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個人的な目的であるほどいい #プログラミング講師 #授業ログ

先日、仕事の一つであるオンラインプログラミングスクールTENTOの授業中に起こったことを記しておきます。

やりとりの難しさ

生徒にも色々なタイプがいて、よくおしゃべりする人、困ったら声をかけてくれる人、話しかければ答えてくれる人、ほぼ黙々と進める人、ほんと人それぞれです。

今日ここに書く生徒は、女子中高生で(ぼやかすために幅をもたせますが)仮にKさんとしましょう。普段は必要になると会話する程度といった関係です。この日も自身ですることは見えている様子で「大丈夫です」と黙々と作業を開始しました。

実際大丈夫なことがほとんどなのですが、勝手に色々話してきて教えてくれるタイプの生徒に比べたら、こちらもちょっと気を遣います。ハマったときに気がつくのが遅れたり、場合によっては本人が”うまくいかなかったけどまあいいか”と諦めてしまったりするのです。

TENTOのオンライン授業は基本的にグループスタイルの授業なので別のことをしている他の生徒にも声をかけたりしながら、それぞれの生徒が今何をしようとしているのか、じわじわと引き出していきました。Kさんにも「順調?困ったこととかあったら声かけてね」などと声掛け「大丈夫です。Pythonの新しいライブラリをインストール中で探した資料見ながらうまく行ってます」と心強い返事。「PiPでインストールしてるの?」「はい」などとちょっと言葉をかわして、みんなの邪魔をしないように、私もそれを聞いてPiPを使ってみたり関連することを調べたりして時間が流れます。

何をするかは人それぞれ

KさんはTENTOの中でも長く通ってくれている生徒です。一緒にScratchの授業なんかをしたこともありますが、今はPythonに触れているようです。どういう言語を選ぶかは人それぞれ、やりたいこと、目的に応じて言語を選んでいくのが普通です。

また、新しい言語に取り組む際はチュートリアル的な資料を与えて自ら読みながら試しながらその言語を実際に使いながら雰囲気を掴みます。Kさんの場合そのステップを経て「じゃあ自分はPythonで〇〇をしてみよう。」といった段階にあります。

従って私にも前回までの生徒本人、講師の残した記録はあれど、彼女の取り組んでいる課題そのものを手元に持っているわけではありません。

授業の終わり間際

授業としての枠は60分となっていますので、終わり頃になるとグループのメンバーの進捗確認やちょっとした共有をしてもらいます。

継続的に通ってくれている方がほとんどなので、もちろん途中でも構いません。Kさんも普段から取り組めるように今日環境構築だけでもできたらと言って進めていました。

そこで「どう?」っと聞くと「インストールしたライブラリがコード実行時には見つからないと出る」とのこと。Pythonを学習する場合、開発環境・エディタと実行環境がセットになってインストールされるアプリ(ThonnyやIDLEなど)を最初に使うのですが、今回はシステムのターミナルからPiPしてIDLEから実行してハマっていた様子。

参考にしていたサイトと、自分の環境の違いや、一台のパソコンにいくつもPythonが入っている状況など、実際にそうした自体に遭遇してみないとなかなか気づきません。

自分のやりたいことだから乗り越える

この状況について助け舟を出し、本人も理解し把握できたところで、ポロッと面白いことを言ってくれました。

「これ、課題集とかで起こったら、Pythonってめんどくさいなって終わると思う」

Kさん談

そうなのです。こちらから渡すチュートリアルや課題集などではこうした躓きが発生しにくいように安定した環境や、再現性の高い方法を示しています。

今回Kさんが取り組んでいたのは、所属する部活動の活動の中で使うツールで、今まで部で取り組む内容を決めるには非常に手間を掛けて人力で選定していた作業があるようなのです。

このプログラムが完成したら「取り組む内容についてプログラムで解析して、部員の担当する部分がバランスよく分配できるようになるんだ」と熱く語ってくれました。

もちろんそんな用途は講師である我々は思い至るはずもなく、Kさんだから気づき、これを実現するにはPythonかもしれないと、ここまで取り組んできたということです。

Kさんだけでなく生徒が10人いたら10通りのそうした極めて個人的な目的・用途というものがあるでしょう。私もこうして関わって数年経ちますが、女子生徒であることや、年齢的なもの、お互いほどよい距離感をつかむことのもどかしさがある中、彼女の熱いパッションに触れたことはとても印象的でした。



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