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「滑り台の世界」の日 12月-Vol.2

ここが「滑り台の世界」。

「私はいるべくしてここにいるのだ」

 

青豆は高円寺のマンションでひたすら天吾を待っている。

この世界の創造主の再来を待っている。

 

青豆がひたすら公園の滑り台を見張り続けたイメージを探して、高円寺中央公園の周りを見渡すと、それらしいマンションがいろいろあった。

 

その中でも、この窓から見える公園の滑り台の眺めが、イメージ通りだった。

 

冬の孤独な公園を見張り続ける、冷え冷えとした青豆の風景が、そこにあった。

 

 

「もし彼に会えたとして、滑り台の上でいったい何をするんだ?」

「二人で月を見るの」

「とてもロマンチックだ」とタマルは感心したように言う。

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