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金継ぎを眺めながら離婚を振り返り、丸ごと抱擁していく

茶の湯から始まったという金継ぎ(kinntsugi)作業は、完成までに約1ヶ月かかるという。

私の心の崩壊と修復には、父の急逝からは31年、離婚からは5年半を費やした。

費やした。
やっと超えられた気がする。

父の急逝と違って、離婚は自らの意思だ。
でも、どうして離婚したの?の問いには、
どんな風に答えても、どこか的を得ていなかった。

最近、あらためて率直に問われる機会が続き、自分の曖昧さと真剣に向き合ってみた。

少なくとも10年は悩んでいたので、エピソードや理由は大量にあるが、
最終決断はほんの小さな日常の出来事だった。
私の唯一の楽しみだったバスタイムに、通信費¥2,000の件で文句を言われてこられた時。
パリッと心が割れて、もう無理だなと確信した。
養育費を少額にしたら、すんなり承諾された。
13年も一緒に生活してきて、お金が一番の理由になってしまうとは。。

そして今、やっと受け入れられるようになった。
本当の理由は、お金ではない。
お金よりも欲しかったものが得られなかったから。

欲しかったのは、愛や思いやりを育み合うことだった。
大袈裟なことではなく、コミュニケーションが、交流がなされている感じが欲しかった。
互いの人生を尊重し合い、許し合い、励まし合う。
仲の良い友達関係と同じようなこと。

全然出来なかったと自分に落胆し、否定していた。
なぜだろう、人として恥ずかしい失敗だと強く思ってきた。
こうして堂々と認めるまでに、5年半もかかってしまった。。

劣等感を受け入れたら、
経済とマインドの自立に邁進している自分に合点がいく。

1:お金の影響を受けにくくするために経済力をつける
2:(その先の本当に欲しいものが不明瞭だったので)とりあえずなんでもOKにするためには自立だ
そんな単純思考で一生懸命生きてきた自分に、ちょっと笑えてきた。


それでも自分への落胆は消えていない。
それも含めて、自分を大切に待ってあげようと思う。
ただし、本当に欲しかったものも、今、ここにある。
お互いを尊重し、許し合い、励まし合う関係性は、すでにいくつも持っている。
たった1つの失敗にフォーカスし、未来を狭めることは、もうしない。

金継ぎをした茶器は、もう茶器(飲用)としては使えず、別な用具になる。
単純思考で金継ぎした私は、どんな用途の器になるのだろう。

それはきっと、関係性で決まってくるのだろう。
自分だけで決めずに、今を楽しんでいこうと思っている。

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