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卒業なんてまだ先だと思ってた

学生が終わった

大学に通い始めた4年前は
知り合いすら誰1人いなかったのに
いつの間にかあの街は思い出ばかりになっていた

あの街で、私は友人と寄り道をした
好きな人の横をドキドキしながら歩いた
バイトの時間に間に合わないと走った
サークルで大量に酒を飲んだ
親からの怒りLINEを横目に終電を逃した

まだそんなに日が経っていないのに、懐かしい
知らない間に、大学生の醍醐味は
随分前に終わってしまったようだ

卒業式で久しぶりに大学へ行った

久しぶりに友人に会った

友人と言えるのかよくわからないような人とも
一応写真を撮った

どこまでが友人なのか分からないあの感覚は
大学生特有だと思う

そんな感覚も久しぶりだとなんだか嬉しかった

この4年で同じ大学の2人と付き合った

1人目の元彼は留年して卒業式にいなかった
あの頃から惰性な人だったから
それを聞いても驚きもしなかった

もう1人の元彼には半年前に振られた
会うと気まずそうにされたのが嫌で、
声をかけて2人で写真を撮った

今になって思う、
大学生は周りがルーズだった
私はそれが嫌いだった
好きな人を寝取られたこともあった
物事に対する熱量が違って泣いたこともあった

それでも大学生を嫌いになりきれなかった

コロナ禍で大学の最寄りにあったお店が多く潰れた
タリーズで友達と語り合った時間や
鳥貴族で記憶がなくなるまで飲んだメガハイボールの味まで
なんだかなくなってしまったようだ

それでも
青春を謳歌したあの時間はとても幸せだった

こんなご時世で、この地域を離れる人も多い
きっとあの場で会ったほとんどの人と
もう会うことはないのだと
思えば思うほど、

寂しくなってしまう

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