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総理と秘書 第二話 ラクダ

総理は、秘書の運転する車で目的の男のもとへ向かっていた

総理「ずいぶんと車で移動してきたが、、ここはどこだ?私の知らない土地だな」

秘書「台東区地下12階層です」

総理「地下12階層!いつの間にそんな、、」

秘書「現在、都内の最深部は地下36階層まであります、来年には東京湾マリンステージの42階と連結させるプロジェクトも検討中です、さらにー、、」

総理「もういい、もういい!私の知らない事だらけだ、パニックだ、総理パニック!なぜ私に何も知らせないんだ」

秘書「、、、、」

総理「やっぱりこれモニタリングか?」

秘書「違います」

総理「だよね」

秘書「今は詳しい説明は出来ませんが、、裏総理の為、、とだけ言っておきましょう」

総理「超気になるんですけど!なにそのキーワード!裏総理ってなにー!」

秘書「総理、今は空中都市に避難する事が先決です、先を急ぎましょう」


そして、車を走らせること1時間後、、


秘書「どうやらこの家のようですね、空中都市を作った男が住んでいるのは」

総理「見たところ普通の一軒家だな」

秘書「準備は良いですか総理、最初が肝心ですからね、失礼のないように」

総理「うむ、わかっている、もう少しで私の作品も完成だ、少し待て」

秘書「それは、、総理お得意の粘土細工ですね、今日は何を作っているんですか?」

総理「ラクダだ、このコブの部分が難しくてだな、、」

秘書「もう少しで完成ですか?」

総理「あぁ、もう少しだ、、」

秘書「それっ!」

 グシャり!!

総理「あぁー!!何をするんだ、私のラクダがぁぁ!」

秘書「すいません手が滑りました」

総理「滑りましたじゃないだろ『それっ』て言ったじゃないか、わざとだろ!」

秘書「最初が肝心だって言ってるでしょ!粘土細工なんていりませんよ」

総理「だったらもっと早く止めなさい、もう少しで完成まで泳がせといて潰すなんて、ヒドいじゃないか」

秘書「急ぎましょう総理!そんなクソみたいなやつを作ってる間にも日本全国の火山は噴火を続けているんです、ココもいつ火の海になるか」

総理「そうだな、クソみたいと言ったのは許せんが、早急に謎の男から空中都市へ入場する許可を貰わないとな」


秘書「ごめんくださ〜い」

総理「すいませ〜ん、誰かいませんか〜」

秘書「、、、いないみたいですね、帰りますか」

総理「早い早い、決断早すぎ!そんな簡単に決断していい事じゃないだろ、もっと大きい声で呼びかけてみろ」

秘書「総理が見本みせて下さいよ」

総理「え?」

秘書「どのくらい大きい声で呼びかけるのか見本みせて下さい」

総理「ごめんくださぁーい!」

秘書「もっと」

総理「ごめんくださぁぁーい!!」

秘書「まだまだぁ!」

総理「ごめぇんぐださぁぁぁーい!!」

秘書「出てきませんね、帰りましょう」

総理「なんだお前ー!!」

秘書「出てこない以上しょうがないじゃないですか」

総理「諦めるなって、引きこもってんだから、そう簡単には出て来ないんだろ、たぶんあそこの2階の部屋にいるんじゃないか?なにか興味を引ければいいんだが、、」

秘書「総理!それですよ、そのクソ、、、ラクダの粘土細工!」

総理「おぉ、そうだ!この最高傑作なら彼の気を引けるかもしれんな、少し潰れてるけど」

秘書「これを、あの部屋に投げつけましょう!」

総理「え、、」

秘書「そぉーれい!!」

 ガシャーン!!

総理「おいぃぃ!何するんだ!窓ガラスも割れちゃったぞ!」

秘書「総理!2階の窓を見て下さい、人が、、!」

総理「あ、あいつが空中都市を作った人物か!」


続く

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