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トレースでの描き方【#イラスト/線画/基礎】

トレースとは『線をなぞる』ことです。

イラストを描くときは
いきなり線画(本番)を描かずに、
まずはラフやアタリ、
下描きの過程を経ることが一般的です。

その下描きから線画に描き起こす際に、
トレースという技法を用います。

この記事で学ぶことは以下の通り。

・トレース練習は意味があることを知る
・トレースの描き方
・一本の線に見える裏技
・入り抜き線を描く
・パーツを考えてトレースする

ただただ下の絵をなぞるだけでは上達しません。

トレースすることでイラストの描き方を
理解することにつながりますし、
パーツを理解することで、
トレースする力は向上します。

トレースは多用する技法だと思うので、
一つずつ勉強していきます。

※記事にある画像は全て筆者の自作です。
 無断転載は禁止ですが、
 トレースや勉強に使う分には問題ありません。
 個人での範囲のみでご使用ください。


★トレースの練習は意味があるのか?

トレースは線をなぞることを言いますが、
なぞるだけなのに練習する意味があるのか?
という疑問があると思います。

答えは『意味はあります』

まずはトレースをする意味を知って、
創作に役立ててください。

・上手な人の線を学べる

上手な絵を実際にトレースすると、
様々な発見があります。

線の描き方はもちろんですが、
線で表現する『質感』も学ぶことができます。

特に漫画はモノクロなので、
基本的に色を線で表現する必要があります。

質感の筆圧の強弱や細いペンで
どうやって描いているのか、
トレースしてみるととても細かいです。

花の表現・金属の表現
服の表現・毛並みの表現……。

これをペンで描くのはやっぱり憧れます!

というようになぞるだけで、
今まで自分ができなかった表現を
学ぶことができます。

・自分の手癖に気づく

自分以外の絵をトレースすることで、
「この人はこういう風に描くんだ」
という気づきを得られます。

自分だけでは分からなかった線の癖は、
自分の絵だけではなかなか気づかないものです。

自分の手癖では描きにくい線が
他の方のイラストには、
ふんだんに盛り込まれています。

ホントに勉強になります……。(冷汗)

◆やることリスト
☐『トレースで随時、上手な線を練習してみる』
☐『トレースは自分の手癖に気づけることを知る』

★トレースの描き方

なぜトレースが必要なのか分かったところで、
次は描き方について学びます。

ただ線をなぞるだけでは上達しません。

描き方の知識自体は難しいものではありませんので、
実際にトレースする時は意識しましょう。

・線を貫通させる

線画を描くときに
線と線がぶつかる場所があります。

そういう時は気にせず
突き抜けても問題ありません。

消してバランスを整えましょう。

線画『線を貫通させる』

もしもはみ出してしまった場合は、
はみ出た部分を消せば、
勢いを殺さず描くことができます。

◆やることリスト
☐『線がはみ出たら消せばいいことを知る』

・綺麗な線画は流れが途切れない

上手な線画は、『線の流れを止めていない』こと
が大きな特徴です。

今回は『良い線画は流れを意識するもの』
ということを覚えておけば問題ありません。

線画『綺麗な線画は流れが途切れない』

流れを無視したとしてもそれっぽく見えます。

が、それっぽく見えるだけで、
線画のみの場合はごまかせますが、
色を塗る際に影をどうつければいいか等、
後々困ることになります。

◆やることリスト
☐『良い線画は流れを意識していることを知る』

・一本の線に見える裏技

髪のような長い線を
一発で描けることは理想ですが、
長い線を分割して、
短い線を描く方法があります。

線画『一本に見える裏技』

ただ短い線を重ねるだけでは
一本の線には見えません。

どこかでガタが目立ってしまいます。

それを解消するために
『入り抜き線』を描くという方法を用いれば、
長い線を描くことができるようになります。

・入り抜き線

線をなぞるときに
細い線から太い線へと変わって、
また細い線へと戻っていく……。

そんな線が絵をトレースする中で
たくさんあったと思います。

これを『入り抜き線』といいます。

筆圧を利用してこの線を描きます。

短い線を入り抜きで描き重ねることで
長い線に見せるほかに、
『立体感を出す』効果もあります。

線画『入り抜き線』

◆やることリスト
☐『入り抜き線を描いてみる』

★パーツを理解して線を描く

線を描く際に、どこを描いているのか
意識することはありますか?

目を描いている、
首を描いている、
足を描いている等、
それぐらいは意識していると思います。

しかし、喉仏を描いている、
大胸筋を描いている、
肋骨を描いている、
ヒラメ筋を描いている等々……
そこまで考えていますか?

初めはそこまで考える必要はありませんが、
パーツを理解することは、
絵を上達させるためには避けては通れません。

最初の内はスルーでOKです。

でも格段に上手になるので、
一つずつ知識を身に着けていきましょう。

いきなりたくさん覚えると混乱の素になるので
パーツの名称については今回は割愛します。
(もっと先になると思われます)

・パーツを理解しながらトレースする

自分以外の人物イラストをトレースしていて
「この線は一体何だろうか?」
と思ったことはありませんか?

それは骨や筋肉を表現した線かもしれません。

例えば、首元にある左右対称の
鎖骨まで伸びた線は
『胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)』
という筋肉です。

これを描くととても男性的にかっこよくなります。

逆に女性のイラストで
この線をはっきり描いてしまうと、
とても男性的な女性になるので、
かわいらしさを表現するのなら
あまり描かない方が良いです。

線画『線の意味を知る』

男女ともにパーツは同じだけども
描くべきかどうか取捨選択する必要が
あったりするわけです。

それらを選択するためには
やはりパーツの理解が必要不可欠になります。

今回は、
『この線は一体何なのか考えながら描く』
というのを覚えておけば問題ありません。

パーツを考えながらトレースすると
アタリを描く際にとても便利になります。

◆やることリスト
☐『パーツを理解しながら描くことを知る』

・線を選ぶ、デフォルメする

イラストはリアルな絵でも
ある程度デフォルメされています。

つまり、描く線と描かない線を
『取捨選択』しているのです。

デフォルメ(かわいい)絵のパーツというのは、
本物とは程遠い形をしていますよね。

本物のパーツはもっと複雑で
かわいくない部分が多い印象。

分かりやすく『耳』を例に挙げてみます。

線画『パーツの形は絵柄に合わせる』

可愛い絵にリアルの耳を描くと、
違和感があります。

絵柄に沿って『ふさわしい形』が
あるということです。

パーツの位置などはあまり変わりませんが、
『パーツの形は絵柄に合わせる必要がある』
ということを覚えておいてください。

◆やることリスト
☐『絵柄に合わせたパーツを描くことを知る』

・パーツを意識した線を描く

『パーツを意識した線を描く』ことを
意識しましょう。
むやみやたらに線を埋めるように描くと
『生きた線』は描けません。

描く順番はどこからでもOKですが、
自分が何のどんな線を描いているかを
意識するだけでも線画は上達します。

線画『パーツを意識した線を描く』

◆やることリスト
☐『線の意味を考えながら描くことを知る』

★線画をトレースしてみる

最後に、実際に線画をトレースしてみます。

好きな絵の線画をトレースしてみましょう。

もしかすると自分が普段描いているより、
たくさん線がかいてあるかもしれません。

これも学び。

線画『下描きから線画へ』

特にない場合は、上記の線画を使ってください。

★まとめ

  1. トレースは上手な人の線を学べる

  2. トレースは自分の癖に気づける

  3. 線を描くときは線を貫通させる

  4. 綺麗な線画には流れがある

  5. 長い線を描く裏技がある

  6. 入り抜き線について学ぶ

  7. パーツを理解しながらトレースする

  8. 絵柄にはふさわしいパーツの形がある

  9. パーツを意識して線を描く

  10. 実際に線画をトレースしてみる

今回はトレースの必要性と描き方、
トレース元の絵の線の意味を
考えながら描くという内容でした。

線をなぞっているだけなのに
結構深い意味があったのだと
知ることができました。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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