コラボ楽曲っていつもより聴かれるよね?を調べてみた
こんにちは、Quarkです。
一人モクモクDTM勢ですが、やっぱり思うことがありまして。
合作とかRemixしたほうが曲聴かれるよねーーーーーーーーーーーっていうことです。
宣伝活動な大事な昨今、一人よりも複数人で手掛けたほうが人の目に触れやすいですし、作曲面でも他の人のアプローチ方法が知れたりして面白いです。
今回のテーマは「そりゃそう」だって話だと思うんですが、ちゃんとデータを使って調べてみました。
データについて
Spotifyの楽曲データが分かる、Spotify APIを用いて調べました。
一人リリースの楽曲 vs Remix楽曲でSpotify APIが提供しているデータのPopularity(人気度)を使って比較しました。
私が好きなHardcore,Hardstyle系のジャンルをメインに手掛ける180アーティストを対象に、約4600曲のnon Remix楽曲約4600曲と約700曲のRemix楽曲からPopularity値を集計しました。
non Remix楽曲とRemix楽曲どちらにも存在するアーティストに絞って、Popularityを比較しました。
non Remix楽曲条件
アーティストは一組のもの
合作は含みません
楽曲名&アーティスト名が被っているリリースはPopularityが大きいものを使用
過去のシングル曲をアルバムで再集録したりすると、楽曲名&アーティスト名が被ります
Edit, Cut Mix等と被りが生じることがあります
Remix楽曲条件
楽曲名に「Remix」と記載のあるものが対象
楽曲名&アーティスト名が被っているリリースはPopularityが大きいものを使用
使用データ
実データは以下のような形になっています。
一番上の行のSet It Off - Hallucinator Remixで説明すると
remixer_avg_popularityはHallucinator(Remixする側)のnon Remix楽曲の平均Popularity
popularityは楽曲Set It Off - Hallucinator RemixのPopularity
origin_avg_popularityはForbidden Society(Remixされる側)のnon Remix楽曲の平均Poplarity
diff_release_popularityはRemix楽曲Popularity - Remixする側平均Popularity
diff_origin_popularityはRemixされる側平均popularity - Remixする側平均Popularity
origin_artist_famousはRemixされる側平均PopularityがRemixする側平均Popularityより高ければ1 低ければ0
remixer_popularity_groupはRemixする側平均Popularityをアーティストごと分布パーセンタイル値で4分割したもの
ここで「聴かれるよね?」を調べたいときの目的指標にするのはdiff_release_popularity(Remix楽曲Popularity - Remixする側平均Popularity)で、これが高いほど「聴かれる」とします。
集計
そのまま集計
まずはそのままdiff_release_popularityを集計してみました。
中央値は-0.36, 平均値は1.31と、Remix楽曲だからといって普段のリリースよりPopularityが伸びるような傾向は見られませんでした。
origin_artist_famousのグループ別に集計
Remixする側よりされる側のほうが人気か否かでグループを分けてみてみました。
Remixされる側のほうがする側より人気なグループが1で、中央値は0.96,平均値は4.28でした。
Remixする側のほうがされる側より人気なグループが0で、中央値は-2.29,平均値は-2.12でした。
これは何となくわかりますよね。自分より人気なアーティストの曲を自分がRemixして出したらいつもより聴かれる気がします。
Remixアーティストの平均Popularity別に集計
Remixアーティストの平均Popularityをパーセンタイルで4分割したremixer_popularity_group指標も使って比較してみます。
ちなみに4分割の内容は
Group "~25%" -> popularity 0.00 ~ 3.52
Group "25% ~ 50%" -> popularity 3.52 ~ 8.32
Group "50% ~ 75%" -> popularity 8.32 ~ 15.00
Group "~100%" -> popularity 15.00 ~ 37.45
となっています(分かりやすさの為数値がグループ間で被っていますが実際は重複ありません)
やはりRemixされる側のほうがする側より人気なグループではプラス方面に働いています。
ただ、RemixerのPopularityが高いほどプラスに働くかマイナスに働くかの分布が広がっています。
Remixされる側のほうがする側より人気なグループの「1」だけにフォーカスして、diff_origin_popularityをX軸、diff_release_popularityをY軸に散布図を展開してみました。
diff_origin_popularityは「Remix楽曲Popularity - Remixする側平均Popularity」つまりRemixされる側のほうがする側より人気なら値が大きくなります。
diff_release_popularityは、目的指標である「Remix楽曲Popularity - Remixする側平均Popularity」です。
Group "~25%"では、この2軸においてほぼ直線の関係となっており、普段のPopularityが0~3.52程度のアーティストは、自分より人気なアーティストの曲をRemixするほど聴かれる関係となっています。
逆に Group "~100%"では、黒い線を見る限りそのような関係にはなっていなさそうですし、点のばらつきも大きいです。
Popularityを分かりやすく
「Popularityが0~3.52程度のアーティスト」と言われても、Spotify独自の指標であり分かりづらいと思うので、この範囲に該当したアーティストの2023年3月6日時点の月間リスナー数を調べてきました。
月間リスナー数は直近リリースがあるかどうかや合作なども含まれる為、かなり多い人もいましたが、3桁 ~ 4桁リスナー数のアーティストが多かったです。
結果
月間リスナー数が3桁 ~ 4桁程度のアーティストは、自分よりも人気なアーティストと楽曲コラボすることで、より聴かれるのではないかという結果になりました。
Spotifyを使用しているアーティストの80%近くは月間リスナー数が2桁との結果も出ているので、大半のユーザーにとっては合作やRemixをしたほうが良いんじゃないかと思います。
さいごに
・・・ということで、私も月間リスナーは3桁なのでバンバン有名な人の曲にあやかっていきたいなという気持ちです(ゲス
今回の記事はRStudio,R Markdownを用いて制作したものをみやすく改変したものです。
ソースコードやR Markdownを用いて生成したhtmlファイルは以下のリンクから閲覧できます。
最後まで見ていただき、ありがとうございました。
もしよければ楽曲も聴いてもらえると嬉しいです。