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卒業ドミノはじまる

おそれていたことが始まった。卒業ドミノだ。

このパターンは乃木坂的でもある。どういう意味かというと4期、5期など一気に若返るために1期と2期が全員いなくなってしまい、もう白石麻衣や西野七瀬や生駒里奈や生田絵梨花や齋藤飛鳥などがいた時代ってもう歴史の教科書の世界ではないかというくらい遠い昔のように一気にしてしまったくらい急進的な世代交代(世代とは言うが年齢だけなら一期の和田や樋口なんて辞めた今でもまだ26歳で4期の弓木や田村とほとんど変わらないけどね)を進めて、まったく新しいチームになってしまった。いつもの野球メタファーで恐縮だが、西武ライオンズという球団が埼玉に誕生した時に、手垢のついていない若い選手をどんどん採って、田淵や太田や東尾や土井など一部のベテランを除けば無名で未熟だけどやたらフレッシュなチームをつくった時のような感じというか、今でいうと20代中盤の世代で構成されている今の日ハム的な感じとでもいうか、とにかくそれまでの歴史とか背景とかを全く継承しないでほぼ別のチームをつくることで新鮮さを出すという戦略にも似てるというか。歴史や背景のストーリーを共有できないということはどういうことかというと、たとえば今の櫻坂に平手がサイマジョで世の中に登場したときの衝撃を想起させるものは何もない。いやもう別のグループだ。

日向坂で、正確に言うと「けやき坂46」において誰もが「日本史」で勉強して知ってるのは、飛行機の滑走路のような握手会の閑古鳥や、新メンバー募集告知のアクシデントや、井口のソロダンスや、柿崎の手首骨折や、初の武道館単独3デイズとか、日向坂への改名など、今では信じられなくくらいマイナーだった歴史があるわけだけど、そういう頃の苦難の影はいまの4期生にはない。皆明るく伸び伸びしてて、すでに人気グループだった日向坂に入ってきた天真爛漫な世代だというのがひなあいやひなパレなど見てるとよくわかる。戦争を知らないこどもたち、ではないけど、「けやき」を知る世代と「日向」しか知らない世代ではどうしようもないギャップがあるわけで、それがいい意味で彼女たちの屈託の無さにつながっているのがいい。

かとしもひよたんも番組でもライブでもよく泣いてた。めいめいもにぶちゃんもいつも元気そうだったが実際はにぶちゃんが休養したようにめいっぱいのところでやってたのは間違いない。1期生や2期生というけやき世代は必死にやらないとまたいつか転落するのではないかという危機感で全力アピールしていた。3期以降にはない「必死さ」があった。それがいいとか悪いとか言う気はない。ただそうだったなということだけ。そしてその1期や2期からどんどん抜けていくと冒頭で述べた乃木坂のように、まったく別のグループになっていくことだろう。

キャプテンはどうするだろう。責任感の強い彼女だからあっさり去ることはないだろう。秋元真夏のように「ここまでいればもう十分でしょう」と誰もが思うところまで粘ってほしいとは思うが。以前にも書いたことだが求心力のあるメンバーの離脱は連鎖反応を起こす可能性が高い。この卒業ドミノが治まってくれることを昔からのおひさまの一人として願わずにいられない。

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