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【NO.32】新年度の投稿は病棟の中から

こんにちは。QLife代表取締役の有瀬です。2023年度が始まりました。いきなり私事ではありますが、子供の手術があり、付き添い入院が新年度最初の私のミッションです。折角の機会ですから、病棟の中から人事ブログを投稿しようと筆を執っています。

病棟の中では沢山の医療スタッフが慌ただしく部屋に入っては説明や検温、配膳、投薬などサポートしてくれます。もちろん沢山の患者さんも入院されています。こうした非日常的な医療に触れると、私達の仕事は患者さんや医療者のためになっているのか?問題を少しでも解決できているのか?を嫌でも自問することになります。(付き添いなのでやや暇を持て余すことも拍車をかけますが)

今回は小児耳鼻いんこう科の外科手術のために入院したわけですが、(こう書くと重たそうに見えるが実際にはありふれた症状を対処するための一般的な手技)思い返すと色んな課題があるなと思います。

定期受診していた耳鼻科の医師から「紹介状を用意するのでどこの病院で手術をしたいですか?」と問われました。病院検索メディアをやっている会社の社長でもこれには困りました。私からの最初の質問は「選択肢はどこがあり先生のオススメはどこですか?」です。

すると医師からは「難しい手技ではないのでどこでも大丈夫ですよ、近くなら○○病院か☓☓病院ですかね」と親切に教えていただきました。なるほど、確かにこの手技はありふれている簡単なものだろうと思い、手技については事前に調べていたこともあるので他の軸で選ぶことになるなと思い「先生ならその2つのうちどちらをどのように選びますか?」と追加で質問。

「どちらでも問題はないのでお好きな方を選んでください。」と。

流石に選択はご自身でということだろうと勝手に納得し、距離がほんの少しだけ近い方の病院を選びました。片方は大学病院、選んだ方は市中の総合病院です。本音を言うと、その執刀医は常勤なのか?お知り合いなのか?待ち時間はどのくらいなのか?など色々質問したいことはあるものの、目の前の医師は恐らくその情報を持っておらず限られた時間で選ばざるを得ないため、結果流れ作業のように紹介先は決まっていくことになります。恐らくこれがもう少し複雑な手技を伴うものや、がんの治療などでも同じような感じだろうと思いますし、世の中にありふれたエピソードでしょう。

入院してみて思うのはその書類の多さでした。手術の同意書は元より、麻酔や看護計画、個人情報取り扱い等多くの書類に署名や入力が求められます。(おまけに中身の説明は基本的になく読んで署名を求められるありがちなケース)私はこれまで幸いにも大きな怪我も病気もなく健康に過ごしていますのでこうした事象には気づきにくいですが、いざ当事者になってみると呆れるほどです。看護師がこの形式的な書類の回収のために、病室とナースステーションを何往復もして同意書類を回収・コピーするわけですが、事前にオンラインでやるなり当日タブレットを渡すなり、やりようはあるだろうなと思います。現場の看護師さんも苦笑いしながら対応していたところを見ると、みな非効率だという認識はありつつも変える程ではないという感じでしょうか。

幸いにもこのようなお仕事をしていることから、医療用語へのある程度の理解や院内のオペレーションなどに想像がつくこともあり大きな混乱や疑問なく今を迎えていますが、一般の方だと中々難しいだろうなぁという当然の思いと、医療業界を変えることの難しさを改めて実感します。患者力を上げるほうが恐らく問題解決に繋がりやすいものの、医療にほぼ触れることのない日常に医療リテラシーをあげる取り組みをデリバーすることの難しさも痛感してきたこの数年、この溝をどのようにして埋めていくのか?が引き続きの今後のテーマです。

前置きが長くなりましたが、今社内で「病院検索」のあり方を再定義するプロジェクトがスタートしています。当社は病院口コミでかつて一世を風靡した時代がありました。医療機関の口コミは昨今珍しいものではなく、沢山の方が口コミを参考にして医療機関を検索し、選んでいます。ですがそこにあえて一石を投じてみたいと思います。

新しい病院検索のあり方は何だろうか?
医療メディアに今求められることはなんだろうか?

過去から現在に至る自らをあえて否定し、そこから再出発できるような、そういう取り組みをしていくべきだと考えています。ChatGPTを始めAIは急速に進化し始めました。医療メディアなど見ずともAIがその患者さんにとって最適な行動を提案する世界はそう遠くないように思います。

病院検索やメディアに限りません。組織のあり方も、主力事業も、そのソリューションも。あらゆるものをゼロベースで見つめ直し、今後のアクションプランを定義する、そんな一年にしたいと思います。

業務からは離れるが病院(医療)の中というやや特殊な環境に身を置いたことで、色々と思考が整理されたり誰のために何を解決していくべきなのか?の方向性が見え、モチベーションがあがったりと有意義?な時間を過ごしていることを報告し、筆を擱きたいと思います。今年度も関係者の皆様、宜しくお願いします!

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