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なぜアイドルはこうも体調を崩すのか?

そもそも若い女性は体調を崩しやすいものだと思うようになったのは自分が組織マネージャーとして、新卒1年目とか2年目とかの若い女性を部下に持つようになった頃、電車の中で具合が悪くなって駅で休んでますという連絡が朝あったり、体調が悪いので直帰していいですか、という相談があることはざらだったりするのと、仕事が少し重くなってくると心身ともにやられてしまい休職したりする人も何十人も見てきたからで、「若いからといって心身共に健康なことの証明ではない。むしろ経験も少なく、スキルも足りない彼女たちの方がベテランより休みがちになることは当たり前だ」という認識を持つようになった。

休職までしちゃう若い女子は少なくなく、他の部署や会社全体でみれば年間に片手は超えてたはずだ。休職して戻って来れればいいがその3分の1はそのまま退職していった。ベテランより若手の方が、そして男性よりは女性の方が休職にいたる人の割合は高かったと思う。

坂道グループでは最初に欅坂を好きになった。サイマジョの破壊力は圧倒的だったし、平手一強とも言われたくらい彼女の存在感はどんなアイドルグループにもないオリジナリティの高いものだった。しかし、誰がどう見ても自分の身を削って追い込んでいくようなスタイルが長持ちするわけはなく心配してたわけだが案の定休養をしては最後は脱退した。絶対的センターを失った欅坂は失速し、やがて改名してまるで別のグループになった。いまライブで欅坂時代の曲が歌われることはない。

握手会に出られません、的な体調不良ならもっと多くのメンバーが経験している。それが「何人もの男と握手をするのが嫌だから」具合が悪くなったのか、別の理由で体調が悪くなってたまたま握手会に出られなくなったのかはわからないがとにかくよく見かけた。

日向坂は欅坂にあったどんよりとした暗さやイジメ報道でみられるような陰湿さのない明るく一点の曇りもないアイドルグループに思えた。しかし1期生の柿崎芽実が辞め、井口真緒が辞め、やっぱアイドルって大変なんだなと思わされた。特に柿崎は脱退理由が執拗なストーカー行為だったということで、10代の女の子が急に脚光を浴びた代償として自分や家族に対してとても受け容れられない行為があったらそれは精神的におかしくなるだろう。今でも彼女を追い詰めたファン(もどき)は許せないところだ。

つまりアイドルといえど、かつての僕の部下の女性と同世代であり、ほんのちょっとしたことやかなり重大なことで毎日精神を病んだり体を壊したりしているわけでそれを完全に防ぐことはほぼ難しいと言わざるを得ないということ。これが会社なら予防策や解決策として1on1の面談などコミュニケーション機会を増やすことで不安や不満をためこまずに消化することと、孤立させず仲間でサポートしていくことと、日々の業務も負荷をかけすぎず少なすぎず適度なストレッチ感のあるものをあてがい、自己成長を感じられるように指導していくなどが考えられるのだが、はてアイドルグループの場合はどうだろう。メンバー同士のコミュニケーションは多そうだが管理者・監督者とのコミュニケーションがどれくらいできているのかははなはだ疑問だ。折角育てた金の卵をつぶしたくないならそこから大事にしてもらいたいところだ。

小坂菜緒の休業が続く。バラエティでは他のメンバーほど爪痕を残すことは少ないけど、何よりも彼女には持って生まれたアイドルとしての理想のビジュアルと神秘性があり、こればかりは簡単に身につくモノではなく他の誰かがすぐとって替われるものでもないため、ひたすら彼女の復帰を待つしかないのだが、一部報道では「そのまま引退か」とか不穏なものも出てきている。W-KEYAKIZAKAのライブでも感じたけど、キュンやドレミソラシドなど初期のキラーチューンに彼女がいないのはあまりにも寂しい。丹生ちゃんやおすしなどが頑張ってる姿は頼もしいが、小坂の代わりは小坂しかできない。それは平手の代わりは平手しかいなかった欅坂と同じだ。

休職する女性社員と、精神的にも肉体的にもよりハードであろうアイドルとを単純比較はできないけれど、メンタルケアを組織全体でやらないと第2の平手が出てしまうはず。日向坂は少なくともキャプテンが三十路を迎えるまではこのまま誰も抜けないでやってほしいと思っているくらい応援しているアイドルグループなので、どうか早め早めのケアをお願いしたい。

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