悪魔との契約をする前に注意すること
「よかろう。残りの寿命の半分と引き換えに、その願いを叶えてやろう……」
よく耳にする悪魔との契約です。さてどうしましょう?
例えば大金の獲得、嫌いな知人を貶める、気になる異性を自在に……願いの内容は問いませんが、寿命を引き換えにするのですから、おそらく寿命を伸ばすとか、延命と言った願いは対象外でしょう。
そうなると、残りの寿命=余命がどれくらいかっていう判断が大切ですよね。余命が1年だとすると、他人のことなど考えずに無茶なことしてもいいかな、周りに迷惑かけても、あと死ぬだけだし……ってな想いに駆られそうな気がします。
けど、余命30年ってなったら、病気で入院の可能性とか、子供や孫ができたらその幸せにつながることも……なんてことも頭をよぎるかも。
特に日本は長寿国だと言いますし、寿命100年時代とか言われちゃうと、寿命の半分って意外とリスク低いような気がします。例えば100歳まで生きるとわかっていれば、60歳で悪魔と契約して半分渡したとしても余命は20年。80歳まで。
高齢になって病床で何年も暮らす可能性を考えれば、チャンスって気すらしてきます。
「日本人の寿命」と言ったときによく使われる数字は「0歳児が何歳まで生きる可能性が高いのか」という「0歳児平均余命」です。
この数値は、年齢別の死亡率を利用して算出した数値で、いま産まれた0歳児が何歳まで生きるかという期待値を余命として計算したもの。2022年のデータから出された数値で日本人の平均余命は84.3歳(男性は79.64歳、女性は86.39年)。
上記の「0歳児平均余命」が、何歳まで生きる可能性があるの? に対する答えだとすると、「実際に日本人は何歳で死ぬん?」に対しての答えとしては、死亡者の平均年齢を見るのがいいかもしれません。これは男性が81.47歳、女性が87.57歳。
平均余命も死亡年齢平均もアベレージなので、幼年者の死亡数がぐんと増えればグッと下がりますし、戦争が始まり兵役があったりすれば、兵役世代の年齢に引っ張られることに。そうすると「私って何歳まで生きられるのかなぁ」の答えからずれる数値になる可能性が高くなり、悪魔と不利な契約を結んでしまう可能性があるので注意が必要です。
で、日本は世界でも珍しい死ぬのは高齢者ばかりという高齢者死亡社会。そこで、何歳で死ぬ人が多いのかを見ると、2021年のデータで死亡年齢で最も多いのは男性85歳、女性91歳。ただこの数値は、年齢ごとの人口数に影響を受けるので、例えば、母数が大きくなる団塊の世代(1947年生まれ)が、80歳を超えたあたりで、他の年齢の死亡者数を圧倒する可能性があります。
ちなみに、子供が沢山生まれたのは団塊の世代と呼ばれる1947年と、その子、団塊の世代ジュニアの1975年前後。少ない生まれ年は、戦時下の1945年、1946年、丙午の1966年。
てな具合に、悪魔との契約の際には、だいたい85歳までは生きることを前提に契約をするのがいいと思われます。
持病や家庭などをよく考えて、無理のない契約を結ぶように気をつけましょう。
(了)
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