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映画『僕らの先にある道』レビュー

こんにちは、火鍋屋で走り回っていた日々が懐かしいです。早く戻りたい。

10本目の映画は『僕らの先にある道』、中国語での題名は『后来的我们』です。

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中国の映画は政府からの規制が厳しいため、基本的に歴史モノか恋愛モノが多いです。しかも展開が似通ったものが多い。個人的に中国が好きなので観ましたが、正直最初はあまり期待していませんでした。ラスト5分で泣かされました。めちゃくちゃよかったです。

あらすじとネタバレ

故郷から北京に上京したジェンチンは。旧正月に故郷に帰る列車でシャオシャオという女性に出会います。故郷が一緒であったことから親しくなり、ジェンチェンの父が営む食堂で毎年一緒に年越しをするなど2人の距離感は縮まっていきます。

シャオシャオは北京籍を取るために北京籍のお金持ちとの結婚を望んでいましたが、相手側の親に反対されてしまったり、実は結婚していたりと不幸続きでした。貧乏なジェンチェンはシャオシャオに尽くすことをアピールし、交際が始まりました。当初は貧しいながらも幸せな日々を送っていましたが、徐々にすれ違いが増え、最終的にシャオシャオが出て行ってしまいます。

ジェンチェンは自分をモデルにしたキャラクターがシャオシャオをモデルにしたキャラクターを探すという内容のゲームを開発し、発表します。それがかなり人気となったため、大手のゲーム会社に所属することになります。所得が増え、北京に家を買うことができたジェンチェンはシャオシャオとジェンチェンの父親と3人で暮らそうと2人に持ちかけます。しかし父は自分の心配をさせたくないためかそれを断り、それに苛立ったジェンチェンはシャオシャオに強く当たってしまいます。その年から2人は新年を故郷で過ごすことがなくなります。

数年後2人は飛行機で偶然再会します。そしてその便が天候不良で中止になったため、2人は車を借りて一緒に目的地へ向かうことになりました。ジェンチェンはすでに結婚しており子供もいます。2人は付き合っていた頃の思い出話に花を咲かせ、お互いがまだお互いを愛していることを知ります。

目的地である北京についた2人は別々の家に帰りますが、しばらくしてシャオシャオの元に一通の手紙が届きます。ジェンチェンの父が生前に書き残したシャオシャオへの手紙をジェンチェンが送ってきたのです。手紙には『ジェンチェンと結ばれなかったとしてもお前は家族だから、疲れたら帰ってきなさい』と書いてありました。手紙を読んだシャオシャオがスッキリした表情で屋上で朝日を浴び、映画は終わります。

映画での色

2人が初めてであってから別れるまでのシーンは色あざやかなのですが、別れて以降はほぼ白黒といっても良いほど色が褪せていました。これはジェンチェンが作ったゲームで、ジェンチェンをモデルにしたキャラクターがシャオシャオをモデルにしたキャラクターを探し出せないうちは世界が色褪せてしまうという設定の基づいていると考えられます。しかしジェンチェンの父からの手紙を読んだ後から、色は再び鮮やかになります。これはお互いがお互いをただの元恋人としてではなく、家族として再発見したからなのではないかと思いました。

感想

ぜひエンドロールまで見て欲しいです。製作に携わった人たちが忘れられない人に対してメッセージを書いているのですが、映画の2人に負けず劣らず切ないのです。一番グッときたのは『君よりよく笑う女の子にまだ出会えていない』です。せつねーーーー!

また旧正月の帰省シーンも素敵でした。中国の旧正月では多くの人が故郷に帰り、家族と過ごします。この家族の単位が日本と比べ物にならないくらい大きくて、10人を超えることも珍しくありません。大人数で集まってご飯を食べたり麻雀をしたり近況報告をしたりする旧正月、素敵なイベントだと思いませんか?

最近自分のベイビーをあやす夢を見たので、自分はどんな人と結婚するのだろうかと考えがちです。というか結婚をするのだろうか。離婚しそう。

でも将来『あーーーーこの人と結婚しておけばよかったーーー!』という類の後悔だけはしたくないので、日々周りの人間に目を光らせていこうと思いました。


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