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0226「クソリプの大気圏」

毎日日記を公開しているが、これは自分としてはとても良い習慣で、今まで考えては考えたそばからそのへんに捨てていた自分の考えをちゃんと引き出しに入れておくことができるのがとても助かる。それは良いし、公開している限り、そこそこに読んでもらいたい欲求はある。それが承認欲求と言って指差されるのだとしたら承認欲求だ。で、そういう欲求はあるのだが、じゃあ自分の書いた文章がどこまででも広がって欲しいかと言うと、特にこの日記に関しては全くそういうことではない。

私はウェブメディアの連載を2つ持っていたり、たまにスポットで雑誌に記事を書いたりはして、そういうものはそこそこ企画して骨組み作って全体見直して、という形で注意深く書いているので、これはまあちゃんと広がって欲しいと思って書いている。CBC-NETに置いてある自分のブログなんかもそうだが、いろいろ書くにしても、いろいろ反応をもらう覚悟はできている。はてブのホッテントリとかになるとまあまあ嬉しい。がゆえに、そんなに数を打てない。文章の構成を精査してクオリティを上げるのとか、すごい面倒くさいので、毎日・毎週のようにはできない。

それに引き換えこの日記は、本気で全く見直していないので、あまり面倒くさくない。あまり面倒くさくない代わりに、結構単刀直入に迂闊なことを書いて適当にタグつけて公開ボタンを押しているので、構造も適当で、ともすれば言いたいことが一貫しない文章になってしまうことだってあるし、単刀直入に迂闊なことを書くリスクが高い。つまり、炎上したりするリスクはちゃんと見直した文章よりは高いし、炎上しないまでも、突っ込みどころは多い文章になりがちなのだ。

そしてそれらの文章は、自分の周囲の「そこそこわかってくれそうなゾーン」がメインの読者層だと思っているところもあって、一線を超えると自分とは人間関係がなく、文章を斜め読みして大意を間違えたりしつつ、なんかもうすごいひどい言葉を投げてくるような読者層に届いてしまう。いわゆる「クソリプ」だ。クソリプというのは、文章やツイートの拡散が一定の大気圏を突破して広がると、必ずどんな対象にも発生する。大気圏の中には、大意を理解して見守ってくれる人がたくさんいるが、一歩大気圏の外を超えると、そこはもう保護壁の向こうで、関係のない人間に関係のないことを言いたい人々がとぐろを巻いて大量に待ち構えている。そして突如として大量の謎の突っ込みが発生しだす。

クソリプにはいろんなパターンがあると思う。分類している人なんかもいた。私も何度か食らっているが、クソリプの何がストレスかというと、言葉遣いがひどいとか悪口とかそういうことではなく、クソリプをする人たちは「ちゃんと読んでくれてない」ところにある。

全然そういう意図で書いているわけではないのにちゃんと読まずに曲解されて、斜め上上空から突っ込まれたり、全然そこは重要じゃないのに、予想だにしない方向から予想だにしない部位に攻撃を食らったりする。
今まで見た中で一番好きなクソリプは、友人の中島さんの「麺を煮るときに箸を鍋においておくと吹きこぼれない」件についてのツイートが10,000RTくらいされたときにたくさん発生していた、「麺は『茹でる』ものだ」とか「火を止めろ、資源の無駄遣いだ」みたいなクソリプで、これはもはやある種、文学的だった(画像を拡大してスクショを見るの推奨)。

とにかく、クソリプの何が困るかというと、「ちゃんと読んでくれてない」人たちに「ちゃんと読んでくれ」って言ってもしょうがない徒労感と、「人間は人の書いたものをこんなにもちゃんと読まないのか」という徒労感な気がする。無視しろよという話だが、まあつらいものはつらい。

ので、私の場合、嫌な予感がするとレスを見ないようにしちゃったりもするが、まあそれでもまあ嫌なものは嫌なので、なるべくこういう自分の無防備な書きなぐりは大気圏を超えないようにしなきゃと思っている。

で、土曜日だかに書いた「コンセプトは凡人の方便」という文章が非常に危なかった。それなりにいろんな人に話題にして頂いて拡散してしまったのだが、そもそも結構攻撃的な物言いの文章だし、怒る人怒りそうだし、誤解を招きやすい文脈の話でもある。これについて言及した自分のツイートが大して拡散しなかったのが幸いだったが、もうちょい行くと全艦総攻撃が始まりそうな予感がびんびんしていた。つまり、大気圏のギリギリより前の、大気圏から20mくらい内側くらいで止まるのが一番いい。

もうそういうのは自然現象だと思っているので、大気圏ぎりぎりの中で承認欲求を満たすのが私のような、そこを振り切って影響力を持つ覚悟が全くない人の歩留まりなのだろう。

昨日の日記で言及したバックギャモン界のスターというか、自分にとっては雲の上の存在の矢澤亜希子さんからレスを頂いてしまった。もちろん読んで頂けないかなーと思ってメンションしたのだが、朝起きて体重計に乗るのを忘れる程度にしびれた。モチベーションが上がったなどとは恐れ多くて、私などは矢澤さんの努力と集中力にどれだけ励まされているかっていう話なので、ありがたい、尊いとしか言いようがない。これは良いツイッターだ。

昨日思いついた絶対成功するビジネスのアイデアに関しては明日書く。