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「私をくいとめて」を読んで息苦しさが和らいだ

自分にとって相手は必要なのか、相手にとって自分は必要なのか

こう考えたことはないだろうか。
恋愛だけでなく、友人との関係でも、同僚との関係でも。
主人公 黒田みつ子も、そんな問いを自分に投げかける一人だ。
そして、その問いで自分自身を苦しめてしまっている一人だ。

「私をくいとめて」は、他の人と比べてちょっとだけ自分ひとりの空間を大切にしている、33歳独身女性の何気ない日常の話だ。
人に必要とされたい気持ちが強いあまり、自分の殻に籠ってしまっている主人公 黒田みつ子が、日常とは真逆の世界観に触れ、一歩殻の外に足を踏み出す様子が、優しく繊細に描かれている。

みつ子と私には重なる部分がある。
それは、”必要かどうか”が価値基準になってしまっていること。
こざっぱりしたものを好み、無駄なことが悪いことのように感じてしまう。
でも、みつ子がストーリーの中で学ぶように、実は必要か必要じゃないかって重要ではない。
人生の中で根本的に必要なものってそう多くはないのだ。
根本的に必要なものは残しつつ、それ意外の部分は、好きかどうかで選べば良い。

対人関係でも同じことが言える。
相手にとって”必要”にならなくても良いのだ。
”必要”な存在ではなくても、相手の心にちょっとだけ自分の居場所を作ってもらって、そこが+αの幸せになればいい。

誰かに幸せを感じ、誰かに幸せを感じてもらいたい

最初の言葉をこう置き換えたら、すごく楽になった。
相手を”必要”だと思えないことや、”必要”と思ってもらえているか分からないことを気にする必要はない。
「いないよりはいい」そんな存在でいいのだ。

「私をくいとめて」を読んで、温かい恋がしたくなった。

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