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音楽を聴いて泣いてしまうこと

 音楽を聴いて泣いてしまうことありますよね。楽曲を聴いて歌詞やメロディに感動したり、その時の心情にぴったりだったり、若い頃はその楽曲そのものに心動かされていた様に思います。

 3月24日の『カセットテープミュージック』松山千春特集でした。私が高校生の頃、彼は北海道の女子高生の間では『ちー様』と呼ばれ愛され、がっちり心を捕まえられていた子は多かったと思います。北海道では、絶大な人気を誇るフォークシンガーでした。
 K子と私は、高校生の時、同じクラスでお互い松山千春のファンであることをきっかけに仲良くなり、一緒にコンサートに行ったり彼の深夜放送の感想をワイワイと話したりしていました。その後、偶然、進学先が同じで短大の2年間を通じてより親しくなりました。
 卒業後は、北海道の端と端に住んでいた私たちでしたが、それから還暦を迎えるこの年齢まで、年1~2回は一緒に食事をしたり近況を報告し合ったりしていました。学生時代の友人の中では、そのような付き合いが続いていたのはK子ひとりでした。松山千春をきっかけに、長い年月(過ぎてしまえば、あっという間ですが)の中で、偶然同じ高校に通い、偶然同じクラスになった、ただの同級生がかけがえのない友達になっていました。
 
 昨年7月のある朝、K子の携帯から電話がありました。電話をかけてきたのはK子の一人息子。彼女の突然の訃報を伝えるものでした。コロナ禍といういうこともあり、2年以上会っていない私たちでした。

 『カセットテープミュージック』から流れてきたのは、あの頃、狭いワンルームで2人で聴いていた曲ばかりでした。まさしくカセットプレーヤーから流れていた曲たち。

 テレビから曲が流れてきたとたん、鼻の奥がツンとして「彼女はもういないのだ。もう会えないのだ。」と、あれから何度も心に浮かんでは消え浮かんでは消えしていた思いで胸がいっぱいになり、涙が溢れてきました。

 音楽思い出現在がこんな風に紐づけされるのですね。今まで、考えたことがありませんでした。若い頃に聴いていた、ただ懐かしい曲というだけではなる日がくることがあるのですね。

 年齢や経験を積み重ねると、こんな風に音楽が聞こえてくることがあるのだとしみじみと感じた夜でした。

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