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嗜好を揺さぶる

寄席のもたらす効用

ポッドキャストで『渋谷らくご』の『まくら』を聴いていますと、ふとキュレーターのサンキュータツオさんの言葉が響きました。

『寄席は嗜好を揺さぶる』
そんなニュアンスの言葉でした。

この言葉の意味は、噺家に対して自分の好き嫌いがある状態で寄席へ赴くと、聴いたこともない、なんなら名前すら読めない知らない噺家も出てくる。

それらの高座のなかには、面白いと思う噺もあれば、気になる噺家の発見も起こり得る。

すると、これまでの自己のバイアス(いわゆる好き嫌い)によって取捨選択して築かれた『噺家ブックマーク』があるわけだが、そこへ揺さぶりをかけてくる。

その結果、新たなブックマークが増えることも起こり得ます。

単純にいえば『新たな出逢いがある』

そういった意味です。

福袋のようなもの

こういったことは他にもあって、

書店にて全てのフロアの棚を見て回ったり、書店によっては、ランダムに詰められ包装され販売されている福袋のような本もあります。

デパートなどの実際の新年の福袋も同様です。

私はSpotifyなどで、プレイリストや最新ヒット曲のようなものなど流すことで、新たなアーティストや曲に出逢うことも多いです。

書店デートの効用

また書店に1人で訪れるばかりでなく、時折、家族や知人と行くこともオススメです。

そうするとその同行者は、自分自身とは異なる視点で本を見ているので、当然気になって手に取る本が異なってきます。
もしその方が手に取った本を、少しでも気になった場合は、基本的には私は迷わず手に入れてみることにしています。

この本は自分1人では手にすることもなかったのですから、読むことで何かしらの新たな世界が拡がることとなります。

シェフの気まぐれサラダ

よくお笑いのネタとしても使われる、認知度の高いメニュー『シェフの気まぐれサラダ』。

これをレストランで注文する理由としては、『自分自身で決める手間を省き、他者に決定を委ねる』と言えば幾分消極的にも思えます。

しかし一方で、店やシェフへの信用を担保しながらも、シェフ自身の世界を垣間見たいというワクワク感やドキドキ感をも合わせてオーダーしているといったポジティブな側面があるのも事実だと思います。

おわりに

このように、たまには『自分自身以外の人に選択を任せてみる』、『オムニバス形式のものを選んでみる』という行為をチョイスしてみます。

これによって、新たな嗜好の扉が開く可能性があります。

マンネリ感や閉塞感を感じたり、アイデアや思考に行き詰まっている時にもオススメです。


おしまい

最後までお読みいただきありがとうございます。 いただいたサポートは麦チョコ研究助成金として大切に使用させて戴きたいと思います。