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人材育成国際会議「ATD24 in ニューオーリンズ」参加記録

こんにちは!
表題の通り、世界最大規模の人材育成国際会議ATD International Conference & Expo(通称:ATD-ICE)に参加してきました。
5月19日~22日、場所はジャズ♫の聖地ニューオーリンズです。

今回、私は初めて現地参加しました!本記事ではATD現地参加のメリット、挑み方、気付き、事前準備について、徒然なるままに記載していきます!


ATDとは

ATDとは
ATD(Association for Talent Development)とは、1944年に設立された世界最大の人材・組織開発に関する会員制組織(NPO)です。

ATD国際会議とは
今回参加したATD 国際会議&EXPO(以下、ATD ICE)は、企業の人材・組織開発担当者や行政リーダー、コンサルタント、教育機関など、世界各国から10,000人を超える人材・組織開発のプロフェッショナルが集う、世界最大級の国際イベントです。
各セッションはコンサルタントや研究者、著名人などが登壇し、「今、俺達はこんなことやってるんだぜ!」をアピールするイメージです。
私も、アクセンチュアのコンサルタントが神経科学と心理的安全性について語るセッションを聞きました。
日本では1万人規模の、組織マネジメントにフォーカスしたイベントはないですよね。さすがトレンドの発信国米国様・・・(笑)

日本からの参加者数

日本からも毎年100人以上の方が現地参加しています!
参考までに、今年は159人参加しており、米国以外では韓国に次いでいました。

毎年公表される参加者数

私は会社の出張として参加したので、新たなる人脈形成を1つの目的としていました。
日本からの参加者159人のうち、およそ20%にあたる31人と名刺交換を行い、情報共有しました。
(誇れることかわかりませんが、日本人と1番名刺交換した日本人になれたと思います✌笑)

日本から参加している方の層は、人材開発会社、研修会社、コンサルティング会社だけでなく、メーカーからの参加者が多かったです。
日本を代表するメーカーの新規事業開発の方や、テクノロジー系の部署の方が多くいらっしゃいました。

留学では日本人と戯れることは愚行とされますが、ATDで日本人の方とコミュニーションを取ることで、国内外の企業がなぜATDに参加しているのか、いかにしてサービス開発につなげているかを把握することができました。

スケジュール

3本のキーノートセッションと、300以上のトラックから任意選択で参加する14本のセッションがあります。
私は20日から参加したので、キーノートセッションと下記①~⑩のセッションに参加しました。

当日のスケジュール

参加したセッションの学びについては、別の記事で紹介しようと思います。

ダニエルピンク氏の基調をパシャリ。なんとも米国のカンファレンスっぽい!

ATD参加の事前準備

ATD自体は4日程度で終わってしまうため、せっかくの機会を最大化させるには事前準備が肝心です。以下、私が行った事前準備を記載します。

①登壇者の著書を5冊以上読み、要約する
『モチベーション3.0』で有名なダニエル・ピンク氏に絞って、計5冊読了しました。
テーマを絞って積読した経験はありましたが、著者で絞ったインプットは新鮮でした。
いくつかnoteでも発信しています。

おかげさまで、ダニエル・ピンクの基調講演の理解度は抜群に高かったです。大体、「この話聞いたことあるな」状態でした(笑)

私はキーノートスピーカーであるダニエルピンクに絞って予習しましたが、来年以降参加される方は事前に1つの学習テーマ(リーダーシップ、心理的安全性、ニューロンサイエンス、chatGPTなど)を持って参加されるといいと思います。

②英語学習
手軽な英語学習として、ランチタイムに毎日1本TEDを観ました。2ヶ月TEDを毎日見たとて英語力は向上しませんが、僅かな耳慣れと気休めにはなります。
さらなる気休め程度ですが、自宅のAmazonアレクサを英語設定にしました。会話に多大なコストを要するようになりました。
(結局日本語で依頼しなおすのでした)

③ニューオーリンズのインプット
せっかくの海外出張なので、ニューオーリンズについてもインプットしました。海外渡航前に、その土地の歴史や文化を知るには映画や本がうってつけです!
映画の話をシェアすることで日本人の方と仲良くなったりしたので、万国共通のエンタメを活用しましょう!

ニューオーリンズが舞台の映画

『ニューオーリンズ』(1947年上映) はたこ評価☆3.8
ジャズの巨匠ルイ・アームストロング本人が出演。 クラシック音楽が定番の中、即興音楽のジャズがいかにして世界に広まっていくか。 ニューオーリンズは街の名前の由来が「新しい(New)オルレアン(Orleans)」ということからもわかるように、植民地時代はフランス領でした。多様な人種の人間が一堂に介することでジャズは生まれたのです。作中でも、「ジャズは西アフリカの労働歌や讃美歌や川船の歌が合わさって生まれた」と紹介されてました。イノベーションの源泉は混沌、カオスですね。 どの会社も最初はベンチャー企業であったように、ジャズも社会に浸透するには時間がかかっていました。ジャズという音楽が観客に受け入れられていく過程は、産みの苦しみを感じることができます。
『グランド・イリュージョン』 (2013年上映)はたこ評価☆4.0
ニューオーリンズも、マジックショーの会場としてロケ地の1つですが、景観がなんとなくわかる程度でした。 エンタメ作品としてどうぞ。
『プリンセスと魔法のキス』 (2009年上映)はたこ評価☆4.1
ディズニー作品は人生で大切なことを教えてくれますね。 ニューオーリンズではワニやカエルもジャズを奏でるそうです。米国の多民族は種族だけでなく、生物を超えるんですね~~~

英語での講義の聴講方法

この2ヶ月間でスキマ時間のTED視聴で英語の耳慣れをしてきたものの、初回のキーノートセッションから、専門的な話は英語が全くわからず、且つ翻訳アプリは精度が悪く混雑により時間差があったために、「これじゃ全く学びにならない💦」とかなり焦ってしまいました。

ATDからは公式アプリで推奨翻訳アプリ(wordly)の紹介がされていましたが、翻訳精度は高いもののテキストデータの保存ができず、聞き流しのみで復習することができませんでした。

頭を悩ませた結果、今できることは同郷の玄人を頼ること💡だろうと、昼休みに片っ端に日本人に話しかけまくり、玄人の情報収集方法を調べました。海外での学会に何度も参加している研究畑の玄人いわく、学会が推奨しているアプリよりも、マイクロソフトのTranslatorというアプリをスマホ2台で繋いだ方が翻訳の質も高く、同時翻訳でき、おまけにスクリプトも手に入るということでした。

このスクリプトをもとに要約と言語録を生成するGPT4o用のスクリプトを用意することで、セッション終了5分後に振り返りができます。
さらに予習用のスクリプトも用意することで、準備の質も高まりました。

結果的に日本人の方々から「良い方法知っているらしいですね、僕にも教えて下さい」と、終了後に何人かの方にお声掛けいただきました。
やってることは人の手法を盗んで足し合わせただけですが、情報のハブになることで更に情報が集まることを体感しました。

これで英語でのセッションも全く怖くない!不自由ない!のでした
上記の方法は、学会問わずに英語講義に使える方法です

現地だから得られる学び

現地参加している日本人の方に「今のところ1番の学びは何ですか?」と聞いていくと、「こっちの人は改めて優しいですね」「仕事を楽しんでいていいですね」などと回答いただくことが多かったです。
アカデミックな場なので、もう少し専門的な知識やノウハウに関する学びをお答えいただけると思っていたので、意外でした。
ATDを聞くだけれあれば、日本からでもオンラインで視聴可能です。
だからこそ、現地だから得られるものは、五感で感じられるものだと思いました。

「日本人は、仕事は真面目であるべきという呪縛にとらわれてるなぁー。もっと良い意味で気楽に、テキトーでいいのになー」
「敬語ってなんであるんだろうなー。ジョブ型はジョブに優劣があるのであって、人間に優劣はない。日本は人に上下関係がつくので、対等な関係性が築きづらい。敬語とかなくせばいいのになー」
「めっちゃ声でかいなー。腹から声出してていいなー」
「海外の方って、スタディングオベーションが普通だし、”フォー”とか奇声あげちゃってていいなー(日本ではレイザーラモンHGしか"フォー"を日常使いしません)」

こうした疑問や感想を深堀りして、何かしらの解釈を持ったり、科学的な根拠をもとに説明できるようにすることが大事なんだろうと思いました。

ATDに参加しての気付き①人事の仕事は飽きにくい

ヒューマンリソースマネジメントは業界軸ではなく機能軸であり、専門分野が体系立って確立されているフィールドであることを再認識しました。
大学の授業やアカデミックな研究対象とされている領域が広いほどに、専門性は多様で、深淵です。
具体的には、リーダーシップ、キャリア開発、タレントマネジメント、トレーニング、コーチング、組織開発と、専門性が多岐にわたるだけでなく、心理的安全性、エンゲージメント、ニューロンサイエンス、レジリエンスなどのトレンドがあります。

私のような組織人事コンサルタントも、研修会社の方も、企業のHRBPの方も、たとえ生業が何であれ、いずれの専門性も応用可能な提案ができるのです。もし人事の仕事に飽きがきている状態であれば、人事に関する解像度が低く、学習が不足している証拠であると感じました。
改めて、組織人事はプロフェッショナルな領域であることを体感しました。

ATDに参加しての気付き②専門性の卵を探す

ATDのような世界標準の学びの場に出ることで、「自らの研究の卵」を探すことができます。
次に養いたい専門性の種や自身のキャリア開発へのヒントを得ることができる点で、若手からベテランまで、参加する価値は大いにあるように思いました。

本来は毎年参加することで、自身の専門性を深化させたり、仮説を検証しにいく場として活用できればいいのですが、1回の参加では学びが点です。
1回の参加だけで学びを線や経験にすることは、私には難しいと感じました。

ATDに参加しての気付き③海外と日本のEXPO(展示会)の違い

ちょうど5月上旬に、東京ビッグサイトにて開催されたHREXPOに参加したため、日本の展示会との比較について考えました。
日本のEXPOでは、餌に群がる魚のように通りすがる人に片っ端から声をかけます。私自身、通りすがる人の鼓膜をいかに刺激できるかを試行錯誤しました(笑)
一方で、米国のEXPOは全く押し売りをしないし、リーフレットを渡されることも、無理やり営業をされることもありませんでした。

むしろ食べ物や飲み物を配っていました。このように、EXPOでのセールスの在り方が全く異なるように感じました。嫌な思いをせずに、良い思いをさせてくれるのは素晴らしいことだと思います。
売らずに売れる仕組みを作っている証拠です。

休み時間のたびに、毎度ポップコーンを貰いに行きました。 「お前、またポップコーン?笑」と言われましたが、好物をフリーでもらえるなんて行かない理由がありません。円安で海外は肩身がせまいので、ありがたいです。 それでも嫌な顔をせずにおかわりをくれることに感謝!

ATDに参加しての気付き④準備と実践がキー

別途参加セッションの学びをまとめていこうと思います。
300以上あるトラックの中で、ジャンルを分け隔てず、興味の湧いたタイトルを選び、参加したので、事前情報がなくチンプンカンプンな内容も多くありました。ただでさえ英語で理解が追いつかないのに、不慣れで事前知識が全くないテーマは、大いにストレスのかかる時間でした。

これはひとえに、事前準備と実践が足りていないからだと思います。
入念に予習して臨んだダニエル・ピンクのキーノートセッションは、英語にも関わらずほとんどの内容がわかりました。
事例やティップスが全て書籍からの内容で、予習が効いている実感がありました。

また、「さっきのセッションで、スマホがデスクの近くにあるだけで生産性がぐんと下がると聞いた。チャットだから早く返信しないといけないという先入観があるから、うちの会社でもいっそチャット禁止にしようかな」などと、セッション後に会社のメンバーと自社に落とし込む方法を考えていきました。
得た学びをすぐに実践で考えることで、学習効率が高まるのだと思いました。

難しいテーマでも準備、あるいは日々の実践に紐づけば、学習の意義が高まります。

米国で注目されている言葉”humanity”

今回のATDでやたらと耳にしたキーワードは、humanityです。
日本語にすると人間力。

つまるところ、リーダーは人間性を磨けということでした。
人間性の低いリーダーのもとだと、部下は退職や休職が増えるという主張が多くあり、今更ながら米国でもhumanityなんだなぁと新鮮な気持ちになりました。

業績が抜群によくても、部下の離職や休職などが多いと、「Humanityが低い人」と低評価にされる米国企業、、、
人間性をスコアにするって残酷な世の中です。

(番外編)帰国して最初にやったこと

4泊6日の米国出張はなかなか身体に応えました。ひいぃ😫
帰国して真っ先に、Wife様に「おかえり!それで、私をいつ米国に連れて行くんだ!」と言われました。ということで、9月上旬に8泊9日でロサンゼルスとニューヨークに行く予定を立て、予約しました。
今年は米国に縁がある年ってことで、米国から帰ってきた日に、米国に行くフライトを取りました。ま、それもまた一興ってことで。。。

(番外編)体臭に注意

帰国して1番の気づきは、体臭の臭さが増していることw
フライ中心の食生活は身体の節々に来ますね~笑

米国で食べたものを並べると、色が全て同じでした(笑)

1番の体臭ケアは、食生活ですね!(笑)ヤサイタベマショー

以上、ATDの学びや気づきのシェアでした!

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