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手術note3 ベランダから落下した猫の上腕骨遠位端粉砕骨折と距骨粉砕骨折
※この記事は小動物医療関係者向けです。
4歳猫、避妊メス、夜中に4階のベランダから落下し、翌日の朝マンションの下で発見されました。同日ホームドクターを受診し右側上腕骨遠位端粉砕骨折、右側距骨骨折、気胸と診断され4日間治療されたのち当院を骨折の治療のため受診しました。来院時のX線写真では上腕遠位端のY字粉砕骨折と距骨の骨折が認められ同時に整復手術を行いました。
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上腕骨は内側、外側アプローチを行いプレートを使用して整復をしました。距骨は内側からアプローチしましたがX線で確認するよりも距骨が粉砕しており解剖学的な整復が不可能であったため経関節創外固定を装着し骨折の安定化を行いました。
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翌日から患肢の負重が可能で元気食欲とも良好でしたので術後3日で退院しました。その後も患肢の負重は良好で創外固定器のピンサイトトラブルなども認められませんでした。術後約2ヶ月で創外固定器を除去しました。創外固定器除去後も跛行はほとんど認められず経過は順調でした。
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猫の飼育頭数の増加に伴い、猫の骨折が以前よりも増えているように思われます。猫の骨折は高所からの落下によるものが多く、上腕骨の骨折や脛骨の骨折が多い傾向にあります。落下後の骨折は今回のケースのように粉砕骨折になることが多く手術が難しくなる傾向にあります。今回の症例も大変な手術ではありましたが非常に経過は順調でした。
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