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コスパ最高のHi-Fiオーディオ「WiiM mini」 と「SMSL Su-1」で音質爆上がりの巻

ネットワークストリーマー「WiiM Mini」 とハイレゾDAC「SMSL SU-1」を買って、手持ちのオーディオプレーヤーにつないだら音質が爆上がりして感激した。

音が気持ちよく広がる。今まで聞こえなかった音が奥の方で聞こえる。何度も聴いてきた曲が別のバージョンの曲のように感じる。

今までベースの音がよく聞き取れなくて、自分が知覚できる低音の範囲が狭いのかもしれないと思っていたのだが、どうも違うようだ。楽器の音がそれぞれ分かれて聞こえるからベースの音が、微妙な音程の違いまではっきり聞こえる。これまでは音が埋没して全体的にゴチャっとしていたのだ。

とくにボーカルが全然違う。細かい抑揚、喉の震えまで感じられる。上手い下手が如実に分かるから、何度も聴いてきた歌でも、こんなにリズム感が良くて音程がスムーズなシンガーが歌っているんだという新鮮な発見がある。女性ボーカルの場合は違いがよりはっきり感じられて面白い。

それで、Spotifyで女性ボーカルばかりのプレイリストを作って聴いている。お気に入りの女性ボーカルの曲を集めただけなのだけど、まとめて聴くと、好きな声の傾向が見えてくる。あまり声を張り上げないで語るように歌い、少しかすれ音が混じるハスキーボイスで、でも高音はスーッと伸びる声が好きなのだ。高いキーで大声を張り上げて歌うよりも、低めのキーでしゃべるように歌う方がずっと難しいと思うのだがどうだろう。

1曲目のスザンヌ・ヴェガのアカペラ曲「トムズ・ダイナー」は、スリリングなノンフィクション本、スティーヴン・ウィット著「誰が音楽をタダにした?: 巨大産業をぶっ潰した男たち」に紹介されていた。1990年前後、カールハインツ・ブランデンブルクたちが音響データの圧縮技術mp3を開発、インターネットでの音楽ファイル転送を達成してゆく。開発時のサウンドチェックで使用され、何百回と聴かれたのが、スザンヌ・ヴェガのこの曲だ。世界で初めてmp3フォーマットに変換された曲ということになる。

久しぶりにオーディオ機器を買ったいきさつを書く。

自分は音楽好きだけど、視聴環境やコレクションにはそれほどこだわらない、いわゆるライトリスナー。Spotifyのサブスクで音楽を聴くようになって、すっかりCD、レコードの出番がなくなっている。月額1,000円ほどで聴き放題、以前ならマニア垂涎のレア盤も普通に簡単に聴ける。手軽すぎて所有しているCDのアルバムもスマホのSpotifyアプリで聴く。すごい時代になったものだ。

ただ、不満というか不思議というか、これだけテクノロジーが進歩し続けているのに、楽曲の音質、音楽を聴いて受ける印象、音楽に感動する度合い、というのは年々低下しているように感じる。サブスクよりもCDの方が聴いた印象は良いなと思うし、CDよりもレコード(アナログ盤)の方がより深く音楽に感じ入ることができるように感じる。

聴き放題のSpotifyで、以前には考えられない有り余る曲数を聴き続けながら、なぜこんなにも音楽で満たされる感覚が減ったのだろう?そもそも、なぜこんなに音が平坦で聴きにくいんだろう?と感じていた。

ストリーミングの音質もあるけど、映画をストリーミングで見られる時代だ。音声だけなら難しくないだろう。問題は再生機器だろうと考えた。便利な機能と引き換えに高音質のソフトとハードを手放してしまったのだ。そういえば、サンスイのオーディオなんてイイ音を鳴らしていたなあ。

最近の視聴スタイルはというと、iPhoneから有線イヤホンで聴いたり、iPhoneかMacをアクティブスピーカー(Tivoli Audio)に接続したり。昔に買ったLinnのミュージックプレーヤーの出番は極端に減っていた。

iPhoneの純正イヤホンの音質は色付けが強くて、ベースとボーカルばかりが大きく聞こえて、音に丸みがなくて全然満足できなかった。YouTubeの音質は良くないし、Bluetoothでワイヤレス接続すると楽曲が平べったくなって、音が荒れている印象がして好きになれなかった。

でも、スマホで音楽を聴く便利さは捨てがたい。オーディオシステムの前にドッカリ座ってアルバムをセットしてじっくり音楽を聴くのは面倒で、どちらかと言えば、ながら聴き派。それでもなるべく良い音で気持ちよく聴きたい。

それで色々と調べると、どうもネットワークストリーマーWiiMが、安い割に音が良いらしい。Wi-Fi接続なのも良い。Bluetoothより期待できる。

AppleのAirPlay2、Spotify Connect対応のストリーマーで、早い話が、WiiMをオーディオにつなげば、スマホから出るあらゆる音声は全てワイヤレスでWiiMを通してスピーカーから聴くことができる。

レビューを見ると、アプリの操作性がよくて、接続がとても簡単らしい。自分向きだ。WiiMにはMini, Pro, Pro Plusの3種類があって、値段はPro Plusが一番高い。それでも定価39,500円。やはり、音のクオリティはそれぞれ全然違うらしく、Pro Plusをお勧めするというレビューが多い。

もう一つ別に検討していたのが、DAC。デジタルデータをアナログ信号に変換するものでスマホにも入っているが非力。WiiMにも入っている。DACを単独のものにすれば音質が良くなるだろうか。これは良いかもと思ったのが、S.M.S.L社のDAC。一番安いのは10,000円くらいから買える。

DACは心臓部にあたるチップが大事で、DACチップの優劣で音質が左右される。S.M.S.L社の廉価モデルSU-1には、高音質と定評のある旭化成のチップ AKM AK4493Sが搭載されている。SU-1はDAC機能に特化していて、他は何もできない。ディスプレイ無し、イヤホンジャック無し、最小限の入出力端子のシンプルさで約10,000円というのが価格破壊らしい。

そして、WiiMの上位機種 Pro Plusにも旭化成のAKM AK4493SEQが搭載されている。

それで思った。どっちもほとんど同じDACチップを載せているじゃないか、ならば、WiiMとS.M.S.Lを組み合わせたらどうだろう?Wi-Fiネットワークストリーミングの機能はWiiMのなかで一番安いMiniが担い、DAC機能はS.M.S.LのSU-1が担う。この2台で理屈としてはWiiM Pro Plusと同等だろう。それでいて値段はPro Plusより安くなる。決まり。

Amazonでセールだったので安く買えた。
WiiM Mini 10,320円
S.M.S.L SU-1  9,035円
合計 19,355円 

これは安い。もし音に満足できなくても、仕方ないと納得できる。

結果は、大満足。びっくりした。音が広がる。クリアな音で、楽器の音がちゃんと別々に聞こえる。ちょっと音の余裕というか、ふくよかさというか、余韻のある丸みというか、そういったものが足りない気もするが、ハイエンド・オーディオではないし、高級な音をあまり知らないので分からない。自分にとっては必要十分で、音の解像度が上がって聴くのが楽しくなった。コスパ最高ではなかろうか。

【システム構成】
iPhone →Wi-Fi→  WiiM Mini→光ファイバーケーブル(SPDIF)→S.M.S.L SU-1→RCAケーブル(BELDEN8412)→オーディオプレーヤーLINN CLASSIK MUSIC→スピーカー

(アクティブスピーカーTIVOLI AUDIOはサイズが小さくパワー不足で、ボリュームを上げると音割れする。残念)

スマホで手軽に音楽を楽しんでいて、イヤホン・ヘッドホンじゃなく、空気を通して音楽を聴きたい、家にある古いオーディオで、それもスマホをリモコン代わりに使いながら気持ち良い高音質で、というニーズを充分に満たしてくれている。

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