見出し画像

新疆綿の全てが強制労働奴隷綿と思っているバカ

坊主憎けりゃ袈裟まで憎い。とはよく言ったものである。
一部のプログラミングスクールの悪評が、世間常識のようになるのは困るので、今回はこれを題材に数学と論理のお勉強をしてみたい。

・中国の綿花生産量は604万トンで世界トップ。そのうち85%が新疆産。
・新疆(ウイグル)産の綿は、世界の生産量の2割。
・日本の衣料品の材料は、中国からの輸入が7割。
・中国からの綿の8割は新疆綿。

また、中国国内で生産される綿花は、ほぼ全量を国債相場よりも高く、政府が買い上げているため海外に出回ることはないという情報もある。
つまり、生地のような綿製品になって海外に出回るわけだが、世界の綿製品の8%が新疆綿だとされる。

ここまでは、世界の衣料において、新疆綿への関与の高さについてまとめていたが、今度は、強制労働によってどれくらいの綿が作られているのかについて推考してみたい。

まず、新疆綿の40%は生産建設兵団が生産している。
北海道の開拓民のようなもので40年前からあり、報酬も一般民よりも高く、漢民族も多い。

兵団以外の北疆産は21%、機械摘みの割合は97%となっている。

残るは南疆の39%であるが、その40%がまだ手摘みだそうだ。
2000年以降に周辺に住むウイグル族住民が綿摘み作業に従事することが多くなった。

一方で中国政府は2016年より農民の貧困対策をはじめた。
貧困ライン以下の農村住民は、全土で5600万人いて、そのうち新疆は261万人とされた。綿摘みには、新疆内の農民や牧畜民が優先的に雇用されたようだ。

こんなところがアウトラインだが、さも「全ての新疆綿が強制労働綿」という論調で書かれているマスコミ記事はいかがなものだろうか。

「強制労働」だから「タダ同然」で手に入れられるというイメージを植え付けたいようだが、何も強制労働にしなくても「アンフェアトレード」で十分安く買い叩くことはできるのだから、あえてこの単語が出るのに違和感を感じる。

ウイグル問題は「再教育施設」が人権問題として問題なのであり、それはそれで徹底的にやりあって欲しいが、全ての綿畑まで延焼して欲しくないものだ。

世界有数の綿花生産地帯なのだから、当然、プライドを持って働いている人々もいる。「悲しみの地」みたいなレッテルを貼られるのは余計なお世話である。


よろしければサポートお願いします。その際はご依頼に答えた執筆をいたします。サポートの際にご依頼文を添えていただけますと幸いです。