歯科医院のブランド化①

私の歯科医院を今から「ブランド化」する事は可能なのでしょうか?

今回はこのようなご相談を頂きました。

結論から言うと「可能」です。

そもそもですが歯科医の方々は自分の「こだわり」を持たれている方が多いです、それも40代や30代、20代など年齢層ごとにそれぞれ「違うこだわり」が表れています。そしてその「こだわり」とは「ブランドの欠片」と思ってください。

この「ブランドの欠片」を生み出す歯科医の思想や思考行動パターンですが、大分類では「経営主導型」「顧客主導型」「思考主導型」と3パターンに分かれます。ちなみに細分化すると大分類3パターン・中分類4パターン・小分類2パターンと3層構造になっています。

この分類を知らないとブランド化はまず無理です。

※ちなみに余談ですがこの分類を知ることによって歯科医院・歯科医師とはどういった人なのか?という人となりを知ることができます。

今回は大分類のみで説明しますね。

まず1個目からです。「経営主導型」は効率化を目指しつつ収益の最大化を図ります、これはもう完全に中小企業の経営者ですね。副業とは言いませんが不動産や投資など歯科収益以外でも収益(不労所得)を得ようと考えたり、または得ています。このタイプの特徴は最終的に自分は診療に立たずに、代わりのドクターに医院を任せます。それを何個も「分院」という形で展開していきます。チェーン店みたいですが実際にそのようにしている歯科医は多々います。経営主導型なので土日も診療しています。

「顧客主導型」は地域診療に特化して昔からの「街の歯医者さん」に溶け込むスタイルを持っている人です。少数派ですが地域住民に嫌われないように口コミなど気にするタイプです。ドクター自ら先頭に立って、コツコツをオーソドックスな治療を行うスタイルです。歯科医師会などにも、ちゃんと出席するのが特徴です。もちろん木日は休みます。休院日は同じ地域の他の歯科医院に合わせているパターンが多いです。要はまったく目立ちません。

最後の「思考主導型」は自分の信念や考えを中心として治療を行うタイプです。最初の経営主導型と似ていますが、少し違うのは利益追求を第一に置いていないのです。自分の目指す治療が最善であり最高である、またそれを「多くの人に広めたい」と心から思っている歯科医になります。近年では予防歯科というジャンル?で注目を浴びたり書籍でも「削らない歯」など通常の歯の治療からみると手間がだいぶかかってます。収益に繋がるの?それ??と言いたくなりますが、自らの利益より学術や自分の医術の追求、それを率先して行うタイプです。特徴としては経営主導型と似てるところもあるのですが「自費治療」が多くなります。と、いうよりほとんどが「自費治療」ですね。(自費治療と保険治療の違いをここで説明するのは長くなので割愛します)

基本的に歯科医はこの3パターンの「割合」が多いか少ないかになります。そしてさらに詳細を見たい場合に4系統が追加されます。ここは性格的な側面になります。最後に2パターン追加されて完成します(この分類法はMARKETING業界では有名なの方法ですので試してみてください(^^♪))

なぜこのような分類が必要なのか?というと、すべては最初に書きました「ブランドの欠片」を集める作業なのです。ブランドの欠片=「こだわり」でしたね。そもそもブランド化したい歯科医が自分がどのタイプなのか?すなわち「自分がどんなこだわりを持っているのか?」を見極めないと全く話が進みません。

今回のご相談相手の歯科医の方も、ご自身が「どのタイプ」で「どのような治療方針」などを今後も持っていきたいのか?。また「何歳まで歯科医を続けたいのか?」など細かい人生設定を考えておらず、漠然と「このままで良いのか?」「ほかに方法ないのかな?」などと考えていたようです。

このような状況ではさすがに他の歯科医院と差別化やブランド化を図ることは難しいので、自分自身の事をまず考えて頂きました。突き詰めると歯科医院は院長である「その人」を表す場所です。院長が「ぶれぶれ」なら歯科医院も「ぶれぶれ」で患者さんも「え?なんなのここ・・」ってなります。

例えば見た目が全く普通の家を改良したような和風の歯科医院で落ち着いた雰囲気、もちろん入り口は高齢者を意識したバリアフリー。と思って中に入ってみたらアロマの香りぷんぷんで、壁紙は青色やら黄色やらド派手、さらに電飾モニターがピカピカ。女性のポスターがドーンって張ってて「審美歯科」「ホワイトニング」「自費の価格表」が所狭しと張り付けていて物販も大量に・・ってなると。見た目と内装が違い過ぎています。いったいどこを目標にしているのか解らないですよね。

こだわりが多すぎる現象と言えば聞こえは良いかもですが「ブランドの欠片」が散らばっていると「単に散らかっている=ゴミ」になり下がる事もあります。これば誰もが嫌ですよね( ;∀;)

あ、ちなみに私は特に「自費が悪い」とは言ってませんし、落ち着いた雰囲気を否定しているわけでも肯定しているわけでもありません。言いたいのは「統一感」が重要だという事なんです。この統一感は院長のコンセプトになってきます。コンセプトが決まってそこを目指していくと医院ブランディングが完成していきます。これをやらずに散らかったままですと、はたから見るとブランド化どころか「イロモノで自己満足なんだろうね。この医院はやめておこう。。」って事に陥ります。。。

これを防ぐには歯科医自身(自分自身)の思考や行動パターンを理解する、人生設計を行う。そこからブランドの欠片(こだわり)を集める、そのために統一感を持ってブランドの欠片を構成する。そこにコンセプトを見出す。これがブランド化の第一歩です。

「そんなの解らない」っていう方にはブランドを与える事も出来ます。

次回はこのブランドの欠片の見つけ方を書きたいと思います(^^♪


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