三浦芳聖伝 10、一子相伝の系図を掘り出す(№124)
一子相伝の系図を掘り出す
1、壮丁検査を受け甲種合格
三浦芳聖は、大正13年(1924年)数えの21才になったので、6月某日、壮丁検査を受け甲種合格となった。
甲種合格の目安は身長152センチ以上・身体頑健で健康であることだった。
芳聖は、安楽寺の修行時代、兄弟子のいじめに遭い、片方の耳の鼓膜が破れ、そのまま放置したのがもとで聞こえなかったので、正直に検査を受ければ甲種合格にはならなかった。
戦争に行くのが嫌で様々な方法で「兵役逃れ」を画策する人々がいた中で、芳聖は甲種合格となるよう、敢えて片耳の難聴を秘して検査を受けた。
芳聖は、命懸けで国家に貢献する道を選んだ勇気ある日本男児であった。
2、一子相伝の系図を掘り出す
徴兵検査が済んだので、芳聖は、父・三浦市次郎の命日6月30日に、父の遺言に従って、牧平大門のお蔵の南側に埋めてあるという、三浦家の大切なものを掘り出すことにした。
元々は三浦家の土地であった指定の場所(お蔵の南側)に行ってみると、不思議にも、そこは一間四方、草も生えていなかった。
土地の所有者(三浦岩吉氏)の許可を得て、岩吉氏から借りた鍬で、父から教えられた通り、お蔵の南を3尺5寸ほど掘り下げると、大きな平石が出てきた。
その平石を取り除いてみると、甕が出て来たので明けてみると、中から三浦家に一子相伝に伝えられた系図(重要書類)の巻物が出て来た。
芳聖がその巻物を東京の下宿に持ち帰って読んでみると、その古記録には後醍醐天皇から皇位を継承した代々の天皇の事蹟が細々(こまごま)と記され、三浦家はその直系の皇孫であると書かれてあった。
その古記録の内容は『ウィキペディア』三浦芳聖をご覧下さい。
芳聖の著書から引用します。
3、正統天皇が天の岩戸篭もりし三浦と名乗った!
芳聖が系図を掘り出した時の経緯は既に「串呂哲学研究ノート№3」で述べましたので、下記に引用します。
系図には、三浦家は後醍醐天皇から三種の神器を継承した神皇正統家だという事が書かれてありました。
すなわち、第96代・後醍醐天皇(尊治)-第97代・興国天皇(守永)-第98代・小松天皇(興良)-第99代・松良天皇(正良)-第100代・大宝天皇(美良)-(十五世省略)-三浦市次郎-三浦芳聖という系図です。
(興国天皇をはじめとするこの系図の天皇は、秘密裏に皇位を継承した内伝の天皇ゆえ、いかなる文献にも書かれていない天皇です)
【参照】神皇正統の皇統
4、串呂哲学の要諦が解明された!
芳聖は、三浦家に継承された系図を見る事で、三浦家が後醍醐天皇から皇位を継承した神皇正統家である事に加えて、父・市次郎が今わの際に絶叫した「奥郡の蔵王山から木曽の三浦山を見よ!」の意味を理解することが出来ました。
蔵王山は王(天皇)が天の岩戸篭りをしたこと、三浦山は三浦と名乗ったという意味を表わすと理解できたので、芳聖は、串呂に秘められている地文の重大性を感得することが出来たのです。
当時の日本は、今と違って千古不磨の欽定憲法を戴く万世一系の天皇の統治下で、尊皇絶対の教育を受けて育った芳聖は、大変複雑な気持だったと思います。
「万世一系の天皇」についての疑念が沸き起こって、幼少の頃から、それまで培ってきた国民的信念というか、明治維新以来の教育で、当時の人々の中に築かれつつあった「天皇絶対の国体信仰」が、芳聖の内部で音を立てて崩れて行ったのではないかと思います。
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串呂哲学研究会 鈴木超世志
ブ ロ グ 串呂哲学研究会
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