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減価するETFの空売りで儲けられるのか検証してみた

1357 日経ダブルインバースは減価するらしい。1570 日経レバレッジも同様。ならばこれら2つを空売りすれば、日経平均の変動リスクなしに減価分だけ享受できて儲かるのではないかと考え、検証してみました。

1.減価とはなにか。

説明難しいのでググッてください。。。
減価は複利効果によりボックス相場で発生します。一方的な相場ではむしろ増価します。なんで理屈上、これらが減価するのかはよく分かりませんが、現実的には減価するという前提で検証します。

なお、複利効果による減価のほかに、信託報酬や手数料による減価もあります。
買ってる人は信託報酬を間接的に払っているが、空売りすれば信託報酬分もまるまるいただけるという素敵な仕組み。
1357と1570の信託報酬は税込みで0.88%。結構高いですね。

2.手数料とか貸し株料が高いんじゃないの?

手数料は50万円まで無料の証券会社を使っちゃいましょう。

貸し株料はたかが1.15%。(ちなみに1357と1570は一般信用売りはできません、制度信用のみ)。さきほどの信託報酬0.88%でほぼ相殺できるんじゃ???

3.前提条件

①売買代金が多く流動性にも申し分のない以下を使う
 1357 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信
 1570 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信
②1570(レバ)を100万円分、売り建てする
③1357(インバ)を②で建てた金額に一番近い額になるよう売り建てする(*1)
④上記は当日終値で計算&売買する(*2)
⑤毎日の大引けでレバとインバが同額程度になるようリバランスする(*3)
⑥信用期日(6ヵ月)が経過しないよう、⑤に加えて毎日、レバは1枚、インバは10枚入れ替える(*4)
⑦返済は期日が早いものから行う(*5)
⑧売買手数料は一日定額コースで50万円まで無料。貸し株料は1.15%(*6)
⑨レバとインバの時系列データを元に、Pythonでプログラミング(*7)
⑩2019年2月7日スタート。2020年5月8日まで。300日(*8)

注釈
(*1)インバの価格は1000円ぐらい、なのでどちらかに偏っても最大500円程度。仮に日経平均が3%動いたとしても、30円程度のリスク。
(*2)当日の終値がいくらになるかなんてあらかじめ分からないので、本来ならば14:50の価格で決めるべきだが、そんなデータ持ってないので(^_^;)
またザラバ中は不利な価格で約定する可能性が高いので引け成り。ザラバ引けにはならないですよね。。。
(*3)リバランスしないとどちらか一方に偏ってしまい日経平均変動リスクを受けることになる。インバやレバの複利効果による減価の性質はリバランスしても消えないので問題なし
(*4)これを含めても1日の売買代金は50万円に収まった
(*5)建て代金の高いものから返済していくほうが貸し株料抑制効果は高いが、信用期日到来するのとの兼ね合いを考えるのが面倒なので
(*6)SBI証券が2020年5月現在こんな感じなはず
(*7)Pythonやプログラムの話は今回の趣旨ではないのでここでは語りません、というよりこれのために初めてPython触ったレベルなので語れません
(*8)期間に特に意味はありません

4.検証結果

結論からいうと、マイナス67,789円。。。
儲かるどころか大損ですね。
残念。

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5.考察

なんで勝てなかったのか。
まずは経費抜きで、本当に減価を享受できるのかを考えて見ます。

手数料、貸し株料、逆日歩などの経費を無視して純粋に値動きだけで損益がどうなるのか見てみます。

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黄色い線が損益です。なんときれいな右肩上がり。
特にコロナショックの大暴落で利益を伸ばしています。
75686円のプラスです。

約200万円の運用なので1年ちょいで、3.8%ぐらいの利回りですね。
逆に言うと、レバレッジとインバースETFは3.8%の減価が起きているということになります。
さて貸し株料は1.15%です。リバランスによる費用のダブルカウントがあるにせよ、3.8%にはならないですよね。なら損するはずないのでは?

逆日歩が高すぎた。

空売りで無視できない経費として逆日歩があります。
1357インバースは集計期間で逆日歩が付いたことはないのですが、1570レバレッジは逆日歩がつくことがたまにありました。安いときには5円なんですが、

2019/09/18 100円×4日
2019/12/26 35円×7日
を筆頭に高額逆日歩が付く日が結構あったようです。

2万円程度の銘柄に400円の逆日歩はきつすぎる。。。

トータルで逆日歩は114,500円払ってます。
これがなければ46,711円のプラスなんですね。

じゃあ逆日歩さえ回避すれば勝てるのか

信用取り組みをみて逆日歩発生を仮に察知できたとしても、そのときだけ清算したら手数料がかさみますね。
逆日歩発生は89日。すべてピンポイントで回避したとしても200万円分の手数料(1182円)×往復がかさみます。
トータルで約21万。無理ですね。

6.まとめ

残念ながらレバレッジETFとインバースETFの売りで儲けることは難しそうです。

今後も株価データからいろいろ分析してみたいと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

今後考えているネタ
・暴落の翌日はリバるのか
・他の減価するETF売りを検証(原油コンタンゴ、VIX恐怖指数)
・上がりやすい曜日は?
・民事再生株の値動き分析
・権利日両建てで所得税相当額丸儲けできるか
・トレードアイランド分析
・ストップ高は買いで儲かるか
などなど。


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