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カニ カニ カニ

正月休みの晩御飯は「カニ」と決まっている。なんとなく決めたルールで「お正月ぐらいは贅沢しようぜ!」みたいなノリだったと思う。娘はカニが好きなので、お正月休み間の一日の晩御飯がカニ鍋になるのは必然だったと、そう言い切れる。

カニを食べに行く旅行で、カニが美味しいのは間違いがないのだが、スーパーや魚屋や等で手に入れる冷凍のカニには購入した経験と、口コミでしか、いいカニには出会えない。なのでとりあえず、見た目が良さそうなズワイガニを購入する事にした。ネット通販という手もあるが、サクラの口コミかもしれないし、写真もフォトショップを使えば何とでもなるので、高い食べ物を実物を見ずに買う事しないようにしている。一昨年、黒門市場のどこかの商店で購入したカニがよかったので、今年も買った。おじさんに「しっかりと解凍してから、鍋にいれてな」と言われた。冷凍した状態のカニを鍋に入れると、温度が一気に下がってよろしくない、との事だった。「オッケーわかった、ありがとう!!!!」と、さも昔からの常連だったかのように、おじさんの話を聞いて、返事をした。スーパーではなかなかない、心のこもった接客をしてくれるので、こういう所で購入するのもいいなと思う。

晩御飯はカニと決めた日は、朝から入念に準備をしなければいけない。夜のカニ鍋に全力を注ぐためだ。朝食は普通にとり、昼食は間違ってもハンバーガーは食べない。胃もたれの原因になるからだ。というかハンバーガーとポテトを昼に食べたら、次にお腹が空くのは20時頃。そんな時間まで待てない、という事で、軽くごはんとお漬物や納豆なんかでごはんを食べる。少しお腹が空けば、チョコぐらいはつまんでもいいだろう。間違ってもポテトチップスは食べない。朝の時点でカニを冷凍庫から冷蔵庫に移動させておく。夕方、まずは洗濯物を畳む。カニに集中するためだ。カニ鍋でお腹がいっぱいになる事は想定済な訳で、お腹一杯の状態で洗濯物を畳めるか、と言われたらもう畳めないので先にやっておける家事は全力で、カニの時間までに済ませておく。

夕方から出汁の用意をする。土鍋に水と昆布をいれて2、3時間は置く。そして野菜を切る。鍋の白菜はいつもは適当にザク切りだが、カニに失礼のないように、野菜は丁寧に切る。芯と葉は分けて切って、芯は繊維を断ち切るように斜めにカットする。葉はざく切り、大きさはお好みで。えのき、しめじ、白ネギ、豆腐、を切って準備をしておく。あとはそう、大根おろしだ。大事な事を忘れていた。大根は胃と腸の消化を促してくれるので、あまり消化のよくないカニを食べる時は必須の薬味だ。

そろそろ食べようか・・・となってきたら、カニが解凍されているかチェックだ。うまく解凍されていなかったら、流水で解凍する。あせらず、解凍という作業に全力をそそぐ。無事に解凍ができるであろう、見通しがたったら、土鍋に火をかける。沸騰する直前に昆布を取り出す。すぐに、だ。よしよし、お出汁が取れた。薄口しょうゆや酒で調味するらしいが、私はしない。カニ鍋はポン酢で食べると決めている。娘は大のポン酢党だから、ポン酢じゃないとだめらしい。テーブルセッティングも完了。完璧。

まずは料理用のガスコンロでセッティング。その後、ダイニングテーブルのカセットコンロの上に持っていく。あまり火を通しすぎてはいけない。カニもお肉も扱いは一緒だ。

一番いい、食べやすい部分の脚や爪を食べる。つるん、とふわんとした身がとれるので大変美味しく頂ける。あつあつのふわふわを噛んだ途端、カニの甘味と旨味が口中に広がる。やばい・・・やばい。YA・BA・I~~~!!!!

大変なのは肩の肉部分だ。拳のような形で、かなりの身の詰まり方で、びっしりとしっかりとついている。残念ながらカニスプーンはないので、お箸で身をほじる。がしがし、ぼろぼろ、お箸を持つ手は悲鳴を上げてくるし、カニを持っている側の手はかゆくなってくる。

なんやかんやで必死にカニの身をとりながら食べるのだが、旨味がすごいので、すぐに脳が満足してお腹がいっぱいになる。もっと食べれるのに、もう満足してしまう。加えてビールを飲んで、おなかは、はちきれそうだ・・・

限界の一歩手前で我慢して、雑炊を作ってもらって(旦那が雑炊担当)食べる。もう苦しい・・・一歩も動けないよ!というぐらいまで食べた。食べまくった。もうカニは当分いいや、満足しました、ありがとう、ごちそうさまでした。


・・・と思うのだが、数日後、晩御飯を作りたくない病を発症し、回転寿司を食べにいったら、ズワイガニのお寿司を食べてしまうのだった。


インスタグラムやってます。晩御飯を記録してます。

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