成長しつづける男子と成長し続ける女子の話

オードリーの快進撃がとまらない。日向坂46の快進撃もとまらないのだが、偶然にも同じ番組をやっているもの同士がそれぞれ絶好調というのはどういうことかと思うけど、両方に共通して言えるのはつまりは「世間に見つかってしまった」ということでしょう。

オードリーはM1準優勝の実力者だし、今更見つかったでもないだろうという声はあると思うけど、そういう大衆的な意味ではなくてANNなどラジオという空間での面白さや、大人数を仕切ったりその他大勢の数合わせで出ている番組ではない少し地味目な番組での存在感とか、ゲストをけなすでももちあげるでもなく、自然に見えるあしらいができる安定感や、アイドルの持つ個々のポテンシャルを引き出し、結果的に色恋沙汰にもならず芸人の独りよがりにもならないお互いWINしかない関係を必ず構築してみせる地力や、たりない二人などで見せるこの世のものとも思えない速さとキレのツッコミなどなど。例を挙げてもきりがないほどいま若林氏の凄味がようやく業界内だけでなく広く知れ渡り始めてそれを「見つかった」という表現をさせてもらっている。またつい数年前まで「じゃないほう芸人」とまで揶揄されていながら実は天才・春日をもっとも活かせる人であり、他の誰よりも春日氏の凄さを知っているからこそそのパートナーシップに揺るぎないものを感じるところもオードリーの快進撃を支えている。どちらか、ではなく、どちらも、なのだ。

一方、日向坂46は欅坂に初めて挨拶した頃の映像や長濱ねると初めて会った時の映像を見るまでもなく、ただの「素人」でしかなく芸能人をみてきゃーきゃー言ってるだけの女の子だったが、結局自分達は何者で、何をすべきか、模索し続けた結果、「与えられた場所で必死にやる」ことにたどりついたのでしょう。それが功を奏して、がな推し、ひなあいというホームグラウンドで少しずつ結果を出せるようになり、オードリーが見つかり始めるのと同じ頃「あれ、あの子たち、結構面白くない?」と一緒に見つかってしまったように感じている。知らんけど。

いまやオードリーも日向坂もテレビで見ない日はない。ちなみに僕はこの二組をHDDレコーダーのキーワード録画にしているのだけど毎日なにか勝手に録画されている。きっとなにかに誰かが出ているのであろう。それってすごいことだと思う。

願わくば。世間から見つかったことに慢心せず、そんな世間の想像を超えるようなところに行ってほしいなと思う。あちこちオードリーのオンラインライブは本当に面白かった。中身は言えないけど、いかに若林氏が「普通の人の感覚」を持ち続けているかがよくわかった。男子校ノリだと言われるが、「これって少しおかしいのではないかな」と感じる琴線がいわゆるお笑いタレントのレベルではなく、普通に市井で生きている人の感覚とずれていないような気がするのだ。だから突っ込めるんだと思うし、ひくこともできるんだと思う。「普通な天才」はボケ老人になるまできっと大丈夫だろうからぼくらはまだあと40年くらいは楽しめそうだ。

そして日向坂にもお願い。メンバーをいたずらに増やさず(基本は欠員ができたら補充)、そして選抜制などもやらず、メンバーはスキャンダルで卒業するのはもう井口で終わりにして必ず円満卒業できるよう常にプロ意識を保ち、そしてキャプテンが三十路を迎えたときにはひなあいで最低限3週ぶち抜き企画で祝ってほしい。それが僕の希望だ。

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