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この一年を振り返って

こんにちは、QoiQoiの大橋悠太です。
今日は大晦日ということで、今年一年のことを振り返ってみたいと思います。

人生で一番真剣に生きる事を考えた

今年を生き抜いた人は皆そうだと思いますが、本当に人生で一番生きる事を考えた年だったと思います。
4月に緊急事態宣言があり、自分たちの舞台の延期を決め、そこから生活の為に何が出来るのかを必死に調べ、国の制度や自治体の支援策に申し込み、確定申告をするために税務署へ通い、開業届を出して……etc.
出来うる限りのことをしてきました。それだけは心から言えます。
そこから宣言が明けた6月から新たに動き出し、東京都の『アートにエールを!プロジェクト』や文化庁の継続支援事業などの申請、新作公演の準備も重ねながら今日まで走ってきましたが、一言いいたい事があります。

「めっちゃキツかった!!!!」

人生最高にスリリングだったかもしれません。
自分たちが作った作品を世に出すときも、震えたり恐ろしかったりするのですが、そういう類のものではなく、やり遂げなければ「死」あるのみといった状況だったので、絶対に立ち止まれないという想いは過去最高だったように思います。
その中で改めて思ったことは、この厳しい状況の中でも必死にもがいて挑戦を諦めずに続けている同業者への尊敬の念でした。
補償もままならない、先行きも不透明な状況下で舞台を中止にするという判断がどれほど苦渋の決断であるかを考えると、今年その決断をした全ての団体・個人のアーティストに敬意と尊敬の念を抱かざるを得ないです。



一人でも多く助ける

今年の僕らは舞台を制作すると同時に、出来る限り多くの同業者を助ける為に調べた情報や申請のやり方などを伝えることも、自分たちの使命として続けてきました。
その根底にあるのは尊敬の念と共に、これまで多くの人々に助けられたという感謝の気持ちです。
自分達が危機に陥って今まで以上に、心配してくださったり、「こういう制度があるよ」「これやってる?」という情報を貰えることが本当に有り難かったですし、コロナという危機は一人ではなく、皆で乗り越えなくてはならないなと強く思いました。

コロナが終息していった後の世の中に、芸術やアートのことを考えたり作る人間が少なくなっていたら何より悲しい。
そのうえ理解者が減ることで僕らも芸術全体もどんどん困ってしまう。
できることは限られているけれど、手の届く限り助け合っていこうという思いで活動してきました。
これまでどれだけの人を助けられたかは分かりませんが、まだコロナは終わらずに厳しい状況は続いているので、今後も継続して自分達に出来る限りの手助けをしていきたいと思っています。


僕らの人生をかけた作品が出来上がる

さて、そんな中でも今年中ずっと稽古を重ね、取材やリサーチをしてクオリティーを高めてきた作品があります。
来年3月に公演する「Scrap and…?」という作品です。
この作品では日本の原発問題や僕ら自身が観てきた福島の事を描いています。

コロナが襲った今年一年きっと多くの人が自分のことで手一杯で、他の社会問題など考える余裕なんてなかったと思います。
僕ら自身も少なからずそうでした。
でも改めて思うのは、コロナが新しい生活様式や、テレワーク、非接触型のサービスや習慣を根付かせたように、多くの人の意識が変わり、時代が急速に進んだからこそ考えなければならない問題も、どんどん水面下に見え出しているように思います。

学校教育の問題、医療体制・給料の問題、原発の安全な管理の問題、これらは日本の根幹に関わることだと思いますが、前々からいつか解決しなければならない問題でした。
きちんとした教育は受けられた方がいいに決まってるし、安心して医療を受けて現場でも安心して働ける方がいいし、安全に原子力が管理されている方がいいに決まってる。
みんな分かってたけど、一旦先送りにしていたことではないでしょうか?

今年出来る限りの人を助けると決めたからには、そこから眼を逸らすことは出来ないなと思っています。
だからこそ絶対にいい作品にします!
たくさんの人に助けられ、たくさんの人と助け合った一年だったからこそ、その感謝の気持ちも全て自分達の作品に還元して臨む覚悟です。
多くの人に作品と想いを届けたいと思います、ここから3ヶ月全力を尽くします!
来年もQoiQoiを何卒よろしくお願いいたします。

今年一年お世話になった方々に改めて感謝申し上げます。
よいお年をお迎えください。
ではまた。

QoiQoi大橋悠太 吉次匠生



QoiQoi新作情報❗️

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QoiQoiでは来年3月10日~14日(9日にプレビュー公演アリ)に新作公演
『SCRAP AND…?』を上演します!
コロナの感染拡大によって延期をしておりましたが、その期間に更に取材やリサーチを重ねクオリティーを高めていますので、ぜひこの機会にご覧ください。
コロナ対策も万全にしてご来場をお待ちしています。(ご予約はこちら↓)


QoiQoiプロフィール

2018年2月9日に大橋悠太と吉次匠生によって結成されたアートユニット。 当初はano(アノ)として活動していたが、2020年10月1日より団体名を改めQoiQoi(コイコイ)として新たな活動を始めている。
また、「想像力を創造する」を信念に演劇、映像、インスタレーションなどさざまな分野を飛び越え作品制作を行う。団体名のQoiQoiもquality of imaginationが由来である。 また、社会問題から個人の体験まで幅広い事象を可視化し、常に観客に「当事者性」を提示する作品作りが特徴である。

このnoteでは作品制作のことを中心に、被災地のことや原発のこと、その他考えたことなど、読んでくれている方へなるべく為になるような記事や僕らをより知っていただける記事を書いていくことを目指しています。
もしも気に入った記事や活動の参考にして頂けたら、スキやQoiQoiをフォローをしてもらえたら嬉しいです。
また、僕たちの活動を応援・サポートしてくれる方を募集しています。
サポートして頂いた資金は現地取材や稽古など全て作品作りに使用させていただきます。
今後とも我々QoiQoi(コイコイ)をよろしくお願いいたします。

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