会って、話すこと。
〜自分のことはしゃべらない。相手のことも聞き出さない。人生が変わるシンプルな会話術〜
ほぼ全編、会話が繰り広げられている本である。ただ、会話したものをただただ並べているだけではなく、そこに、人間の本質が見事に透けて見える。そのうえ、ウィットに飛んだ会話で仲良いんだなって思う。
「意見をぶつけることが会話ではなく、関係ありそうななさそうなことを返すこと。」と筆者は言う。まさにそれを体現していて、すごく共感できるし、できてる時はできてると思えた。
そして、期待せず、見返りを求めず、ある一定の距離感をもって人間関係を築いている私でも、「人間は会話すると必ず傷つく」というのは痛いほどわかる。
そんなつもりで言ってなくても違うように受け取られたり、相手は傷つけようと思ってなくて何気なく言ったことに凹まされたりと、そんなしょっちゅうはないけど、気を遣っていたとしても、そういうことはある。
確かに、さぁ、話そう!さぁ議論しよう!この話の結論は?どっちが正しい?…などと、はっきりした議題や答えがある話よりも、何を話してるかはっきりしないけど、同じ時間を同じ空間で過ごしている心地良さを感じることが、本当に楽しいのかもしれない。
あとは、相手が少し話した話題のことを、こちらから詳しく話したり、深く掘り下げて意見を言うと、深いところで人と繋がれたりする。いわゆる共感である。
辛いことをおもしろおかしく伝える技術って、生きる上でとても大切。ってのもめちゃくちゃわかる。大変なことこそ、深刻にならずに笑い話として話したいことがある。
相手はあなたに興味がない
あなたも相手に興味がない
この言葉はとても良い言葉だ。一見冷たい、ひどい言葉と受け取れないこともないが、本当に本質的には、その通りだと思う。
そのうえで、一緒に同じ場所で同じ時間を過ごすことが尊い。
そんな会話、人間関係を築いていきたい。
コロナ禍が続く今日この頃、人と会って他愛もない話をしてお酒を飲むことがめっきりなくなっている。さみしい限りだ。
だからこそ、関係ありそうななさそうなことを返すことを心がけて会話してみようと思う。
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