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世界的企業Netflixも使う、インターネットミームすごさとは?

東南アジア代表の奥川です。

皆さんはMEME(ミーム)とは何かご存知でしょうか?聞いたことはあるけど詳しくは知らない、ネット上の面白画像ぐらいとお考えの方も多いと思います。

ですが、ミームはその拡散性からSNSを主体としたマーケティングが基本になった今では、企業のマーケティングにも多く活用される重要なマーケティングコンテンツの一つです。

今回はそんな謎多きミームの世界を流行りのミームや企業マーケティングの活用事例も交えてご紹介します。


MEME(ミーム)とは

MEME(ミーム)の語源は進化生物学者のリチャード・ドーキンスが「人が何かを真似ること」を説明する際に作った造語で、辞書には以下のように記されています。

「非遺伝的な手段、特に模倣によって個人から個人へと受け継がれると考えられる、文化や行動のシステムの要素。」

正直よくわかりませんw。ただし、一般的にはこの意味では定着しておらず、実際は「インターネット上で人から人へと拡散されていく面白いネタ」のことを総じてミームと呼びます。

ミームの拡散構造

以下はミームがどのように作れら拡散していくかを説明したものです。

①インターネット上に転がる画像(元ネタ)を元にユーザーAがコンテンツAを作る
②コンテンツAを見た別のユーザーBとCが同じ画像を使い、自分なりのアレンジを加えコンテンツBとCを作る
③コンテンツBかCを見たその他ユーザーがさらに自分のアレンジを加え別のコンテンツを作る
無題のプレゼンテーション

このループが永遠と繰り返され、人気のミームはこのサイクルの寿命が長く続きます。日本っぽく言うと「ネット上の大喜利大会」です。

ここで重要なのは元ネタ(画像や動画)の内容は①から変わらず、ユーザー間で共通認識とされている点です。そのため、作られるコンテンツの元となるアイディアには共通性があり、次を作るユーザーも瞬時に何をボケれば良いかわかりやすい。ネタが流行れば拡散性の非常に高いコンテンツとなります。

5000億回のクリックを稼いだ謎のネコミーム POPCAT

皆さんは東京オリンピックが行われていた裏で、その盛り上がりを世界的に掻っ攫ってしまった猫のミーム「POPCAT」のことをご存知でしょうか?

POPCATは2020年の後半にツイッターでシェアされたOatmealという口をパクパクさせるネコの可愛らしい動画が元ネタです。

その後、ネコの開いた口をO字に拡大させたGIF画像が作られ、またもバズりますが、それは今年のものとはまた別の話となります。

今年の8月に盛り上がりを見せたPOPCATは2020年にアメリカの学生3名がPOPCATのGIF動画を元に面白半分で作ったWEBゲームが発端です。

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まだ遊んでない方はこちらから→ https://popcat.click/

ゲーム自体は非常にシンプルで画面をタップするとネコが口をパクパクさせ、パクパクさせた回数を国別で競い合います。最終的には全世界でタップ数が5000億近くまで伸び、今でも秒単位で満単位のタップ数が増えています。

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個人的に考えた流行り要因は以下です。

①難易度が非常に低い誰でも遊べるシンプルなゲーム
②低価格なスマホやPC、デバイスを選ばないWEBゲーム
③自国のランキングがリアルタイムで見れる機能
④自分のスコアを簡単にSNS上でシェアできる機能
⑤コロナ禍で皆、時間を持て余しているユーザーが多い
*みんな大好き ネコ

そして、もう一つ、このゲームが盛り上がった背景には東京オリンピックも絡んでいました。海外ではCatlympics(オリンピックと猫を捩った表現)などと取り上げられ、自分が国を代表して、POPCATのスコアを稼いでいたことをSNS上に拡散するユーザーも多く見られました。

我々が良いコンテンツを作る際に常日頃気をつけてる点として、以下の考え方があります。

・関連性(Relevancy) - ユーザーが自分ごとにできるか
・シンプル(Simplicity) - 内容が複雑になりすぎず、わかりやすいか
・新しい(New) - 切り口が斬新で新鮮味を持っているか

POPCATのゲームはこの全てが含まれていたからこそ、タイミングよく跳ねたコンテンツなのだと思います。もちろん、これら3つが全て揃っていてもバズらせるのは至難の業だと思いますが、最低限これらを守ることで、タイミングやその時の流行に沿って跳ねることがあります。

海外企業のミームマーケティング事例

では、海外の企業がこうしたミームをどのように活用しているのか見ていきましょう。

アメリカスナック菓子ブランドRUFFLES

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この写真はネット上でよく使われるミーム画像の一つ「distracted boyfriend」です。このミームの共通認識は「自分の交際してる誰かより、別の異性に目がいってしまう」点で、「隣の芝は青く見える」というニュアンスが日本語だと近しいと思います。

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RUFFLEの事例は単純に見れば、男性が自身の交際相手より、通りすがりのスナック菓子に気を取られてしまっているシーンに見えますが、実はこのネタにはもう一つの意味が隠れています。それは、商品の強みである、「辛さ」です。

投稿文に書かれた「HOT」は辛さを意味する単語であると同時にスラングで魅力的な異性を表現する際によく使います。つまり、「自分の交際相手よりHOT(辛い/魅力的)なRUFFLES」を表現していて、ちょっと捻りのある良い活用方法ですね。

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その他にもDistracted boyfriendは無数にミームが存在するので興味のある方は調べてみてください。

世界的動画ストリーミングNetflixもミームを活用

今や全世界で映画やドラマを見るのに欠かせないサービスNetflixもミームをマーケティングに活用してる企業の一つです。添付の画像はNetflixで放映されたRiverdaleというドラマを「Brain meme」に当てはめたものです。

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Brain memeは脳内が徐々に活性化される状況を4コマ漫画のように展開させ、コマごとに独自のストーリーを入れ込むことでボケます。先程のミームに比べると若干難易度の高い、ミームになりますが、ストーリーもののコンテンツを拡散させるのに使い勝手が良い印象です。

その他にもNetflixは自社のオリジナル作品が出た際にシーンを切り出し、ミーム画像が集まるプラットフォームimgflipにて素材を展開されてます。若干古くなりますが、2018年公開のBirdboxはミーム用に展開した画像素材が多くの有名ミーム職人によって拡散され、24時間で7千万回再生を達成した実績もあります。

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ミームがマネタイズ?認知度だけではない、ミームの凄さ。

企業の活用事例の次はミームがマネタイズをした事例についてもご紹介したいと思います。

Doge

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あのイーロンマスクが熱愛してるDogeコイン、仮想通貨を追ってる方であれば、誰でも聞いたことがあるDogeコインもミーム出身の柴犬が元ネタです。今では熱狂的なDoge信者がコミュニティ化までしてるミームの最終形態と言えます。

Nyan Cat

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当時300イーサ(現在価格1億円ほど)で売れたNyan CatのNFTも元ネタはYoutubeにアップされた動画がミームへと拡散されたところからきています。多くの個人クリエイターにグッズ化などもされていて、ファンの多いミームの一つです。

最後に

ミームから学べることは「コンテンツを一人歩きさせる」ことです。2次創作ありきでUGC(User Generated Contents)を作りやすい環境に整える。初歩的なことは冒頭に触れた3つ「関連性・シンプル・新しい」が企画に含まれているかチェックしつつ、どのような拡散シナリオが考えられるかを検討することから始めます。

また、ミームを単純なネタ探しに取り入れたければ、9GAGを活用してみてください。おそらく世界で一番ミームの集まるプラットフォームと言えます。

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(※)株式会社クオンは2022年1月に経営統合し、株式会社Mintoとなりました。Mintoはアニメ・漫画などのエンタメビジネスをアップデートするスタートアップです。世界4カ国に拠点を持ち、コンテンツ×広告、越境IPプロデュース、Webtoon、Web3・メタバースの事業を展開しています。

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