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長く愛されるブランド作りにキャラクターは不可欠!〜ヤフーとLINEの経営統合に見るキャラクターブランディング〜

キャラクタースタジオクオン(※)のビジネス推進部瀧口です。

(※)株式会社クオンは2022年1月に経営統合し、株式会社Mintoとなりました。Mintoはアニメ・漫画などのエンタメビジネスをアップデートするスタートアップです。世界4カ国に拠点を持ち、コンテンツ×広告、越境IPプロデュース、Webtoon、Web3・メタバースの事業を展開しています。


ヤフーとLINEの経営統合でも活用される「キャラクターブランディング」

2021年3月1日にヤフーとLINEの経営統合が完了し、経営統合を記念したキャンペーンなど各種イベントが大きく打ち出されているのはみなさんも記憶に新しいと思います。
この統合を象徴する動き中でヤフーの公式キャラクター「けんさくとえんじん」が、改めて様々な場面で前面に押し出されていることに注目しています。

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▲経営統合記念キャンペーンサイト最上部に登場(引用:https://events.z-holdings.co.jp/tougou/)

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▲LINEスタンプにも登場(引用:LINEスタンプショップ)

企業ブランディングでキャラクター活用に期待されるものって?

ヤフー公式キャラクター「けんさくとエンジン」が生まれたのは2016年。
ヤフー公式ブログでキャラクターが制作された背景や目的を知ることができます。

2013年4月にYahoo! JAPAN全体のデザインをかっこよくしたい・統一していきたいという方針から、各サービスの独自キャラクターの掲載が停止となりました。Yahoo! JAPANとして統一したブランド体験を提供し、ブランド想起率を高くしていきたいためです。
キャラクターが完全に廃止されたタイミングで、会社を代表するキャラクターとして けんさくとえんじんが誕生しました。(もちろん、ブランドイメージアップの役割だけでなくサービス貢献やライセンスアウトも目的としていますよ)
(引用:https://techblog.yahoo.co.jp/entry/20190516676270/)

「統一したブランド体験の提供」「ブランド想起率の向上」「ブランドイメージアップ」などを目的に公式キャラクターが誕生したことがわかります。

LINE社との経営統合におけるキャラクターブランディングはこれらの目的に加え、全く異なる2社が「手を取り合ってやっていくぞ」という象徴としてのキャラクター活用であったり、関係する社員に自社商品やサービスを愛してもらいたいというインナーブランディングの狙いもあると思います。

企業キャラクターがデジタルを入り口に、マスメディアやリアル(店舗)まで一気通貫で統合的に展開されるシンボルになることは、メディアを活用したコミュニケーションデザインが複雑化してきている昨今に適した手法と言えます。

しかし、企業キャラクターをもっと効果的に使いたいと思っていても、具体的にどういった効果があるのか?費用対効果をどう捉えればいいのかわからない、新しく生んだキャラクターの育成手段がわからない、と疑問は持つマーケティング担当者や広報担当者は多いのではないでしょうか?キャラクター開発や育成に強みをもつクオンにもそういったご相談が急激に増えていきています。

そこでまずはキャラクタースタジオクオンが考える「ブランディングとキャラクターの関係性」について、シリーズ化してお伝えしていきたいと思います!

ブランディング×キャラクター効果1「ロングタームで統一感があるブランド表現が可能」

まず1つ目のキャラクター効果として「ロングタームで統一感を持ってブランドを表現する際に自社のキャラクターだと実施がしやすい」と言う点があります。

なんと言っても企業キャラクターは耐久性が高い!薬局の店頭でもお馴染みの佐藤製薬のサトちゃん(1959年誕生)は誕生から50年以上が経過しています。その他にもライオンのライオンちゃん(1983年誕生)、明治製菓のカールおじさん(1982年誕生)等、10年以上企業や商品のキャラクターとして活用されている事例があり、挙げればキリがありません。
一方で、10年以上同じタレントが企業のCMに出続けると言う事例はとても少ないのではないでしょうか?タレントには流行廃りや引退などの変化が生じますが(時には不祥事も…)、自社キャラクターの愛着は活動量に比例して積み上がっていくこともメリットとして言えると思います
消費者はデジタル化が進む中で情報過多・消化しきれないほどの情報の海の中で、自然と知った知人友人第3者メディア情報を重視するようになっています。企業からの声が消費者に届きづらい状況で、キャラクターへの愛着によるファン化・コミュニティ化は、企業がメディアを持ち消費者との直接的な接点を持つものと同等の効果を発揮すると言えます。


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▲誕生から50年以上愛され続ける佐藤製薬のサトちゃん(引用:https://www.sato-seiyaku.co.jp/newsrelease/2010/100310/)

また、長く愛され続けているキャラクターこそ「変化し続けている」ということも言えます。裏を返せば、キャラクターだからこそ時代に適応した変化やリニューアルが可能で長く愛されるとも言えます。SNSが台頭した2009年以降は、パッケージに添えられているだけのキャラクターがSNSキャラクターとして変化(昇格)する事例が多く見られます。

例えば、日清食品のロングセラー商品「チキンラーメン」のパッケージにプリントされていただけのひよこちゃんは、ある日SNSアカウントで「クエエエエエエエエエエエエ!」という叫び声と共に「茶番はもう終わりだ。」とつぶやきます。良い子を辞めるという辞表を提出し、以降シュールで笑える投稿を日々SNSで発信しています。

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▲ひよこちゃんの公式SNSのつぶやき(引用:https://twitter.com/nissin_hiyoko)

「チキンラーメン」ほどのロングセラー商品になると話題化や新規ターゲットへのリーチの難易度は上がり、ともすると日常では気にならない存在になってしまいます。ところがSNSで若年層を中心に毎日情報接触を行うことで面白く気になる存在になり、キャラクターへの愛着から購入のきっかけづくりを役割を果たしている事例ではないでしょうか。

二次利用が厳密に決まっているタレント契約と異なり、企業キャラクターは柔軟なアップデートが可能で、拡張性が高く、利用範囲の広さがメリットと言えるのではないでしょうか。

またブランドのイメージをそのまま表現出来る様に創ること(企業の意図で動かすこと)が可能です。ローソンのバイトとして商品をおすすめする「あきこちゃん」や、楽天でのお買い物やポイントを貯めることを全力で楽しむ「楽天パンダ」など、企業が訴求したい点を伝えつつ消費者との間に立ち日々ブランド体験を提供しています。

医薬品「コンタック®」ブランドのキャラクター「Mr.CONTAC」は面白い事例と言えます。カプセル剤という「コンタック®」の製品特徴をうまく表現するために、カプセル体型の造形のキャラクターを作った、企業意図が先行した製品キャラクターですが、当時流行っていたビリヤードやカラオケ、スノーボードなど、その時代を感じさせるCMでキャラクターファンを増やしていきました。関西弁でユーモアがあり、少しとぼけた感じがユニークで、かぜや鼻炎で苦しむ人たちを癒し続けています。1998年には、Mr.CONTACの携帯ストラップやキーホルダーが人気を集めライセンスビジネスに発展しています。

ブランド側(企業側)で完全にキャラクターの人格をコントロール出来るので、メッセンジャーにピッタリですし、時代に合わせてアップデートしていくことができます。
自社キャラクターであれば期間限定のタレント契約と異なり、期間を積み重ねていくことで自社資産となり、より価値を高めていくことも大きな企業メリットと言えるのではないでしょうか。

長くなったので今回はここまで!次回も長く愛されるブランド作りにキャラクターがどういう効果をもたらすのかを紹介していきます。

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