Scratchデイリーコーディングやって〼
8/1-10の間、私の主催で #Scratchデイリーコーディング やって〼。全10日間の取り組みですが、5日目で折り返し地点に差し掛かった今そのことについて書いてみ〼。
参加方法はこちらの記事にまとめました。お気軽にご参加ください。
デイリーコーディングって?
言葉の意味で捉えると”毎日コーディング”ですが提唱者の言葉を引用してみるとこんな感じみたいです。なかなか文化的な薫りがしますね。
どんなコードを書くのかは人それぞれですが、高尾さんはp5.jsを使っていて、openprocessingというサイトやTwitterでデイリーコーディングを毎日公開しています。
(以下の画像からリンクを張ったので実際に見ることをお勧めします)
p5.jsはProcessingという言語を元にしていて、ヴィジュアルアートや、デザインなどの分野で広く使われています。Twitterのハッシュタグ #dailycoding でデイリーコーダーを探してみると、人それぞれのさまざまなアプローチや、相互作用、トレンドなども見えてきたりします。
Scratchって?
そして今回Scratchでデイリーコーディングしてみない?ということではじめてみた #Scratchデイリーコーディング ですが、そこで使う Scratch について紹介します。
特にここ数年、 #GIGAスクール構想 で子どもたちがパソコンやタブレットを一人一台日常的に学習に使い出したり、習わせたい習い事の上位に #プログラミング教室 がランクインしたり、教育番組でScratchを扱ったものが出てきたりと、そうした場面で使われることが増えていて、アンテナ立てている方なら聞いたことがあるのではないでしょうか。
ただ残念ながらそうした背景もあるからか、
子ども向けでたいしたことはできないのでは?
子どもの教育用言語だ(大人には役に立たない)
ゲームを作ったり、誰かが作ったゲームであそぶサイト
というような、偏った伝わりかたをしていると感じることも多くあります。
先に紹介した ”Scratchは、世界最大の子ども向けコーディングコミュニティー” という言葉にもある通り、ただの教材やドリルというものでもなく、オンライン上にあるコミュニティです。
そして”若者がデジタルな物語、ゲーム、アニメーションを作るために使っている”という言葉を信じれば、ゲームしか作れない訳でもありません。実際多くのジャンルの作品が並んでいます。
また、”子ども向け”とか”若者”って書いてあるから自分達(大人)には向かいないんじゃ?と思う方には、”シンプルなビジュアルインターフェースを持ったコーディング言語”というところに着目してほしいです。子供にだってできるんだから、当然大人にだってできます。(それに大人の参加を禁止していたりしません。以下の統計情報を見ても大人のユーザーは居ます)
Scratchデイリーコーディングはだれ向け?
元々Scratchデイリーコーディングをやってみるきっかけになったのは、こちらのワークショップの企画からでした。
募集案内を見てみるとこんなことが書いてあります。
CANVASは子ども向けのワークショップを長年開催していますので、ワークショップ自体は子どもを対象に考えていました。ただ、 #Scratchデイリーコーディング としては、子どもに限る必要はないと感じていて公開してみることになりました。
年齢に関係なく参加できる
利用するScratchは誰でも簡単にコーディングに取り組めます。子どもから大人まで気軽に参加していただけます。開催中にTwitterでこんなお声もいただきました。
スキルに関係なく参加できる
Scratchでのコーディングの経験はあってもなくても大丈夫です。日々投稿されるお題もシンプルです。好きなように解釈してください。いつもの自分のコーディングスタイルでお題に挑んだり、サンプルを参考に新しいコードを学んだりできます。
三角からはじめよう
白黒だけで作ろう
虹色で作ろう
8/4は橋の日、箸の日です。ステージの端まで埋め尽くそう
今日の空の色、雲の色で作ろう
私が投稿するサンプルにはコメントで、色々いじったり試すヒントもつけています。
強いて言えば、Scratchのアカウントが必要だったり、スタジオへの投稿方法を知りたいということもあるかもしれませんが、いろんな解説がネット上にはありますし、なんなら私にお気軽にお問合せください。
もちろん、作品の共有やスタジオへの投稿はしないという参加のスタイルもOKです。
ほんとに初めてで右も左も…
そういう方には、次のような方法をオススメします。
なぜやっているのか
私は長年Scratchを用いてワークショップや、書籍の製作、教室での講師などを生業としています。
実際ほぼ毎日コーディングに触れて、その話題で生徒や同僚とコミュニティと交流している、ある意味デイリーコーディングを日常の一部として実践しています。(定期的なアウトプットの有無はさておき)
こうやって、Scratchやコーディングを続けているのはそれが楽しいからに他なりませんが、そうした経験の中でいろんな違和感を感じたり、さまざまな気づきも得ています。
特に感じるのが「何のため、誰のためにコードを書くのか」という点で、職業としているプログラマーでは「生活のため」「クライアント(や会社・事業)のため」とも言えるかもしれません。
しかし多くのコードに触れる子どもたちは、そうした職能としてのプログラミングとして取り組んでいる訳ではなく、コンピューターをプログラムしてできることを、肌で感じるのがめあてとも言えます。
そのときに、「お手本や先生の指示通りに並べたらうまく動いた」という取り組みかたも当然あり否定はしませんが、それだけでは学びの経験や、肌感覚を得るには足りないと私は感じています。
自らの関心で、意図したことが実現できたり、試みによって意図しないことが起こったり、そうした個人にとって意味のある試行錯誤のなかで得る経験こそ、いつかきっと役に立つ力となって残っていくのではないでしょうか。
従って最初の「何のため、誰のためにコードを書くのか」という問いに「好きなこと・楽しみのため、自分のため」とあたりまえに答えられるようなケースを増やしていきたいなと考え、このような取り組みをしています。
社会が高度化して、一つの正解が認められるという状況は今後さらに珍しくなっていくでしょう。それぞれの状況に応じ自分の頭で考え、表し、実現していくことの練習として、今回の #Scratchデイリーコーディング お楽しみいただければ幸いです。
もちろん、そんな大義名分は置いておいて「なんか面白そうだからやってみよう」という方が一番楽しめる気がしますけど。
最後に
Scratchに深く関わり理解されている方ほど、この企画には頭を捻ることになったかもしれません。そもそもScratchのサイト上で活動するScratcherは自分の関心事に日々取り組みコードを書き、公開し、他人のコードを参照し、遊び、と自然に デイリーコーディングを実践しています。
また、公式のScratchチーム主催で、Scratch Camp 2022 というオンラインCAMPも開催中ですので、そちらも併せてどうぞ。今年のテーマは「幻想的なファンタジー」とのこと。
そうした方には、ちょっと方向性の異なった、味変気分で参加してもらえると嬉しいです。
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