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打者、石川雅規

石川雅規投手の今シーズン2勝目が遠い。8月4日の登板は初回の2失点が響き敗戦。打線は菅野智之投手から1点しか取れませんでした。

そんな中、石川投手の2打席目。菅野投手からのヒットにより、投手としては史上初の新人から23年連続安打を達成します。大卒選手の新人から23年連続安打は野手も含めて史上初だそうです。長くセ・リーグでローテーションピッチャーとして活躍できているからこその勲章です。そして菅野投手からのヒットと言えば…。

ということで今回は「打者、石川雅規」の凄さを再確認したいと思います。

打者、石川雅規のここがすごい

通算成績

打率.156  打席数1039  安打数135
打点35(3.4%)   四球23(2.2%)  三振262(25.2%)  犠打149(14.3%)
※( )は打席数の中での割合

他の投手と比較してみよう

以前ここでも取り上げた他の投手と通算成績を比較してみます。

山本昌(中日ドラゴンズ)
打率.137  打席数1209  安打数135
打点57(4.7%)  四球75(6.2%)  三振399(33.0%)  犠打153(12.7%)
石川投手は8月4日のヒットで昌さんの安打数を抜きました。それにしても昌さんのこの四球率はすごい!意外な発見をしてしまった。

小川泰弘(東京ヤクルトスワローズ)
打率.103  打席数549  安打数48
打点33(6.0%)  四球23(4.2%)  三振213(38.8%)  犠打59(10.7%)  本塁打3
あまり率は残せていない小川投手。バントも随分と苦労していた印象ですが、最近はあの奉納バントを開花させ、たまに打つホームランも魅力です。

菅野智之(読売ジャイアンツ)
打率.124  打席数616  安打数64
打点25(4.1%)  四球15(2.4%)  三振184(29.9%)  犠打83(13.5%)  本塁打1
思ったよりは打っていないかも。三振も少なくバントが多いという意外と職人系。

三浦大輔(横浜ベイスターズ)
打率.127  打席数1102  安打数123
打点44(4.0%)  四球21(1.9%)  三振363(32.9%)  犠打112(10.2%)  本塁打1
24年連続安打。石川投手の次のターゲットです。

吉見一起(中日ドラゴンズ)
打率.073  打席数429  安打数27
打点10(2.3%)  四球12(2.8%)  三振191(44.5%)  犠打45(10.5%)
打っていませんね。バッティングは苦手だったのかも。

柳裕也(中日ドラゴンズ)
打率.148  打席数295  安打数36
打点10(3.4%)  四球12(4.1%)  三振97(32.9%)  犠打37(12.5%)
バッティングは良いイメージがあります。率も立派。

内海哲也(読売ジャイアンツ→埼玉西武ライオンズ)
打率.101  打席数629  安打数56
打点20(3.2%)  四球18(2.9%)  三振283(45.0%)  犠打53(8.4%)
ジャイアンツファンの皆さん、内海投手ってバント苦手でしたか?

西勇輝(オリックスバファローズ→阪神タイガース)
打率.114  打席数304  安打数29
打点15(4.9%)  四球8(2.6%)  三振104(34.2%)  犠打42(13.8%)  本塁打1
パ・リーグ育ちにしてはまずまずなのかも。

大野雄大(中日ドラゴンズ)
打率.073  打席数489  安打数31
打点10(2.0%)  四球11(2.2%)  三振235(48.1%)  犠打53(10.8%)
豪快に打っているのかと思ったらそうでもない。

高橋奎二(東京ヤクルトスワローズ)
打率.136  打席数160  安打数19
打点5(3.1%)  四球5(3.1%)  三振57(35.6%)  犠打15(9.4%)
バッティングはいいと思います。そして足が速い。彼のボテボテの内野安打はかなり萌えます。セーフティとかしてほしい。

原樹理(東京ヤクルトスワローズ)
打率.159  打席数177  安打数25
打点11(6.2%)  四球5(2.8%)  三振56(31.6%)  犠打13(7.3%)
バッティングはいいです。自分で打って自分を援護してという試合を何度か見て来ました。今は先発の機会が…。

高梨裕稔(東京ヤクルトスワローズ)
打率.087  打席数127  安打数10
打点1(0.8%)  四球2(1.6%)  三振65(51.2%)  犠打10(7.9%)
パ・リーグ育ちですしこうなりますよね。でも移籍したてよりはずいぶん良くなった気がしています。

打率がすごい

ここに挙げた投手の中では石川投手の打率は原樹理投手の次に良いものでした。投手で.156は立派すぎます。シーズン2割超えを8回記録。2007年の.273がシーズンベスト。好打者なのです。

三振しない

投手であれば打席の半分くらい三振してもおかしくないところ、石川投手は25%しか三振しません。打てなくてもファールで粘りに粘る姿を見続けて来ました。相手投手に球数を使わせる。簡単には凡退しない。そんな粘り強い打者なのです。

バントが上手い

打席数に対する犠打の割合もここに挙げた投手の中ではトップでした(成功率ではありませんが)。石川投手のバントは見惚れます。信頼しかありません。あれだけバントし続けている中村悠平選手の犠打数が171ですから、石川投手の149は投手としては異次元の数字ではないでしょうか。昌さんの153まであと少し。石川投手の犠打成功率が知りたいですね。

好打者、石川雅規

思っていた以上に石川投手の打者としての凄さが際立つ調査結果となりました。他にもバッティングが上手いと言われる投手はたくさんいますし、ホームランをかっ飛ばす外国人投手もいますが、石川投手も投手としては相当な好打者と言えると思います。三振せずファールで粘り確実にバントを決める。古典的な2番打者のような選手なのです。

ちなみに石川投手ご自身はホームランを打つイメージもでき上がっているそうです。どんな球種をどうやってホームランにするか。ファンとしてはなんとなく想像がつきますが、神宮球場でいつか答え合わせをしてみたいものです。

打者、石川雅規のベストヒット

打者、石川雅規のベストヒットと断言できるヒットが筆者にはあります。2015年9月27日。東京ドーム。シーズン138試合目にして優勝マジック3を点灯させた試合です。

石川投手は風邪で発熱しながら中4日での登板。相手は菅野投手。4回まで0-0で迎えた5回表の攻撃。極限の緊張感の中、1死2・3塁で打席に石川投手。菅野投手の変化球を拾い上げライト前に落とす先制のタイムリー。素晴らしかった。そう、2024年8月4日のあのヒットのように。打者、石川雅規の真骨頂でした。

その後追加点。石川投手は5回1失点でマウンドを譲り、ここから必死の継投で逃げ切り2-1で勝利します。優勝を引き寄せる大事な大事な勝利の中心に、打者、石川雅規がいたのです。

200勝とともに、打者、石川雅規の記録にもまだまだ期待していきたいと思います。


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