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Mission/Vision/Valueについて(2/3)

※こちらは2014年1月24日にATARAサイトにてCEOブログに掲載されたものの転載となります。

組織と個人のビジョン/ミッション/バリュー

Visionは、こうなりたいという将来像、どこに行きたい?どうなりたい?
Missionは、社会に与えられた使命や天命、存在意義
Valueは、MissionをこなしVisionに向かう上で守るべき価値観やルール

絵に描くととこんな感じかと思います。これは先日の合宿用に作ったものです。

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作る上でのヒントをいくつか:

1. みんなで作る
Mission/Vision/Valueの難しいところは作る部分よりも、その後組織において個々人に浸透させることのほうだと思います。組織に関わる人間みんなで作ることで、その過程でコミットメントを取り付ける作用があります。ただ、大勢で作ろうとすると、最終的に一つのものにまとめる必要があるため、作成セッションを取りまとめる人の能力が問われます。自分のときは、20数名のマネージャー陣、基本全員参加で、複数のグループに分かれて、それぞれの案をぶつけ合って、最終的に一つにまとめあげました。

2. 分かりやすくする
分かりやすさはとても大事です。でないと浸透しないと思います。グーグルのあまりにも有名なMission「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」。これには個人的なエピソードがあります。私がGoogleを受ける前からこのMissionは有名だったので知ってました。Google在職者に面接前に「みんなGoogleの世界中の情報を整理するというMissionに沿ってそれぞれが自律的に判断し仕事してます。」と聞いて、正直「またまたウッソー」と思いました。インテル時代はそのような経験をしましたが、まだ設立して10年も経ってない会社でそんなことが可能なのか、と疑問に思いました。合格して入社してみると、本当にそうでした。現場レベルのミーティングでよくその言葉が出る。世界中の情報を整理することにつながらないことはやらない。自律的に判断し動いてる。直感的に「あ、ここはスゴく強い会社だ」と思いました。いい形で期待を裏切られました。で、これが誰も教えたりしてないんですよね。みんな知ってる。分かりやすいし本当にGoogleのやっていることはそれに沿ってて納得感があるから行動に移しやすいんだろうなと思います。実はインテルもIntel Valuesというのがあるのですが、クレドカードのようなものが配布され、かつ、時折マネージャーによる抜き打ちチェックがありました。答えられないと評価ダウン。厳しいなー、と思いつつ、これが浸透させる方法なのかと思いました。クレドカードを配布するのは多い感じがしますね(楽天さんもそうじゃないかな)。いずれにしても分かりやすさ、というか実践しやすいものが大事かと。

3. Vision少し手が届きにくい夢に近いものを。でもバランス。
Visionはあまり簡単に実現できては意味がないのでちょっとチャレンジングなものを設定してください。でも、あまり現実からかけ離れててもモチベーションが上がらないのでここはバランス感覚です。

4. Missionは変えてはいけない、Vision/Valueは変えていい
Missionは使命・天命だし、憲法みたいなものとも言えるのでビジネスを完全に何かに転換するのでなければ変えてはいけないです。MissionやValueは環境の変化があるので変えていいことになっています。
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これができたら、本来は部門のそれ、個人のそれ(仕事における部分)はアラインしている必要があります。

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といいますか、本来は組織のそれがあって、新卒にしろ中途入社にせよ、「うちの組織はこういうMission/Vision/Valueに沿ってやっている(社会貢献している)組織です。同じ方向を見てご一緒できますか?」という「握り」をすべきなんだと思います。それがない、または入社前の握りが薄いので、入社した後になって「こんなはずじゃなかった」みたいな話が多いんだと思います。同じ方向性を見たり、同じ価値観がなければ恋人や配偶者同士でも辛いですよね、お互い。それと同じですよね。だから契りを交わす上でも大事だし、自分がやっていること、部門がやっていることが会社が大事だと思っているどの部分に該当し、どう貢献できているのかが分かりやすくなれば仕事に対するやりがいも変わってくるはずです。
次回で最後ですが、アタラのMission/Vision/Valueを作った背景を書きたいと思います。

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