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映画『恋愛小説家』レビュー

こんにちは、二日ぶりのレビュー投稿です。一昨日と昨日は友達と花火をしたり散歩をしたりと、夏休みらしいことをしていました。

6本目の映画は1997年公開のアメリカ映画『恋愛小説家』です。


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内容

主人公の小説家メルヴィンは、極度の潔癖症を持つ自己中な性格で、隣人の犬をダストシュートにぶち込んでしまうような人間です。毎日のルーティーンを大切にしており、毎日決まった時間に同じ店へ行き同じ席に座って同じものを食べます。いつも自分の座っている席に他の客が座っているのを見ると怒鳴りつけて追い出してしまうなど横暴なことをするので他の客や店員から嫌われています。しかし毎日彼の給仕をするウェイトレスのキャロルに対してだけ、メルヴィンは素直な態度を見せます。

そんなある日隣人のゲイのサイモンが泥棒と対峙してしまい大怪我を負い、彼の飼い犬をメルヴィンが預かることになります。最初は嫌がるメルヴィンでしたが、日々一緒に生活して行くうちに犬に懐かれ、メルヴィン自身も心を開いて行きます。そして他の人たちに対するメルヴィンの態度は少しずつ柔らかくなります。

ある朝メルヴィンがいつも食事をとっているレストランに行くと、キャロルの姿がありません。他のウェイトレス曰く、職場を移すことになったそうです。キャロルの給仕を受けることがルーティーンの一つになっているメルヴィンは動揺しキャロルの家に押しかけてしまいます。キャロルは喘息持ちの息子を抱えるシングルマザーであり、息子の具合が悪いために職場を休んで看病していました。突然やってきたメルヴィンに給仕をするように言われたキャロルは激怒しメルヴィンを追い出します。追い出されたメルヴィンは自分の出版仲間を通じてキャロルに喘息の医師を紹介し、費用も負担します。お礼を伝えにきたキャロルに、メルヴィンはまた給仕をするように言います。

怪我が回復し退院したサイモンは、ボルチモアに住む両親に金銭的な援助を頼みに行くことになり、メルヴィンとキャロルが付き添うことになりました。途中立ち寄った町でメルヴィンとキャロルはデートをすることになりますが、メルヴィンの失言のせいで2人は気まずくなってしまいます。

ボルチモアから帰ってきたのちもキャロルを訪ねてくるメルヴィンに対し、キャロルは最初『なぜ普通のボーイフレンドのように振る舞えないんだ』とイライラしますが、『普通の人なんていない』というキャロルの母の言葉により再びメルヴィンに心を開き始め、最終的に2人は結ばれます。

絶妙な人物描写、感想

主人公のメルヴィンは冒頭では意地悪な性格を前面に出されており、見ていて不愉快な気持ちになりました。しかし映画の中盤から犬を預かったことをきっかけに徐々に周囲に対して心を開いていくメルヴィンと、それまでの意地悪なメルヴィンとが交互に登場するようになり、『根はいい人なのだろうがひどく不器用』という印象を強く受けました。嫌な人だけれど心底嫌いにはなれないというメルヴィンの人物像が絶妙に表現されていました。犬に懐かれ嬉しいものの素直に喜べないシーンは観ていてほっこりしました。

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私だけでなく人は誰しも周りの人を観察し自分の行動を少しずつ変えていくものだと思っています。『周りの人の平均が自分』という言葉も耳にします。それだけ周囲の人が自分に与える影響は大きい。自分は誰かに対して良い影響を与えられているか、悪い影響を与えてはいないだろうかと考えてしまうこともありますが、いま周囲にいてくれる人を失うことを恐れて自分らしく振る舞うのをやめるのは違うと思うのです。ストレスフリー主義なので残るべく人は残る、それ以外は知らんぐらいのスタンスでやっていきたいです。

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