【聖地巡礼】【公共交通機関の旅】原城跡と島原城周辺、一泊二日の弾丸旅行(2023年8月・酷暑)
注意事項
某アプリゲームのキャラクター・天草四郎時貞に感化された著者が執筆しております。何のことか分からない、または、ご理解いただけない場合は閲覧をお控えください。
今回の目的地
原城跡(長崎県)
島原・天草一揆(1637年)の最終戦地です。天草四郎時貞を総大将とする一揆軍はこの場所に籠城し、長きにわたる過酷な戦いを続けることになります。
世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に指定されています。
蛇足:出立時の著者
2023年、8月初旬。
珍しく長期の夏季休暇を貰うも、とあるヘビーな資格試験受験のため、前日直前まで猛勉強の日々だった著者。努力の甲斐あって合格したのだが、疲労よりもテンションが勝ってしまい……。
「そうだ、原城跡行こう。」
高速バスと宿をギリギリで予約し、リュックサック一つで翌朝出立。
最高気温35度を超える日が続く酷暑真っ只中。持ち物は着替えとスポーツドリンクが荷物の大半を占めた。観光地というより冒険に出かけるような覚悟を胸に、聖地巡礼のきっかけとなった推し・天草四郎時貞(怪盗モード)のアクスタをリュックにそっと忍ばせたのだった。
福岡市街~島原駅
博多バスターミナル(福岡市博多区博多駅前)から高速バス『島原号』で島原駅まで。高速バスはネット予約ができます。
往復&WEB割引で5,800円。4列シートでリクライニングとコンセントつき。通常の高速バスの乗り心地です。概ね快適ですが、時折カーブがあるので乗り物酔いが心配な方はお薬を。
朝は9時前に出発し、お昼の12時半頃に島原駅に到着です。
原城跡に向かうバスを待っている間に島原駅付近を散策。
青い理髪館という喫茶店に入りたかったのですが、あいにく満席だったため翌日狙いに変更。飲食店で昼食をとるほどの時間と体力はなかったため、とりあえず携帯補助食品とスポーツドリンクで栄養補給。
島原駅~原城前
次は路線バスを利用し、島原駅から原城跡まで向かいます。
日中であれば1時間に1本(2024年2月時点)。ローカル路線バスの中では多い方では?と思います。
世間は平日の昼時だったため、半ドンの帰りと思しき中高生が多数。学生さんたちに交じってバス待ちの行列に並びます。
Suicaなどの交通系ICカードは使えません。乗車時に整理券を取り、事前におつりがないように小銭を準備。
路線図
所要予定時間は1時間1分となっていますが、20~30分くらい長く乗っていたと思います。通過する停留所は、なんと驚きの73駅。
最初は学生さん達で満席&立っている子もいた車内が、だんだんまばらになっていきます。友達に「またね」と手を振ってバスを降りていく学生さん。ずいぶん遠くまで日々通学してるんだなと感心しました。ジャージ姿の学生さん男女が少し恥ずかしそうに隣同士で座っていて微笑ましかったです。
しかし、見知らぬ土地で長時間路線バスに乗っていると、妙に不安が募るのは何なんでしょうね。目的地は分かっているのに、ここで放り出されたら何処にも帰れなくなりそうな不安感。
「スペーシア」「スイフト」などと記載されている、自動車販売店のあの看板。一体何十回見かけただろう?
何度か気が狂いそうになりながらも、原城前に到着。
はるか遠くに消えていく路線バスを見送り、いざ、原城跡へ。
原城跡
今回は北部に宿を取っていたので、南側からぐるりと回って宿に向かう経路です。外は曇りがちで高温多湿。ある程度舗装されていますが急な坂が続き、汗がしたたり落ちます。草いきれの匂いに満ちた道を歩いていきます。
原城跡総合案内所
原城跡本丸近くにプレハブ小屋の案内所があります。パンフレットやちょっとしたお土産も置いてあります。ガイドもお願いできるようです。
「何で逆から来たの?」とガイドさんに困惑されながらも、本丸へ。
原城跡 本丸
ところで、最近の教科書では「島原の乱」ではなく「島原・天草一揆」と呼ばれています。現地の説明もほぼ後者に統一されています。
著者が推している某ゲームではいまだに「島原の乱」ですが、それは理由あってそちらが使われているんだと思っています。侍(サムライ)が物語の中で大きな意味を持っているからではないかなと。
天草四郎は本丸跡に住んでいたと言われています。
かつて凄惨な戦いが繰り広げられていたとは思えないほど、静かで穏やかな時間が流れていきます。
天草四郎像の作者・北村西望は、長崎平和記念像を作ったことでも有名です。
墓碑には今も多くの花が手向けられています。
墓前で手を合わせ、彼の壮絶な人生に思いを馳せました。
「ところで、推しのアクリルスタンドは?」
特にポリシーはないのですが、こういう場所で取り出すのは自分の中で「何かが違う」と現地を歩いていて思ってしまい。
まあ、そういうこともあります。
本丸から北上し、本日の宿に向かいます。
原城の宿 城
住宅地のど真ん中にある宿です。原城跡付近はここともう一軒しか宿はないようです。
ロビーは少し暗めの照明で、掃除が行き届いていて居心地がいいです。セルフサービスでコーヒーやお茶がいただけるのもありがたいです。シングルルームは普通のビジネスホテルでした。かつての戦場で眠るのに抵抗がある方もいらっしゃるかと思いますが、幽霊が出そうな雰囲気はなかったですし遭遇もしませんでした。
宿のスタッフさん曰く、周辺には飲食店もほぼないとのことで、夕食は宿に併設されている食事処でいただくことにしました。その場で夕飯の時間を予約し、その間にもう一軒の宿にある温泉施設へ。
原城温泉 真砂
温泉施設は宿から歩いて数分の場所にあります。
大浴場からは有明海が一望できます。夕方16時過ぎで、夕暮れ前の穏やかな時間を過ごせました。
併設されている売店では特産品や雑貨といったお土産が購入できます。小銭程度しか持ってきていなかったのであまり買えなかったのが悔やまれます。
湯上りに温泉の周辺を散歩していると、男湯の様子が丸見えでちょっとびっくりしました。
旅のお楽しみ、お宿のごはん
夕食:郷土料理とお魚の定食
宿の予約時に二食付きにするもよし、今回の著者のように朝食のみ予約し、夕飯は現地でメニューを見て決めるもよし。著者は「原城定食」にしました。
島原の郷土料理が少しずつ色々食べられるのが魅力的です。ひょっつる、具雑煮、南蛮コロッケ、お魚の煮つけにお刺身。
具雑煮は一揆勢が籠城中、兵糧の餅とさまざまな具材を煮て食したものが起源だと言われています。
備蓄していた穀物も次第に尽きていく中、少しでも栄養をつけ、身体を温められるようにと工夫されていると感じます。
厳しい寒さの中、天草四郎も具雑煮を食べたのだろうか?
他のおかずもどれも美味しかったです。煮つけは味がしみていてご飯が進みます。温泉宿にありがちな食べきれないほどの料理に圧倒されることなく、ちょうどよくお腹いっぱいになって良かったです。
お店を出るとにわか雨が降っていて、スタッフの方が雨に濡れながら傘を持ってきてくださって。お心遣いありがたかったです。
夜はお部屋でアプリゲームのイベントを少しだけ進めて眠りにつきました。
朝食:朝定食
これぞ、温泉宿の朝ごはん。
温かいお味噌汁と湯豆腐が五臓六腑にしみわたります。
今日も沢山歩くぞーっ!すでに筋肉痛で脚がキシキシ言ってますが多分大丈夫。
有馬キリシタン遺産記念館
原城跡に一番近い資料館です。いつか来たかった憧れの場所の一つです。
平坦な道であれば1.6kmなんてすぐの感覚なのですが。
アップダウンが激しく、自動車用の広い道路に申し訳程度に作られた歩道を歩いていきます。雨上がりのため歩道には大きな木の枝が落ちていて歩きにくいです。そして朝から蒸し暑い!徒歩で行くような場所ではないことを朝から実感しつつ、何とか到着。
この時期は特別展「四郎と原城」が開催されていました。パネルや旗が飾られていて賑やかです。
この時期は推し四郎のアンケートを取っていました。
「全員天草四郎」の表現に思わず笑っちゃいました。
やっぱり教科書で一番よく見る③が天草四郎のイメージかなと思いつつも、⑥、⑦も格好良い。
ネイビーのトートバッグは普段使いもできるシンプル可愛いデザインです。もう一個欲しい。
バスの時刻の関係であまりゆっくり見ることができなかったので、今度は冬か春にもう一度行きたいなと思いました。
徒歩でバス停まで向かい、往路と同じ路線バスを利用して島原市街に戻ります。
みそ五郎発見
バスの車窓から激写!ゴリパラ見聞録でも話題になっていたみそ五郎像。
みそ五郎とは島原に伝わる伝説の巨人で、人々の畑仕事や山仕事を手伝いその報酬として1日4斗もの味噌を舐めていたらしい(4斗=72リットル:祝い事の鏡割りで使うあの樽の大きさ)。その像が市役所前につくられているとのこと。
う~ん、自分でも書いてて意味が分からん。
島原城
1618(元和4)年から、松倉豊後守重政が築いた城です。白を基調とした天守閣が美しいです。
島原城は島原駅から少し坂を上ったところにあります。街の周辺も城下町を意識したようなデザインで、歩いているだけでワクワクします。
城内の建物は郷土史料博物館になっています。5階建ての天守閣につくられた各階の展示はなかなか見ごたえのあるボリューム感でした。しっかり見学するなら数時間かかるかも。
島原・天草一揆にも言及されていますが、江戸時代の歴史をほどよく学ぶことができる内容になっていました。修学旅行にちょうどいい感じ。この感覚は長崎市街の『出島』と似ている気がします。
天草四郎時貞様にお会いしました
島原城七万石武将隊のメンバーだそうです。前述の通り、特に狙ったわけではないのでお会いできたのはまったくの偶然。この日は陣羽織を脱いで夏の装いのようでした。赤と黒の袴に十字架のネックレスがシンプルで可愛かったです。
立ち寄り湯 島原温泉 ゆとろぎの湯
歩いているうちに汗だくになり、ふらりと。
なんと、商店街のど真ん中にあります。温泉ではあるのですが、雰囲気は銭湯に近いです。
地元にお住まいのご年配の方がほとんどで、浴場には方言が飛び交います。「トイレットペーパーが切れたからお店の人を呼んできて」と初対面で使い走りに遭いながらも、どこか憎めない距離感で微笑ましかったです。
青い理髪館
そして、前日は満席で入れなかったお店にようやく入ることができました。平日昼下がり、お客さんは他にはなく、著者一人で貸し切り状態。
怪盗モードのアクスタと喫茶店。※Webイベ期間中のため写真は割愛
やっぱりこういう場所の方が似合うな、としみじみ思いました(個人の感想です)。
まとめ
今回は思いつきで行ってしまったのもあり、準備が足りなかった点が多々ありました。とにかく暑くて史料が頭に入ってこない。本当は名物の唐揚げも食べに行きたかったのですが。しっかり見るにはやはり涼しい時期がいいと思います。
まだ寒さが残る4月12日、島原・天草一揆が終わった日にいつかまた訪ねたいです。今度行くときは島原鉄道にも乗りたい。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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