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dreams come true

教員免許の勉強は順調に進み、2年目に教育実習に行くことになった。4週間もあるので仕事を辞める覚悟をしていた。

で、ダメ元で上司に教育実習に行くと言ったら…何と!休ませてくれた。本当に感謝である。

その時、息子3歳、そして、娘3ヶ月!?
当時はそんなに何も思わなかったが、振り返ってみると計画通りだったとはいえ、なかなか無謀な決断だったと思う。

教育実習は、母校ではなかったが、実家近くの地域の学校で教育実習をした。つまり、家族3人、実家で4週間過ごしたのである。これまた振り返ってみると、自分はもちろんだが、妻がスゴイ!

そして、実習を受け入れてくれた5年担任の先生が、子どもの頃、近所に住んでいたお姉さんだった。この縁もありがたかった。

ただ、今から振り返ってみると、35歳のおっさんの教育実習を引き受けるなんて、なんと気の毒なことをしたと今だと、その大変さもわかる。

そうして、無事、教育実習も終わり、順調に単位も取得し、ようやく教員免許を取ることができた。免許状が届いて、免許状を見た時は、なかなか感慨深いものがあった。

35歳になったばかりの春だった。

でも、ここから実際に小学校の先生になるまでに、約2年かかる。

なぜそんなに時間がかかったのかというと、いくつか理由がある。
1つは仕事で、某自治体の小中学校全校の学力調査を請け負い、それが3年スパンだったのでそれが終わるまでは、自分が取ってきた仕事なので責任があると思った。

2つ目は、講師で食べていけるとわかっていたとはいえ、実際、仕事を変える覚悟がなかなかできなかったのだと思う。35歳だからね。

そうして、1年、2年経つにつれて、先生になるために免許をとったのだから、結局は自分が決断できるかどうかだけだという思いが強くなっていった。

つまりは、じわじわ自分を追い込んでやっと先生になる覚悟を決めて、某自治体に講師登録に行った。
すると、明日からでもできると言われた。さすがにそれは無理なので4月からでお願いした。

その講師登録に行った日、前年の教員採用試験で出会った30歳の男の人(某マンスリーマンションの会社から先生に転職した人)に「今日、講師登録に行って明日からできると言われたよー。そんなに足りてないのかなあ…また飲みに行こう…」などとメールを送ったら、すぐに彼から電話がかかってきた。

「今、勤めている学校で3月から産休に入る先生がいるから、講師探してると校長先生が言ってるけど、どうかな?」

4月から先生として働くつもりだったから1か月早いけど、でも、知り合いが働いているというのは心強いし、産休に入るのが1年担任だったので、3月の3週間だけ1年の担任をして、慣れて、4月から本格的にがんばる。入りやすいこの上ない環境だと思い、引き受けることにした。

まず、校長先生と面接をした。その時のことを昨日のことのように覚えている。
初めて働きだした初日のこと、3日目に暴れた男の子を抱きしめてなだめたこともよく覚えている。

まさか、その8年後、同じ小学校で教頭になるなんて当時は知る由もなかった。
それは、37歳になる直前の3月のことだった。

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