見出し画像

キャラクター・コンテンツ海外展開メソッド、教えます!パート③ 数千万だって夢じゃない〜!海外マネタイズ編


クオン(※)東南アジア代表の奥川です。
前回のパート②「海外で流行るローカライズとコアファン育成編」では、海外でのコンテンツ展開におけるローカライズの必要性とそこから生まれるコアファンとコミュニティの重要性について触れました。今回はコアファンを作れた先にある、マネタイズについてお話しできればと思います。過去の記事もご興味のある方は以下からご覧ください。

(※)株式会社クオンは2022年1月に経営統合し、株式会社Mintoとなりました。Mintoはアニメ・漫画などのエンタメビジネスをアップデートするスタートアップです。世界4カ国に拠点を持ち、コンテンツ×広告、越境IPプロデュース、Webtoon、Web3・メタバースの事業を展開しています。


コアなファンは何を求めているのか?

クオンではコアファンを集める場所として、FBグループを活用しました。このチャネルの利点としては、コアファンの属性とユーザー投稿を数値(定量)と内容ベース(定性)で見ることのできるツールが揃っている点です。

画像1

▲パフォーマンスの高いファン投稿を見れる一覧

画像2

▲特にエンゲージの高いファンのリスト

どのようなユーザーが何をコンテンツから求めているか分析するためにこうした情報が結構役に立ちます。

弊社のうさぎゅーんのケースでは、コアファンは「うさぎゅーんが現実世界にいるキャラ」そして「彼らと一緒に生活をしている」という擬似体験への欲求が高い。

画像3

また、2次創作のイラストから見ても、比較的海外のゲーマーやオタク層の間で人気(FBページでも同じような属性が出ている)という情報が見れます。

画像4

あとは、そこに仮説を乗せ、何をどこで提供(売るか)するべきかを練って行きます。

うさぎゅーんとの共存を擬似体験してもらうために立体物(特にぬいぐるみ)の商品に力を入れており、注力国ではオフラインでのイベントを通してOMO施策も積極的に行っています。

画像5

▲1週間で完売したうさぎゅーんぬいぐるみ

グループに寄せられる商品レビューからもコアなファンはうさぎゅーんに関連する商品ならとりあえず買って集めたい、収集欲の強い方が多いことがわかっているため、集められるフィギュアの分野にも力を入れ始めてます。

画像6

▲100体限定のうさぎゅーんフィギュア

海外におけるキャラクターマネタイズ方法 - オンライン

ここでいくつか我々の試してみたマネタイズの方法をご紹介します。

海外マネタイズ手法1「スタンプ・着せ替え」

スタンプを有料販売できるプラットフォームは限られており、それによってエリアも限られてきます。LINEであれば、主に日本、台湾、タイ、インドネシアでよく使われ、韓国ではKAKAOTALK、中国ではWeChatなどがあります。(WeChatはスタンプの販売ではなく、腹痛い人だけが払う、寄付という形をとっています。)

全体的に市場が飽和してる印象で、出せば売れるという時期はだいぶ前に過ぎてしまいました。スタンプでは、海外言語にローカライズされたものや文字を使わずとも感情の伝わるスタンプなどでの展開がお勧めです。スタンプの色味などは国によって好みが分かれるため、自分の作品がどこの国で受けるそうかを事前に各国のスタンプセールスランキングを参考に見ると役立ちます。(LINEの海外ランキングはVPNを使えば見れるのでお試しください)

例えば、タイでは比較的人間で女の子のキャラクターがウケやすい印象です。一方で日本では動物よりのもの(特に犬・ねこ・くま)がランキング上位に多い印象です。

画像7
画像8

▲引用:https://store.line.me/stickershop/showcase/top/ja
セールストップスタンプ (上:日本  下:タイ

海外マネタイズ手法2「クラウドファンディング」

ユーザーから資金を募る、クラウドファンディングでは、イニシャルの費用が高くなり個人や中小企業レベルで実現できなかったプロジェクトなどを比較的ハードルを下げて実現できます。

折角コアファンを作り上げることができたのなら、今よりスケールの大きいプロジェクトをファンへ提案してみるのもお勧めです。All or nothing方式で予算達成した時のみ実施する設定で挑めばどんなクリエイターや企業でもハードル低く始められます。デメリットは失敗したプロジェクトも一生ネット上に残ってしまうことですが、反響を見て学べることもあるので、失敗してでもやってみることをお勧めします。

欧米圏ならKICKSTARTERやINDIEGOGO、中国ならYOUPINあたりが有名ですが、東南アジアはまだ浸透していない印象です。我々のケースで言うと、南米で非常に人気のシュガーカブスが初のぬいぐるみ展開を行なった際にKICKSTARTERを活用し、2週間で400万円を超える資金を集めることができました。

画像9

▲引用:https://www.kickstarter.com/

先に触れた、フィギュアのプロジェクトなどもKICKSTARTER上で多く見られ、ガジェット系の資金集めのイメージが強いプラットフォームではありますが、キャラに関連する商品への資金集めにも活用されています。

フィギュアでうまくいってるところだと、2000万円以上の調達に成功してるプロジェクトもあります。

画像10

▲引用:https://www.kickstarter.com/projects/truforce/truforce-collectibles-mega-man-x-action-figure?ref=discovery&term=action%20figures
アクションフィギュアを制作しているTruForce社のロックマンXフィギュア。1,959人のユーザーがお金を払い、平均単価は15,000円

画像11

▲引用:https://www.kickstarter.com/projects/clutter/canbot-3oz-limited-edition-art-toy-blindbox-series?ref=discovery&term=truforce

中身が何かわからないPOPMARTと同じブラインドボックス仕様、サポートする金額が高くなるほど、全種コンプリートセットや、限定色がもらえるなどの特典が増える仕組み。960人のユーザーがお金を払い、平均単価は25,000円。

海外マネタイズ手法3「クラウドファンディング」

ko-fiやPatoreonといった、アーティストを支援するための月額サービスがいくつかあります。単価は比較的自由に設定できるため、100円程度で設定して、入会ハードルを下げることも出来ます。

画像12

▲引用:https://www.patreon.com/VivienneMedrano
Patreonで4000人以上のサブスクライバーがついている漫画家(課金額は1ドルから10ドルまで)

画像13

▲引用:https://www.patreon.com/jephjacques
Patreonで12000人以上のサブスクライバーがついている漫画家(課金額は1ドルから10ドルまで)
制作の裏側や過程であったり、作品が一般公開される前に読むことができる特権をサブスクライバーに提供してるクリエイターの方が多く、普段消費しているコンテンツが制作されるプロセスを楽しみたいユーザー層がコアファンには多い印象です。

最近、Twitterがサブスク機能として、スーパーフォロワーを公開してニュースになっていましたが、Facebookでも一部の国ではサブスク機能が実装されており、もし、既にFBページやグループを運営されてる方がいれば、試してみるのもお勧めです。(FBサブスク対応国:https://www.facebook.com/business/help/310335859546716?id=558489708108283)

海外マネタイズ手法4「オフライン(世界観拡張)」

東南アジア支部ではあえて、コロナ禍の中でオフラインでの世界観拡張にチャレンジをしてみました。コロナにも国によっては波があり、ひどい時期には外出規制が発令され、家で過ごさなくてはならない時間が強制的に増えます。結果、早く外に出たいという気持ちが大きくなっていき、規制がなくなった瞬間に外出欲求が爆発する。そのタイミングがタイで起きるだろうと考えた結果、コロナ第2波が落ち着き始める時期を想定し、昨年の11月下旬より、バンコクの中心にある、サイアムにてデパート全体をうさぎゅーん一色で埋め尽くす、サイアムジャックを実施しました。

画像14

冬をテーマにデパート全体をデコレーションし、海外旅行できないタイの人たちが、冬をうさぎゅーんと一緒に擬似体験できるようクリスマスやウィンタースポーツの装飾を至るところに散りばめ、POPUPカフェ&ストアの展開も同時に行いました。

画像15
画像16
画像17

結果、その時期に旬の芸能人やインフルエンサーなど、多数の著名人の方々にも来店、SNSシェアを行なっていただけ、弊社のキャラのオフライン展開の中で最も大きなスケールでの展開をコロナ禍の中でありながらも実現できました。

画像18
画像19
画像20

▲インスタで200万人以上がフォローしてるMEWさんとGULFさんが来店

POPストアの売れ行きも好調で、多くのうさぎゅーんファンが海外旅行の代わりにうさぎゅーんに地方から会いにきて、お土産を買っていくという体験を作り出せました。コロナだからこそ、オンラインでマネタイズ、みんなオンラインなら、あえてオフラインなど、クオンでも自社のキャラを展開する上で日々試行錯誤しながら、次の展開を企画実行しています。

キャラクターの海外展開をご検討の企業様がいれば、戦略設計から実行までワンストップでお力になれると思いますので、ぜひ、ご連絡ください!

キャラクター海外展開メソッドはマガジンも公開しています




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?