脱完璧主義的創作入門
一言で結論
期日を設けて人目に晒そう!!!
前書き
私にとって、この半年は「完璧主義から抜け出す」ための半年でした。
数年間やっていた完璧主義的作曲をやめ、かつて逃げていたプログラミングを学びなおし、ゲームを2つ作って公開する。
そんな活動をしているうちに、ようやく自分の中に凝り固まっていた完璧主義から脱することが出来つつあるように思えます。
この文章は、完璧主義的な創作をやめたいと思っている方に向けて、どのようなアプローチを取ればいいのかを提示するものになります。
用語
完璧主義(的創作):概ね以下のWikipediaの文章に基づきます。
なぜやめるのか
そもそも、なぜ完璧主義をやめるべきなのか。
「完璧主義」とは、その名の通り、完璧を目指してしまう主義のことです。一目悪くは見えない考え方ですが、実際には下記のような可能性を内包しています。
完璧でないと満足できない→完璧でない作品はゴミ同然
思考が極端になる、極論が好きになる
行動が0 or 1になる(1にならないなら0でも変わらないと考えてしまう)
完成の概念が薄れる(完璧な作品以外はすべて佳作/没)
ここで大事なのは、「完璧」を極端に追及すると、かえって何もできない人間になってしまう、と言う点です。
これは、完璧な人間など存在しないことを考えると当たり前のことなのですが、完璧主義に陥るとこの事実に気づくことは難しいのではないかと思っています。
言うならば、完璧主義とは「アンチ挑戦」「アンチ変化」です。自分が生きるための殻を「極論」という材料で作り上げてしまい、そこに籠って二度と抜け出てこないような、そんな主義なのです。
言い過ぎました。擁護もしておきます。
正直、私はかなりの完璧主義だった自負があるので先述のように強い表現を使って書きましたが、完璧主義(的傾向)には良い面もあります。
そもそも、妥協しない・完璧なものを作りたいという精神性が全くないというのも、少なくとも創作においては不向きです。数時間かけて1つの作品を作ることもできないかもしれません。
そういうわけで、結局はバランスが大事、というのが私の中の結論です。完璧主義でも上手くいきづらいし、妥協主義でも難しい。
完璧主義をやめるために
ここからは、いったん完璧主義をやめようとするとして、具体的なアプローチについて書いていきます。
期日を設ける
これが一番効果的です。
普段の創作に、期日はあるでしょうか。ない場合は、1週間等の期日を設定してみて下さい。
最初は勇気がいると思います。なぜなら、期日を設けてしまったら、自分の100%の力なんて出せないということが分かりきっているからです。でも、それでいいということを理解するためにも、期日を設けるということは非常に大事です。
もっと視野を広げて考える必要があります。毎回じっくり時間をかけて100%近くを出す人と、それよりももっと短いスパンで定期的に70%の作品を投稿し続ける人、どちらが長期的に見て成長できるでしょうか。いつしかその人の70%が自分の100%を上回ってしまって落ち込んでしまった経験は無いでしょうか。
創作において最も単純かつ効果的な上達法は、PDCA系のサイクルを回し続けることだと言われています。この科学的な真偽について私は議論しませんが、おおむねそうだろうと思っています。
もっと長期的に見たときに自分が上達していることを考えて、短期的には70%でも大丈夫と思えるように訓練することが大切です。
ワンドロ・2hDTM等をする
期日に似ていますが、より具体的かつ心的負荷が低い方法。
1・2時間で終わるので非常に楽です。出来上がる作品に納得することはまずありませんが、それよりも小時間で作品が1つ書けたことを嬉しく感じられると非常にいいと思います。
必ず人目に晒す
没作品。楽な概念です。自分が逃げるためにはもってこいです。
もちろんどうしようもなく没になる作品もままあります。しかし、ほとんどが没作品になってしまうというのは勿体ない。
70%の作品でも人目に晒しましょう。ビュー数は少なくても関係ないです。引け目に感じることはありません。
逆にビュー数だけ多くて いいね が少なくても大丈夫です。
目的はとにかく、人目に晒すことです。投稿することが何よりも大切なのです。そうして少しずつ、70%を見せることに慣れていきましょう。
こういった行動が、長期的にはプラスになると思っています。
クローズドなコミュニティでも発表する
適切なコミュニティを探すのが難しいのでなかなかハードルが高い方法ではありますが、クローズドなコミュニティだと比較的敷居が低くて投稿しやすく、反応も優しいものが多いのでおすすめです。
ゲームを作る
創作において完璧に作り得ないジャンル、ゲーム。ゲームは誤魔化しが利きません。他の創作よりも「自分の個性・趣向だから」という言い訳に逃げづらいです。その分、比較的バイアスなく自分と向き合いながら創作することができます。
なぜ完璧に作れないか。
ゲームは総合技術だからです。プログラミング、UIのデザイン、キャラデザ、ゲームのレベルデザイン、コンセプト、音楽、ストーリー、シェーダーの勉強、カメラワーク…
これらすべてを完璧にこなせる人なんで、絶対に存在しません。必ず妥協しなければならないタイミングが来ます。期日があったら尚更です。
自分の無力さを感じつつも、完璧に作るなんてそもそも不可能だと言う感覚に至れば、もう完璧主義は解脱していると言えるのではないでしょうか。
少々力業的な解決法な気もします。
完璧主義を加速させるもの
リスクを恐れすぎる
リスクはある程度許容しないとやってられません。起こってから考えるくらいがベストなレベルのリスクもたくさんあります。
ダラダラ創作
楽しくやれているならダラダラでいいのですが、現状の自分に満足していないのに期日を設けず、投稿するかも決めずに創作するのはあまり効果的ではありません。
単に上達度の話に限らず、メンタルにおいても悪影響になる可能性があります。全然完成しないし、成果物も増えない状態が長続きすると、徐々に何もできていないことを自認しはじめ、非常に苦しく感じることもあるでしょう。
人の作品を減点法で見る
次第に自分の作品も減点法でしか見れなくなります。
最悪の場合、どんなにいい作品にもたった一つの粗だけで否定的な評価をしてしまう性格になるかもしれません(実際私がそんな感じでした)。
最終的に、内容の薄っぺらい評論家が爆誕してしまいます。
いいところを誉めるような評価を増やしましょう。それを自分の作品にも取り入れようというポジティブなアプローチに切り替えましょう。
終わりに
別に完璧主義は必ず直すべきものでもありません。ただ、それが足かせになっていると何となく分かっていて、それでも治せないなーと思っている場合、このnoteが参考になれば幸いです。
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1カ月の期限を設けて作ったゲームです。完璧にできたとは思いませんが、リズムゲームが作れたことが嬉しいのでなんでもいいです。良かったらプレイしてみてください~
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