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【中小企業診断士】二次試験再現答案(事例Ⅰ・Ⅱ)

こんにちは、ときです。

先日、中小企業診断士試験に完全合格することができました。そこで、今回は二次試験で私が提出した再現答案を共有します。

何が学べるか?(60点答案の価値)

ページ最下部に念のため出所画像を掲載していますが、合格ラインのギリギリで合格しました。(私244点/合格240点)

但し、ここから学べる事、今後の受験生にお伝えできる価値はいくつかあると考えています。

  • 合格したことは間違いない為、どのような解答を書くことが出来れば合格できるかインプット材料になる。

  • ボーダーラインぎりぎりということは、この再現解答以下の解答では不合格になる。(最低限含まれていなければいけないキーワードや解答要素、構成が分かる。)

  • 素晴らしい高得点の再現答案や各予備校の模範解答は、80分の制限時間の中で再現することは困難だが、私の解答の方が再現できる可能性が高い

ということで、ここから下のパートにて、再現答案と作成のアプローチについて解説します。

前提条件

まず、私の二次試験の得点は以下の通りです。
事例Ⅰ:61点
事例Ⅱ:61点
事例Ⅲ:62点
事例Ⅳ:60点

あくまで再現答案であり、模範解答としてマネしていいレベルのモノではありませんのでご了承ください。

事例Ⅰ

統合前のA社における強みと弱みをそれぞれ30字以内で述べよ。

設問#1

再現解答
強みは①コシの強い蕎麦等高い製品品質②自主性の高い組織風土
弱みは①不安定な原材料仕入れ②高齢化した周辺住民に売上依存
作成アプローチ
設問1はオーソドックスなSWOT分析なので絶対に外せない問題。

A社の現経営者は、先代経営者と比べてどのような戦略上の差別化を行ってきたか、かつその狙いは何か。100字以内で述べよ。

設問#2

再現解答
差別化は、①メニューを絞り、②出前を廃止、③ターゲットを絞ることで経営資源を集中し、商品の品質を向上させたこととオリジナルメニューを開発したこと。狙いは、差別化し競争優位を確保することで売り上げ回復。
作成アプローチ
これはもうテンプレ解答で「差別化」とくれば、「自社の強みに経営資源を集中」が鉄板。更に狙いも差別化することで、「競争優位を確保して売上向上」がセット。あとは、与件文から根拠を添えてあげるイメージ。

A社経営者は、経営統合に先立って、X社のどのような点に留意すべきか。100字以内で助言せよ。

設問#3

再現解答
留意点は、①経営方針の違いによる各チーム間でのセクショナリズムの発生、②社内文化や両社間で待遇の違いによる従業員の士気低下、③これまでと役割の違いによる業務上の混乱発生や離職率の高まりの危険性
作成アプローチ
経営統合時の留意点も一次試験から。異なる会社が一緒になるので、起こりそうなことを一般的に記載。

A社とX社の経営統合過程のマネジメントについて、以下の設問に答えよ。
どのように組織の統合を進めていくべきか。80字以内で助言せよ。

設問#4-1

再現解答
①経営方針を明確化し、目指す方向性を明らかにし、②トップ自らが説明し、③統合プロジェクトチームを結成し、人・情報を共有し、円滑な経営統合を実施する。
作成アプローチ
設問#3を意識しつつ、こちらも一般的に注意すべき点を記載。

今後、どのような事業を展開していくべきか。競争戦略や成長戦略の観点から100字以内で助言せよ。

設問#4-2

再現解答
展開すべき事業は、①強みを活用して製品の品質を高め、他社と差別化し競争優位を確保、②製品開発力を生かして、外国人観光客・若者向けのオリジナルメニューを開発して、新しい顧客層を獲得する。
作成アプローチ
二次試験共通で、鉄板の「強みに経営資源を集中し、他社と差別化」を軸に作成。新規事業がテーマになると、最重要課題は売上。つまり顧客の確保。新規顧客として、与件に記載のある外国人を素直に記載。

まとめ
総じて、一般論+与件の根拠で解答を作成しています。
得点が伸び悩んだ理由としては、以下2点があげられます。

  • 与件企業の分析出来ている部分が少なく、表面的な記載にとどまっている点が挙げられます。

  • 高得点の解答や模範解答と比べると、各設問ごとに要素が0.5~1個抜けています。例えば設問#4-2では、弱みである仕入を補強すべき点が抜けている等。

60点に至った理由としては、書くべきキーワードは概ね網羅的に書けていることと、与件文の根拠をある程度拾えている点ではないでしょうか。

事例Ⅱ

B社の現状について、3C分析の観点から150字以内で述べよ。

設問#1

再現解答
顧客は、①公立小通学校②少年野球チームのメンバー・保護者③個別に購入に来る周辺住民。競合は①各スポーツの専門店②低価格・総合的な品ぞろえに強みのある大型スポーツ量販店。自社は①価格競争力が低く、野球以外の品揃えが少ないが、ユニフォームの加工技術が高く②安定した納期③子供に合わせた野球用品の高い提案力
作成アプローチ
オーソドックスな3C分析。与件文から満遍なく根拠を拾って記述していく。
合格に向けて絶対に落とせない設問。

低学年から野球を始めた子供は、成長やより良い用品への願望によって、ユニフォーム等野球用品を何度か買い替えることになるため、金銭的負担を減らしたいという保護者のニーズが存在する。B社はこうしたニーズにどのような販売方法で対応すべきか、プライシングの新しい流れを考慮して、100字以内で助言せよ(ただし割賦販売による取得は除く)

設問#2

再現答案
販売方法は、①定額買い替え放題のサブスクリプションで、成長で使わなくなった中古品を含む格安プランを用意②ポイント制度を導入し、購入実績に応じて割引を提供。以上により金銭的負担を下げ、顧客満足度を向上。
作成アプローチ
ここで最も悩ましいのが、提案の実行可能性。
野球のサブスクなんてあり得るのか?現実的か?という点。当然、試験中は実在することを知らないが、「プライシングの新しい流れ」と言えば、①サブスク②ダイナミックプライシングの何れかを答えてほしいものだと察して解答。また金銭負担を下げるなら、中古品が良いよなぁと一般的知識から解答。

女子の軟式野球チームはメンバーの獲得に苦しんでいる。B社はメンバーの増員のために協力することになった。そのためにB社がとるべきプロモーションやイベントについて、100字以内で助言せよ。

設問#3

再現解答
施策は、①地元社会人野球チームとコラボし、野球教室を開催する②女子軟式のプロ試合に無料招待する③サンプル品を小中学校に無償提供し授業で使ってもらう。以上で野球の認知度・関心を高め、新メンバーを獲得。
作成アプローチ
設問解釈(別記事で解説してます)を行うと理解できますが、認知度を高めるためのプロモーションやイベントと言えば「教室」「体験」が鉄板。字数制限から、3つくらい要素出して、与件の言葉をつけ足して構成。

B社社長は、長期的な売り上げを高めるために、HP・SNS・アプリの開発などによるオンライン・コミュニケーションを活用し、関係性の強化を図ろうと考えている。誰にどのような対応をとるべきか、150字以内で助言せよ。

設問#4

再現答案
取るべき対応は、①地元社会人野球チームに対して、自社HP上でニーズ収集を行い商品開発に活かすことで双方向の対話②強みである提案力を訴求する為、少年野球チームのメンバー・保護者に対して、体格に合わせた提案事例をSNSで情報発信する。以上で、口コミを誘発し、新規顧客獲得・既存顧客を維持し売上を拡大。
作成アプローチ
正直、事例Ⅱは苦手なのですが、オンラインコミュニケーションは「双方向コミュニケーション」「強みを訴求する写真・イメージを発信」が鉄板。
が、改めてこちらの設問は半分も取れてないかもしれないですね。

まとめ
60点ギリギリ取れた要因としては、
設問1:3C分析で大きく外していない
設問#2・3:金銭的負担を下げる施策・女子メンバー獲得の施策をそれなりに書けた
設問#4:双方向コミュニケーションや強みの訴求という王道の方向性で部分点が取れているのでは
あたりかと思います。

事例Ⅰに加えて、事例Ⅱは具体的な施策を素直に書けるか?が論点になると思います。

金銭的負担を下げるには、①買い替え回数を減らす②購入単価を減らすの何れかであり、いずれの施策も書けている。

女子メンバーの獲得には、まず興味・関心を高めつつ、B社のプロモーションを混ぜる施策として提案できた点は良かったと思います。

※いずれも実行可能性は置いておいて。

施策の提案についても、設問解釈(別記事参照)を繰り返していると施策例を覚えていけるので、対策できていくと思います。

最後に

今回は、中小企業診断士二次試験(事例Ⅰ・事例Ⅱ)の再現答案を共有しました。

改めて、上記答案は「模範的」ではありません。
しかし、80分の中で60点を確保できた答案であり、本番どのような与件文がきてもこのレベルで記載できれば合格ラインに乗ってくる可能性が十分にあるものになります。

このように、模範解答のように完ぺきではないが、ボーダーラインぎりぎりで合格した再現解答だからこそ、参考にしていただける点があったのではないでしょうか。

また、これくらいなら全然書けるな、という自信にも繋がるのではないでしょうか。

勿論、二次試験の正攻法としては、しっかりと与件企業を分析し、適切な提案をすることが高得点に繋がることは疑いの余地がありません。

しかし、80分の中で、設問・与件文(しかも長文!)を読みながら、企業概要と沿革を掴み、SWOT分析したうえで、マッチする提案の方向性を見定め、字数制限に収まる記述を行うことは、簡単ではありませんよね。

そこで、私の再現解答のように、得点が与えられそうなキーワード+与件文の根拠で構成してしまうという手もありということをご理解いただけたのではないでしょうか。

次回は事例Ⅲ~事例Ⅳについて書きたいと思います。

ぜひご覧ください!

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