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【中小企業診断士】二次試験再現答案(事例Ⅲ・Ⅳ)

こんにちは、ときです。

先日、中小企業診断士試験に完全合格することができました。そこで、今回は二次試験で私が提出した再現答案を共有します。

事例Ⅰ・Ⅱは別記事をご覧ください。

何が学べるか?(60点答案の価値)

ページ最下部に念のため出所画像を掲載していますが、合格ラインのギリギリで合格しました。(私244点/合格240点)

但し、ここから学べる事、今後の受験生にお伝えできる価値はいくつかあると考えています。

  • 合格したことは間違いない為、どのような解答を書くことが出来れば合格できるかインプット材料になる。

  • ボーダーラインぎりぎりということは、この再現解答以下の解答では不合格になる。(最低限含まれていなければいけないキーワードや解答要素、構成が分かる。)

  • 素晴らしい高得点の再現答案や各予備校の模範解答は、80分の制限時間の中で再現することは困難だが、私の解答の方が再現できる可能性が高い

ということで、ここから下のパートにて、再現答案と作成のアプローチについて解説します。

前提条件

まず、私の二次試験の得点は以下の通りです。
事例Ⅰ:61点
事例Ⅱ:61点
事例Ⅲ:62点
事例Ⅳ:60点

あくまで再現答案であり、模範解答としてマネしていいレベルのモノではありませんのでご了承ください。

事例Ⅲ

C社の生産面の強みを2つ40字以内で述べよ。

設問1

再現回答
①料理人を経験しホテル調理場の管理方法に精通②販売数量・仕様の変化に柔軟に対応可能
作成のアプローチ
与件分からコピペしてくるだけの問題。合格には落とせない。

C社の製造部では、コロナ禍で受注量が減少した2020年以降の工場稼働の低下による出勤日数調整の影響で、高齢のパート従業員も退職し、最近の増加する受注量の対応に苦戦している。生産面でどのような対応策が必要なのか。100字以内で述べよ。

設問2

再現回答
対応策は、①手作業で行っている工程の機械化②食材・調味料の需要予測の精度向上・生産計画の短サイクル化したうえで、生産統制の実施。以上で、生産工程を効率化・省人化で少ない人手で受注増に対応する。
作成のアプローチ
生産管理の問題としてとらえ、素直に機械化と生産計画の改善を提案。
設問解釈をやっているとパターン化されますが、生産管理は、「生産計画の短サイクル化」「適正在庫によるコスト削減」「工程効率化による納期短縮」あたりが鉄板。

C社では、最近の材料価格高騰の影響が大きく、付加価値が高い製品を販売しているものの、収益性の低下が生じている。どのような対応策が必要なのか。120字以内で述べよ。

設問3

再現回答
対応策は、①作業方法をマニュアル化した上で、OJT教育に活用し社内共有②製品仕様のレシピをDB化して社内共有③販売先料理長からの仕様の指示をオンラインして対応の迅速化。以上で、生産性を向上させ、コスト低減により収益性を改善する。
作成のアプローチ
設問の順番的に、生産性向上の問題として捉えました。その場合の鉄板は、「OJT教育」「マニュアル化」「DB化(IT化)」など。ただ、設問解釈として、設問2・3で何れを生産管理もしくは生産性向上で答えるかかなり悩みました。

C 社社長は受注量が低迷した数年前から、既存の販売先との関係を一層密接にする とともに、他のホテルや旅館への販路拡大を図るため、自社企画製品の製造販売を実 現したいと思っていた。また、食品スーパー X 社との新規事業でも総菜の商品企画 が必要となっている。創業から受託品の製造に特化してきた C 社は、どのように製品の企画開発を進めるべきなのか、120 字以内で述べよ。

設問4

再現回答
①中食業界での業務経験がある外部人材のノウハウを活用②既存取引先のホテル・旅館を通じて、顧客ニーズを収集・分析し商品開発に活用③既存販売先のホテル・旅館とコラボして、オリジナルメニューを開発。以上で、新製品による新規顧客を獲得し売上を拡大。
作成のアプローチ
設問情報が多い中で、しっかりと設問の条件に触れていくことが大事。具体的には、
①販売先との関係強化→コラボ
②販路拡大→新規顧客獲得で売り上げ拡大
③自社企画・X社との惣菜企画→中食業界での中途人材活用
以上を整理して記載することで、設問から読み取れる答えてほしい内容を満遍なく盛り込みました。

食品スーパー X 社と共同で行っている総菜製品の新規事業について、C 社社長は 現在の生産能力では対応が難しいと考えており、工場敷地内に工場を増築し、専用生 産設備を導入し、新規採用者を中心とした生産体制の構築を目指そうとしている。こ の C 社社長の構想について、その妥当性とその理由、またその際の留意点をどのよ うに助言するか、140 字以内で述べよ。

設問5

再現回答
妥当性は高い。理由は、①今後はコロナ後で既存惣菜の需要回復が見込まれる為。②見込み受注の専用ラインの構築が必要な為。 留意点は、①ベテラン社員からのOJT教育を通じて製造品質を維持すること②納期を守れる生産体制を構築すること③営業体制を維持し、顧客満足度を向上すること。
作成のアプローチ
まず、結論ファーストで妥当性の有無については書きやすい方を選択。今後拡大していこうとする状況で今の生産設備が不十分な記載がある為、増設方針で記載しました。理由は与件分から拾って確実に得点化した上で、留意点は、設問に新規採用者とあるので、教育面を書きました。あとは見込み生産の留意点をそのまま記載しました。

まとめ
総じて、設問解釈で得たパターンをベースに回答しています。
大手予備校の模範解答と比較し、得点が伸び悩んだ理由としては、以下2点があげられます。

  • 設問2・3について、設問解釈を誤り、生産管理・生産性向上を逆転した回答を作成している。(ただし、それぞれ当たらずも遠からずな内容であり、複数個の要素をかけているので部分点はあったものと推察します)

  • 設問2~4において、一部一般論のみの記載に終始した側面があるため

しかし、設問1を間違えずに書けていることと、与件から読み取れる問題点・王道の解決策に言及出来ていることから60点を確保できたものと思われます。

設問解釈についても別記事をぜひご覧ください。

事例Ⅳ

D 社の 2 期間の財務諸表を用いて経営分析を行い、令和 3 年度と比較して悪化し たと考えられる財務指標を 2 つ(①②)、改善したと考えられる財務指標を 1 つ(③) 取り上げ、それぞれについて、名称を⒜欄に、令和 4 年度の財務指標の値を⒝欄に 記入せよ。解答に当たっては、⒝欄の値は小数点第 3 位を四捨五入して、小数点第 2 位まで表示すること。また、⒝欄のカッコ内に単位を明記すること。

設問1-1

再現回答
売上高営業利益率:11.59%
有形固定資産回転率:71.9回
自己資本比率:77.56%
作成のアプローチ
合格に向けて絶対に落とせない設問。2期間で売上が何倍になっているか調べてから、指標が良くなっているか確認していきます。

 設問 1 で解答した悪化したと考えられる 2 つの財務指標のうちの 1 つを取り上 げ、悪化した原因を 80 字以内で述べよ。

設問1-2

再現回答
売上高営業利益率が悪化している原因は、①人件費等の削減に未着手でコストが高止まり②新製品開発を行っているが、販売前であり売上に反映されていない為、収益不足の為。
作成のアプローチ
与件から素直に要因と思われるものを拾える指標を選択して記載。

D 社の 2 期間の財務データから CVP 分析を行い、D 社の収益性の分析を行う。 原価予測は営業利益の段階まで行い、 2 期間で変動費率は一定と仮定する。  以上の仮定に基づいて D 社の 2 期間の財務データを用いて、⑴変動費率および ⑵固定費を求め、⑶令和 4 年度の損益分岐点売上高を計算せよ。また、⑷求めた損 益分岐点売上高を前提に、令和 3 年度と令和 4 年度で損益分岐点比率がどれだけ変 動したかを計算せよ。損益分岐点比率が低下した場合は、△を数値の前に付けるこ と。  解答に当たっては、変動費率は小数点第 3 位を四捨五入して、小数点第 2 位まで 表示すること。また、固定費および損益分岐点売上高は、小数点第 2 位まで表示し た変動費率で計算し、千円未満を四捨五入して表示すること。

設問2-1

再現回答
変動比率:63.31%
固定費:1,141,564
損益分岐点売上高:3,111,376
損益分岐点比率の変動:14.73%
作成のアプローチ
CVP分析は丁寧に公式通りに計算を意識します。端数計算か何かミスって少し間違えてますけど、及第点でしょう。

D 社のサプリメントの製品系列では,W 製品,X 製品,Y 製品の 3 種類の製品 を扱っている。各製品別の損益状況を損益計算書の形式で示すと、次のとおりであ る。ここで、この 3 製品のうち、X 製品は営業利益が赤字に陥っているので、その 販売を中止すべきかどうか検討している。
X 製品の販売を中止しても X 製品に代わる有利な取り扱い製品はないが、その 場合には X 製品の販売によって X 製品の個別固定費の 80 %が回避可能であるとと もに、X 製品と部分的に重複した効能を有する Y 製品に一部の需要が移動すると 予想される。  ⑴このとき、X 製品の販売を中止すべきか否かについて、カッコ内の「ある」か 「ない」に○を付して答えるとともに、20 字以内で理由を説明せよ。

設問2-2(1)

再現回答
貢献利益が正で共通費回収に寄与する為。
作成のアプローチ
過去問で既出。このパターンの問題は貢献利益を理由に判断すればよい。

さらに、⑵ X 製品の販売を中止した場合に、現状の営業利益合計 2,500 万円を下回らないために は、需要の移動による Y 製品の売上高の増加額は最低いくら必要か。計算過程を 示して答えよ。なお、割り切れない場合には、万円未満を四捨五入すること。

設問2-2(2)

再現回答
20,000万円
作成のアプローチ
こちらは大手予備校の模範解答と同じですが、落ち着いて解ければ良いでしょう。問題のパターンとしては過去問で記述ですね。

 D 社では、売上高を基準に共通費を製品別に配賦している。この会計処理の妥当 性について、あなたの考えを 80 字以内で述べよ。

設問2-3

再現回答
妥当性は低い。理由は、①共通費の算出の根拠が不明瞭であり、②売上高を基準に共通費を配賦した場合、製品の継続・廃止判断が複雑化する為。
作成のアプローチ
こちらは勉強しておらず、かなり苦しい回答。ただ、何かしら埋める精神で記載しました。結局、何かしらの結論とそれに相応する理由を一般論で書くのが間違いないですね。

D 社は、研究開発を行ってきた男性向けアンチエイジング製品の生産に関わる設備 投資を行うか否かについて検討している。  以下の資料に基づいて各設問に答えよ。解答に当たっては、計算途中では端数処理 は行わず、解答の最終段階で万円未満を四捨五入すること。また、計算結果がマイナ スの場合は、△を数値の前に付けること。
年間販売量が⑴10,000 個の場合と、⑵5,000 個の場合の正味現在価値を求めよ。 ⑴については、計算過程も示すこと。そのうえで、⑶当該設備投資の正味現在価値 の期待値を計算し、投資の可否について、カッコ内の「ある」か「ない」に○を付して 答えよ。

設問3-1

再現回答
10,000個:2,265
5,000個:△6,424
投資の賞味現在価値の期待値:△341.7
投資是非:しない
作成のアプローチ
この問題は完全に落としました。試験中は、時間がないなぁと思いつつ、とにかく埋めることを念頭に計算して書きました。投資是非については50%で正解するので埋めるしかありません。

初年度末に 2 年度以降の販売量が 10,000 個になるか 5,000 個になるかが明ら かになると予想される。このとき、設備投資の実行タイミングを 1 年遅らせる場 合の当該設備投資の正味現在価値はいくらか。計算過程を示して答えよ。 1 年遅 らせる場合、初年度の固定費は回避可能である。また、 2 年度期首の正味運転資 本の残高はゼロであり、その後は資料における残高と同様である。なお、 1 年遅 らせる場合、設備の耐用年数は 4 年になるが、その残存価額および処分価額は変 化しないものとする。

設問3-2

再現回答
(おそらく空欄か適当に数字を書いている)
作成のアプローチ
ここはもう時間がなく、あきらめました。その代わり、次の設問は正解が50%なので、そちらに時間を使いました。

 上記⑴の計算結果により、当該設備投資を初年度期首に実行すべきか、 2 年度 期首に実行すべきかについて、根拠となる数値を示しながら 50 字以内で説明せ よ。

設問3-3

再現回答
2年度期首に投資すべきである。理由は、①正味現在価値が高く、②投資全体の収益性が高い為。
作成のアプローチ
私が今回二次試験に合格できた分岐点となる設問は、こちらだと考えています。なぜなら、上記再現回答は全くの勘で書いているにも関わらず、正答できているからです。
精神論で申し訳ありませんが、事例Ⅳは絶対にあきらめないことが重要です。設問3-2・3-3は回答できてない方も多いのではないでしょうか。
私が正答できた理由は、
①空欄では提出しない執念。何かしらヒントから推察して答えを書く。
②設問に「1年遅らせる場合は、固定費回避可能・耐用年数4年」など2年目に投資する有利な条件が書いてあるし、2年度期首が有利っぽい
③過去問で類似の問題があり、このパターンの問題は2年目以降に様子見で投資する方がよい
→以上より、2年目に実行するをロジカルに選択。理由は、一般論を書いて部分点狙い。

D 社は、基礎化粧品などの企画・開発・販売に特化しており、OEM 生産によっ て委託先に製品の生産を委託している。OEM 生産の財務的利点について 50 字以 内で述べよ。

設問4-1

再現回答
利点は、①自社で製造ラインを保有しない為、管理コストが下がり、集積性が改善②ノウハウの蓄積が可能
作成のアプローチ
ここは②を外してますが、なんとか知識を絞り出して記入しました。とにかく字数を埋める努力。。

 D 社が新たな製品分野として男性向けアンチエイジング製品を開発し販売する ことは、財務的にどのような利点があるかについて 50 字以内で述べよ。

設問4-2

再現回答
利点は、①売上拡大による売上依存の低下②自社製造の為、在庫削減によるコスト削減が可能③売り上げの拡大
作成のアプローチ
財務的利点と聞かれているので、収益性・効率性・安全性のどれか。新規販売なので、収益性をメインに回答しました。とにかく一般論を入れて部分点狙いですね。

まとめ
事例Ⅳは、最後まであきらめないことが大事です。
前半パートは、過去問や一般知識で十分に回答可能な為、出来る限り落とさない。
後半パートは、意思決定会計でどれだけ粘れるかが重要だったと思います。
分からなくても、与件・設問の情報をヒントに、ロジカルに考え、最善の答えを1文字でも多く回答すること。
これに尽きるかなと思います。本当にぎりぎりですね。

最後に

いかがでしたでしょうか。
今回で再現答案シリーズは終了になります。

二次試験を通じて、今後の受験生に伝えたいことは

  • とにかく「設問解釈」が大事。同じような設問が出た時に、①効率的に回答②正解のパターン化で正答率upできます。

  • 最後まであきらめないこと。
    二次試験は合否の分かれ目となる230~239点に1,500人が分布しているといわれています。
    数点でも多く稼ぐために、分からなくてもロジカルに・回答パターンから答えを記載しましょう。

以上です。

今後受験される方の参考になればうれしいです!

それでは!

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