は購読者のみ視聴できます。

このセッション参加のドクターは、Dr. Tom Cowan, Dr. Andrew Kaufman, Dr. Larry Palevsky, Dr. Amandha Vollmerの4名。


The truth about smallpox 天然痘の真実



このCowan先生の答えを聞いた時に何の違和感もなく笑わせてもらえた理由の一つは、ロシアの自然療法医 (naturopath)のKate Sugak(Екатерина Сугак)さんが、天然痘が名前を変えて水疱瘡、麻疹、猿痘などと呼ばれるようになった事について、歴史的、科学的検証をしていた動画を見ていたからである。私のデビュー作「ウイルス狂」で取り上げた本Virus Mania※1の書評でも紹介されていた「病名のレッテル貼り替え」である。Kateさんはまだとてもお若く見えて最初大学生かと思ったほどだが、よく調べておられる。原語は当然ロシア語だが英語やドイツ語などの多くの翻訳版があり、日本語版もqueseraseraさんが訳してくださっている※2。

病名のレッテル貼り替えと聞いてもおそらく大部分の人が何を言っているのだと思われる事だと想像するが、ケイトさんの動画より一文だけここで紹介させて頂くとするならば、
「これらは皆、皮膚が関係する解毒過程の異なる段階に過ぎない」
のである。皮膚は最大の解毒器官と言われるが、通常の毒排出経路(尿、便、汗など)で手に負えなくなった毒が皮膚を通じて出てきているのが症状であるという事。症状が病気なのではない、症状は病態ではあろうがそれ自体が治癒反応でもあるというパラダイムの理解が欠かせない。本当に健康な時は、日々侵入してくる、現代においては避けて通れない様々な毒を症状を伴わずに排出できるが、そうでなく毒が溜まっている時は症状を通じて排出する。症状さえ出せない時、もしくはせっかく出ている症状を薬などで抑えてしまえば、毒は体内に留まったままという事になる。

※1 ウイルス狂 Virus Maniaはこちらの本

ドイツ語原著は2007年発刊、こちらは
2021発刊のコロナも含めた英語第3版

※2 本記事を出した当初は日本語版はまだないと書いてしまっていたが、queseraseraさんの動画をすっかり見逃していた。お詫びして訂正します。日本語字幕付き版で是非ご覧下さい。


この動画を見た後に、上記QPのワンポイント英単語の語源を見てみると実に意味深い。病名はいろいろあれど、多少異なっていても似た病態があるだけ。存在しない別々の「ウイルス」のせいで別々の病気に罹っているわけではない。Kaufman先生が、語源を調べると色々わかるよ、って言ってたけどほんそれ!だから語源調べはやめられない!




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