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愛するということ(エーリッヒフロム)

エーリッヒフロム著の「愛するということ」を読んだ。1956年に出版されたこの本は各国でベストセラーとなり、何度も翻訳しなおされ、最近になって新装版が発売されたことでさらに話題になっている。

私は前々からこの本の存在は知っていてはいたけれど、なかなか本屋さんになかったため、手に入らなかった。

新装版のデザインはシンプルでパッと目に入りやすい。

この本は広い意味での「愛」に言及しており、誰もがすぐに思いつく好きな人を愛する「愛」だけでなく、①家族への愛②自分への愛③友への愛④信仰する神への愛など様々な「愛」について言及している。

この本の著者も冒頭で述べるが、この本は愛し方を直接指南する本ではなく、ただただ客観的に愛について深彫りしていくような本なので、「愛」することは結局のところどういうことなのかという答えを簡単に差し出してくれるものではない。その一方で確実に言えることは、愛を説明されることで愛とは何なのか?という疑問と共に愛に対する気づきを与えてくれる本でもある。この部分がこの本のミソであり、エーリッヒフロムが言いたかったことではないかと私は思っている。

愛することの本質とどこから来た愛なのかというルーツを知ることができるので、日常的な広い意味での愛に必ず役に立つことが描かれている。

ちなみに愛は運命的な出会いをした人と「恋に落ちるものではない」とエーリッヒフロムは断言している。

さらに人は愛することを「愛される」という問題だと思っているともエーリッヒフロムは述べている。自らの愛し方や相手を愛することを問題とせず、どうすれば人に愛されるかということばかり考えているということである。例えばいい大学に出て、いい企業に入ることは誰もが認めてくれるステータスを自分を飾るアクセサリーのようにするようなことで、良い給料を稼げば誰かに愛されるだろうという発想のことを指摘していたりする。

そこでエーリッヒフロムは愛するということの指導として愛の技術を学ぶための方法も解説している。とても参考になるのでぜひ本屋さんに足を運び、手に取ってみてほしい。読んでみてください。

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784314011778


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