【日記】ベル・フックス『アート・オン・マイ・マインド』より、自分を拷問する道具にすら、芸術的意匠を施すような情熱をもって、なにかを作ることが出来るだろうか?

奴隷にされたアフリカ人たちに、自分たちや兄弟たちに使われる罰や拷問の道具にすら芸術的才能を発揮し、絵画や凝ったデザインをほどこすことを強いたのは、このような天与の才の認識であったに違いない。彫刻が施されたそのような道具を最初に博物館で見た時、私は畏怖の念に打たれ、涙を流しながら立ち尽くしていた。

ベル・フックス『アート・オン・マイ・マインド』三元社、160

「このような天与の才の認識」とは、黒人に伝わる、「芸術の才能を自分の中に見つけたのであれば、それをできる限り発揮しなければならない」というようなもの。
 与えられたら、もう、それを拒否するとか、ないがしろにするということは許されない、そういうレベルでの芸術。
 我々は、そこから外れた社会にいるかもしれない。

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