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今話題のNFTアートを販売してみた話(マーケットプレイス比較解説)

クオン(※)東南アジア代表の奥川です。
今回は最近Beepleのデジタルアートが6900万ドル(76億円)で売れ、他にも多くのクリエイターの作品が数千万円〜数億単位で売れたことで注目を集めているNFTアートについて、話したいと思います。

(※)株式会社クオンは2022年1月に経営統合し、株式会社Mintoとなりました。Mintoはアニメ・漫画などのエンタメビジネスをアップデートするスタートアップです。世界4カ国に拠点を持ち、コンテンツ×広告、越境IPプロデュース、Webtoon、Web3・メタバースの事業を展開しています。

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出典:First 5,000 Days by Beeple


NFTとは?

もうご存知の方も多いと思うので、若干省きますが、
NFT(Non Fungible Tokenの略)、「代替不可能なトークン」はビットコイン同様にブロックチェーン上で発行され、流通されているデジタルデータの一種で、固有のデジタル証明を持っているため、同じトークンは存在せず、唯一無二のデジタルデータであることが、デジタルアートに新しい価値をもたらすと考えられています。

NFTアートの市場は去年の下旬から爆発的な成長を見せています。

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出典:https://cryptoart.io/data

クオンではNFTアート市場でTOP3に入るマーケットプレイス、RaribleにてNFTアートの取り扱いを3月26日から開始しました。(プレスリリースはこちら

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NFTアートのメリット・デメリットはざっくり以下になると思います。

メリット
・2次流通でのロイヤリティ収益
・物の物理的な動きなく全世界で作品の販売が可能
・日本のプレイヤーがまだ少ない
・既に盛り上がりのあるマーケットが複数存在する

デメリット
・デジタルのファイルだけなら誰でもコピーできてしまう
・英語のプラットフォームがほとんど
・根強いコミュニティがないと大きく売れにくい
・出品にはお金がかかる(ガス代と言います)

などなど

とはいえ、まずはやってみないとわからない領域なので、スピード勝負でローンチまで数日でやってみたですが、そこから学んだ点を少し書き残しておければと思います。

各マーケットの特徴

NFTアートを取り扱うマーケットを比較してみると、各マーケットで特色があることがわかります。

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我々が展開を行なっているRaribleは他と比べ、UIが簡単に作られているため、SNSにコンテンツをアップするような感覚で出品できます。購入する側も販売する側も簡単に始められるため、ライトユーザー向けのマーケットになり、平均購入単価も比較的、安いです。

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出典:Rarible.com

もし、いきなり高単価で売ってみたい場合は、SuperRareやNifty Gatewayなどがありますが、申請と審査基準のハードルが高く、すぐには始められない可能性が高いです。

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出典:SuperRare.co

コミュニティが非常に大事

NFTアートに元々興味のあるコミュニティにアプローチしていくことが非常に重要で、我々も今回その重要さを思い知らされました。

クオンのキャラクターはSNSやスタンプの領域で世界的にもトップだと自負しておりますが、必ずしもこれらのファンがNFTを購入する層になるとは限らない、NFTアートは話題にはなっていますが、まだまだ一般的なコンテンツではないです。

NFTアートに興味のある人たちが集まる海外のコミュニティだとDiscordやReddit、SNSならTwitterがメインとなってくるようなので、それらの場所でNFTアートユーザーとの繋がりを増やしていく必要があると思います。ちなみに弊社の選んだRaribleにはフォロー機能もあるため、購入者や他のクリエイターとの繋がりをここで広げていくことも可能です。

54600人のコミュニティ

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出典:https://www.reddit.com/r/NFT/?f=flair_name%3A%22NFT%22

4500人のコミュニティ

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出典:https://www.reddit.com/r/Rarible/

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出典:https://www.reddit.com/r/Rarible/comments/mgh0bq/take_a_look_at_the_nfts_were_giving_away/

NFTアートをただ販売するのではなく、コミュニティに参加している人たちへ参加型のキャンペーンを実施するクリエイターもいる(Twitterフォローキャンペーンなど)

NFTアートは本当に価値のあるものなのか?

これは個人的に疑問に思っていたことですが、例え唯一無二と言えたとしてもファイル自体は誰でもコピーしてNFTとして販売することができるため、本当に唯一無二なのか?デジタルアートは所有欲を十分に満たしてくれるものになりえるのだろうか?NFTアートの価値は本当にそこにあるのだろうか?などの疑問もありました。

確かにマイクラのようなゲーム上で飾ることができるものもありますが、結局のところ、デジタルはデジタルであって、物理的な世界で触ったり、飾ったりする体験とは別物です。

今は盛り上がっているので、投資先としても魅力的ですし、実際にNFTアートに投資して儲けてる方もたくさんいます。しかし、それだけで今後この盛り上がりが続くかはまだ疑問です。


NFTの先にある未来は?

今はコレクション要素のあるデジタルアートを販売してるクリエイターがほとんどですが、今後は体験と一緒になったNFTアートの販売ができると面白いなと思っています。

クオンがNFTアートの取り扱いを始めたRaribleではUnlockable Contentsという機能が存在し、NFTアートの購入者だけが、ダウンロードできるコンテンツや特典を仕込んでおくことができます。

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出典:Rarible.com

例えば、デジタルアートの高画質版を落とせるようになっていたり、クリエイターと直接話せる権利を特典に入れることだってできるのです。音楽系ならオンラインライブのチケットがもらえるとかも面白そうです。

こうしたNFTアート購入者だけが味わえる「体験」を一緒に提供できれば、NFTアートを買う本当の意味や価値が出ててくるのかと思います。

ちょっと前にニュースになっていたバルセロナで活動しているデザイナー、Andrés ReisingerdさんがNFTアートとして、販売した3Dレンダリングのソファーが5640万円で売れたことがニュースになってましたが、今回販売された計5点のNFT家具は今後実物の商品として作られるそうです。

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出典:https://niftygateway.com/itemdetail/primary/0x9f8371fe1fda39d76684be54fd4605f4932d6755/8

これを読んで思ったことは、NFTは今後、何かのプロジェクトへの投資を募るためのツールとしても大きな意味を持つのではないかいうことです。

クラウドファンディングと言えば、しっくりくる方もいると思いますが、考え方はその通りで、何かを作るためにたくさんの人たちに投資してもらい、何かしらの権利をNFT購入者に付与する。

先にも書いたようにコミュニティが非常に大事な市場なので、何かを作るためにみんなで応援するというモデルが当てはまるのではないかと思っています。

NFT展開にご興味がある方はお気軽にご連絡ください

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