「子どもプログラミング喫茶」とは何なのか
2022年9月3日、4日と開催されたMaker Faire Tokyo 2022 に子どもプログラミング喫茶というブースを2日間出展しました。イベントでの位置づけや、運営の裏側、実施への思いなどをまとめてみます。(ずっと下書きにあって、実際2023年も実施しておりますがそのままの書き方を残します)
子どもプログラミング喫茶でよく聞かれること
子どもプログラミング喫茶は、プログラミング体験を喫茶店のメニューのように選べるように用意しています。そこから選んでご注文いただくとマンツーマンでメニューの体験が可能です。
1体験が15〜20分程度となっており、入門者向けからちょっと新しいチャレンジをしたい方まで幅広く受け入れられるようなメニュー構成を心がけています。
そこで2日間立っていると、よく聞かれることがあるのでまずはFAQ的にまとめていきます。
Q:どこかに実店舗があるのですか?
A:ありません。Maker Faire のようなイベントや、地域の施設をお借りしてポップアップ的に開催される喫茶店です。
Q:食事のメニューはありますか?
A:ありません。テーブルではプログラミング体験をしていただくだけです。(水分補給を除く)飲食をしながらの体験はご遠慮いただいております。(特にMaker Faireのようなイベントの場合、飲食出展の許可が必要ですし)
Q:誰が運営しているのですか?
A:様々な立場の子どもたちのプログラミングに興味がある人達の集まりです。例えば主催者の私は現在大学での研究職また、子どもプログラミング関連(書籍執筆・教室講師・ワークショップ開催)などしていますが、CoderDojoチャンピオン(主催者)やニンジャ(CoderDojoの参加者)、児童生徒学生(小学生から大学生)、保護者・社会人。など幅広い方がスタッフとして参加しています。
Q:ずいぶん小さいスタッフもいますが大丈夫ですか?
A:小学校高学年くらいから大学生のスタッフが中心です。もちろん心配はいりません。中には店長でもかなわない経験や知識を持った子どもたちもいます。
Q:大人ですが体験可能ですか
A:お子様の体験を優先しておりますが、ご興味をお持ちいただける大人の方も歓迎します。(私たちはしばしばあらゆる年齢の子どもたちとお呼びします)席の空き具合を見てご来店ください。
Q:何のためにしているのですか?なにかの営業?宣伝?
A:プログラミングに触れるきっかけを楽しくご提供するために実施しています。特にMaker Faire での子どもプログラミング喫茶の意味としては、会場で目にする様々なDIYプロジェクトの多くがテクノロジーやプログラミングと切り離せないことに気づかれることでしょう。
出店しているMaker|《メイカー》が特別な存在なのではなく、私たちはみなMaker|《メイカー》だと実感していただけるようメニューも工夫しています。
Q:なぜ無料なのですか?
A:どなたにでもプログラミングの体験の機会をご提供したいので、参加費は無料です。無料だからといって内容は手を抜きません。ご体験いただく価値に自信があります。
もし、ご体験に満足いただいたり、実施の目的に深いご理解をいただけるなら、ご支援をお待ちしております。
公式グッズ販売(売上は活動支援になります)
子どもプログラミング喫茶運営の裏側
ここまで、ご体験いただく方向けの視点でまとめてみましたが、ここからは秘密に包まれた子どもプログラミング喫茶の運営の裏側を開催当日までの様子をこっそりお伝えします。
本番1ヶ月前「招集」
開催のお知らせが、子どもプログラミング喫茶スタッフへ届きます。過去にスタッフ参加したことがあったり、今度参加したいと言ってくれた方がDiscordに参加しているのでそちらから招集がかかります。
数日後「キックオフ」
参加スタッフの確認を行い、初めてだったり久しぶりのスタッフもいるので子どもプログラミング喫茶の理念について、今回のイベントについての情報共有をします。
なおこのタイミングで、スタッフ1人が1メニューを考案することが伝えられます。
本番3週間前「メニュー試食会」
スタッフが1人1メニュー考えてきたものを持ち寄り全員で試食(体験)します。このタイミングで内容に関して、試食したスタッフ同士意見を伝え合いブラッシュアップされていきます。
本番2週間前「メニュー確定」
多くの場合、なるべく全てのメニューをメニューブックに掲載しますが、内容のバランスを整えたり、あまりにも数が多いときは絞り込んで当日用のメニューを選定します。
もしこのとき採用されなくても、次回以降メニューとして復活したり、本番当日に裏メニュー的に提供されることもあります。
本番1週間前「メニュー練習会」
全ての店員が全てのメニュー体験を実施可能であることも当店の特徴です。メニュー練習会ではペアを組んでお客様の振る舞いを想定した練習を繰り返します。当日も不慣れなメニューは隣で聞き耳を立てたりしていつでもお客様のご希望のメニューを実施できるように心がけています。
子どもプログラミング喫茶を企画した思い
店長である私は過去16年間様々なプログラミングワークショップを企画・実施してきました。多い時は毎月数本、年間30本近くワークショップを実施することになります。
しかし子どもプログラミング喫茶は、MakerFaireへの出店を例にすると2日で300名以上のお客様のお相手をいたします。仮に10名のスタッフで実施すると平均1人の店員が30回のミニワークショップを経験することとなり、たった2日でベテランである店長の年30本の体験に迫る機会を得ることになります。
過去に、ワークショップを今後できるようになりたいとアシスタント的に数回手伝いに来てくれる方もいらっしゃいました。またこちらからワークショップ実施のコツをお伝えするセミナーも実施してきました。いずれも一定の効果はあったと自負していますが、子どもプログラミング喫茶に勝る継承の方法はないと私は感じています。
ご興味ある方はぜひ下記ページよりお問い合わせください。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?