人生編５　自分の真摯さを　笑わない

穀雨の頃　作付けの種を選びながら　師匠が　語りました

友よ
ここに　種がある
しかし　種は　私の手のひらでは　芽を出さない

種を　大地に　植える
すると　根を張り　芽を出す
いずれ　それは　実りをもたらす

種は　真っ直ぐに　そのためだけにあるのさ

友よ
あなたに　どんな独自な夢や志があっても
あなたの手のひらでは　目を出さない
　
種を　大地に　植えるように
自分の志を　世の中に植える
すると　根を張り　芽を出す
いずれ　それは　頼もしいあなたを　育ててくれる

真っ直ぐに　それが　一番　大事なことさ
自分の手のひらで　えらそうに考えたり　
声高に叫んでも　駄目さ

自分の志を　世の中に植えて
そこに根差して　真摯に　精を出す　ことさ

すると　根を張り　芽を出す
いずれ　それは　頼もしいあなたを　育ててくれる
真っ直ぐに　それが　一番　大事なことさ

でもね
種を　実りにむかって　真っ直ぐに　育てるのは　難しい
人も　実りにむかって　真っ直ぐに　育てるのは　難しい　

だからさ
真摯に取り組む　ひとを　茶化してはいけない
人様の　真っ直ぐな　行いを　笑ってはいけない

なにより　真摯である　自分を　笑ってはいけない
照れたり　誤魔化したり　
あきらめて　自分の　真摯さを　笑ってしまうと
どんな　立派な種でも　育たない

種を　大地に　植えるように
自分の志を　世の中に植えるんだよ

いいかい
試行錯誤する姿は　滑稽なものさ
失敗する姿は　情けないものさ
突破口を求めて苦悩する姿は　
よそ様から見れば狂人のようなものさ

真摯な行いは　たいがい　気恥ずかしい　のさ

でもね
それが　世の中に根差して　
真摯に　精を出す　ということなんだよ

種は　手のひらでは　芽を出さない

種を　大地に　植えるように
自分を　世の中に　植えるのさ
すると　根を張り　芽を出す

自分の真摯さを　笑わない
自分の真摯さを　誤魔化さない
自分の真摯さを　あきらめない

真っ直ぐに　それが　一番　大事なことさ

種は　私の手のひらの上では　芽を出さない
種を　大地に植えると　根を張り　芽を出す

手のひらと大地の違いは　なにか　わかるかい

種が育つには　大事な要石があるのさ　

大地　水　光　大気　養分　天候
その要石の何かが欠けても　頼もしい収穫は望めない

人生にも　要石がある

家族　仕事　仲間　生活　資産　健康
その要石の何かが欠けても　頼もしい実りは望めない

真摯に　その要石と付き合うことさ

あなたという人間は　
あなただけで　できているんじゃない

あなたは　周りとの関係のなかで　
あなたに　徐々になっていくんだよ

はじめから　あなたが　そこにいるんじゃなくて

あなたは　要石との関係のなかで　
徐々に　あなたになっていくんだ
偉そうに　自分だけで　
自分自身が完成しているなんて思ったら　大間違いさ

あなたは　周りの要石によって　
徐々に　あなたに　していただいているんだよ

だから　周りが変われば　
あなたは　どんどん変わっていく

あなたが　固定されて　
変わらないあなたで　い続けることはできない

始終　あなたは　周りによって　変わっていく

だからこそさ　
変化する周りの関係に　しなやかに　あるべきなのさ

でもね　周りに依存しては　いけない　
それは　デスマーチの入り口さ
だからこそ　その要石の真ん中に

自分の　真摯な志を　掲げるのさ

家族　仕事　仲間　生活　資産　健康

要石の何かが欠けても　志は達成しない

要石と要石の真ん中に　あなたがいる

さらに　それぞれの要石と要石の間にも　
それぞれのあなたがいる

いいかい　あなたは　ひとりのあなたじゃない

それぞれの　要石との関係そのものが　あなたなんだ

局面　局面で　嘘をつき　
うまく立ち振る舞う人がいる

局面　局面で　都合がいいように　
周囲をごまかす人がいる　

そういうひとは　いずれ　誰からも　信用されなくなる

そりゃ　みんな　見てるよ　

いつでも　あなたのすることを　みんな　見てる
あなたの　行動の　すべてを　みんな　見てる

大事なのは　多様なあなたの　整合さ

あなたは　あなたが認識しているだけの　
あなたではない

あなたは　あなたのまわり　
すべてを含めて　あなたなんだ

多様な自分を　認めるんだよ

そして　それぞれの　自分を　真摯に　務めるのさ

多様なあなたの　
真摯な行動の　集積が　あなた　なんだよ

仕事の時間を最優先して　
家族の時間を　ないがしろにする人がいる

仲間のうちの約束だけを守り　
他人との約束を反故にする人がいる

仕事ではまじめなくせに　
生活では　まったく　ずぼらな人がいる

資産のために　寝ないで悩むくせに　
健康のために　日々の努力をしない人がいる

同じ　自分の中に　これだけの　バラバラがあったら　

いずれ　誰からも　信用されなくなる
そりゃ　みんな　見てるよ　

いつでも　あなたのすることを　みんな　見てる
あなたの　行動の　すべてを　みんな　見てる

大事なのは　多面的なあなたの　配分さ

あなたは　あなたが認識しているだけの　
あなたではない

あなたは　あなたの行動　すべてを含めて　
あなたなのさ

多面的な自分の　なにかが欠けても　安定は得られない

すべての　自分を束ねて　真摯に　配分するのさ

多面的なあなたの　真摯な行動の　集積が　
あなた　なんだよ
多様なあなたの　真摯な行いを　積み上げて
自分の　独自な志を　目指すのさ

多面的なあなたの　真摯な行いを　まとめあげて
真っ直ぐに　志を　掲げ続けるのさ
すると　

真摯な行いと　志の間に　虹の橋がかかる

真っ直ぐに　それが　一番　大事なことさ

友よ

ここに　種がある

しかし　種は　あなたの手のひらでは　芽を出さない

種を　大地に　植えるように

真摯に　自分を　世の中に　植えるのさ

種が　根を張り　目を出すように

真摯に　世の中に根差して　　日々を務めるのさ

種が　いずれ　頼もしい収穫を得るように

真摯に　努めれば　いずれ　頼もしい人格を得る

真摯に　一致した人格で　行いを積み上げて　

独自な志を究めれば　

いずれ　夢が達成される

真摯に　それが　一番　大事なことさ

師匠は　ひとつ　種を選び　大地にそれを　植え付けました