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正問  嘆く人よ

立春の頃 梅のつぼみを眺めながら 師匠が 語りました


さて 嘆く人よ

あなたは どこかで 行き詰っている
あなたは 失敗して 行き場をなくしている
あなたは 孤独で 誰も信用できないでいる
あなたは 不満と欲望だらけで
なにをしても満足できないでいる

では 友よ
いったい あなたの苦悩は どこから来るのだろうか

あなたの嘆きが どこから来るのかを
正しく 問いかけたことが あるだろうか

あなたの悩みは
あなただけの悩みのようでいて
その実 だれもが 同じことで悩んでいる 

そのことを あなたは知らない

嘆く人よ

こうして人生の苦悩や、社会への不満に ただ嘆く人がいる
しかし いっぽうで 物言わず ただ進む人がいる

延々と 文句ばかりを並べ なにもしない人がいる
しかし いっぽうで ひたすらに黙々と 没頭をする人がいる

ゆっくりだが 確実に状況を打破する 彼ら
嫌味や愚痴をこぼすことがない 彼ら
失敗に対しても 笑顔で接する 彼ら

嘆く人よ

なぜ あなたは 彼らのように なれないのか
なぜ あなたは 嘆くだけなのか

そして 
なぜ 彼らは 迷いなく 確実に進歩するのか

嘆く人よ
なぜなら あなたは 「問い」を間違えているのだ
いっぽうで 彼らは 正しい問いに 導かれている
 
「問い」には 袋小路に はまり込む 悪質な問いがある

いっぽうで 「問い」には 
正しい道を 自然に示す 良質な問いもある

悪質な問いにとらわれると 
猜疑心 信頼の欠如 閉塞感 にとらわれる

良質な問いを得ると 覚悟 協力 充足感 が得られる

問いを間違えば 答えは必ず間違う
 
あなたは「答え」を 探してはいけない
あなたは あなたの「正しい問い」を 探すのだ

嘆く人よ 
あなたが発する「問い」を疑いなさい
あなたが「正しい問い」を得たとき 
世界はその姿を変える

直線だと 盲信していたものが
鳥の目を得れば  円の一部だと気づく

そのとき あなたの見る世界は 新しい形に組み変えられる

行き止まりだと 諦めていた道が
雲の目を得れば 隠れた 迂回路に 気づく

そのとき あなたの眺める世界から よどみが消える 


嘆く人よ 

あなたが安易にたどり着く「答え」を疑いなさい

あなたが「正しい問い」を得たとき
あなたの孤独と 人生の無為は消える
そのとき
あなたの感じる世界は新しい枠組みで立ち上がる

そのとき
あなたの孤独は 「試練」になり
あなたの失敗は 「経験」になり
あなたの不満は 「成長」になり
あなたの欲望は 「貢献」になる

その時
あなたは 自然に 正しい行いを している


梅の花が開き そこから春が 始まりました

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