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情シスと意思決定

整理してもってこい!と言われたことはありませんか?

 マネージャーをしていると、どこまでサポートをするかを悩む人っていますよね。私自身は基本的にどんな相談でもまず丁寧に聞くように心がけていますが、考えていない状態で持ってこられたり、そもそも相談事項が何なの?と思うこと、マネージャーあるあるです。

 上記のような状態で持ってきた人には、最初のうちは、話しながら一緒に問題の整理をしていきます。そのプロセスの中で「何が問題か」「どうすればよいのか」ということに気づいたらほめます。それを繰り返していくことで、次第に持ってくる段階で、この二つを先に整理したうえで持ってくるようになることが多いです。

 それでもできない人には、

・問題を箇条書きで書き出してみて
・問題はどこ?
・あなた自身はどう思う?

といった形で差し戻したりします。

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 最初のうちは、「どうしてよいかわからないから相談に来たんです!」とか「教えてくれないんですか?じゃあいいです」とか切れ気味になる人もいましたが、都度教えていると成長しないし、自分で考えるくせがつかないですからね。

教えてほしいの?助けてほしいの?

 情シスのマネージャーになってから、これをよく言うようになりました。どうすればよいのか教えてほしいということもありますし、技術的なことでやることはわかるけれど自分には難しい(=やってほしい)とか、時間が取れないのか、このあたりをきちんと表現できるようにならないと数あるタスクをうまく取り廻せません。

 あと、「その相談は私にするのか適切なの?」という問いもあります。とくに新しく入ってきた人は、誰に聞いたらよいかわからないから上司に聞きがちですよね。
 本来的には、情シスって人それぞれ得意分野があるので、マネージャーとしては、横の会話をもっとしてほしいのです。で、できる人からどんどん吸収して、自分の得意を見つけてほしいとも思ってます。
 先日進捗報告のやり方を変えたのも、そのせい。これでずいぶん横の会話が増え、さらには、会議以外にも個別に相談して解決しようとするようになってきました。
 これでちょっとはチーム力も上がった…のかな?

上司が仕事を全部指示してくれるって思ってません?

 先日、AWS Direct Connectの東京リージョン障害がありましたが、このときは私自身で判断しました。

 これくらい大きくなるとマネージャー自身で判断します。ここでは方針だけ判断して、個別の対応は基本、個々の担当者に任せています。意見を聞かれたら言いますし、決めたことに意見があれば言いますが、それはあくまでで意見であって、基本は方針だけ決めたら、あとは機能担当者自身に詳細を決めさせるようにしています。

 こういったときに「全部上で方針を決めてもらえないと我々は動けません」っていう人もいたりしますが、上が決めるべきは「方針」であり「方針」として決めたら、それをどう実行していくかは基本個々のメンバーです。ただ、彼らはそれぞれに与えられた裁量に従い、裁量を超えたこと、とくに金銭が発生することは報告し決裁や承認を得る義務があります。ここをしっかり理解できるかが、独り立ちできるかの一つのポイントであるように思います。

正解がないことも決めなければならない

 私は事業本部やスタッフ部門も経験していますが、とくに情シスって、絶対的な正解がないことに対して対応しなければならないことが多いと思います。事故などで

・放置しておくと問題が広がってしまうので早期に食い止める方法が必要
・手段は思いつくがやってみないとうまくいくかわからない
・手段を細かく検証している時間がない

といった状況で「殿、ご決断を!」みたいな感じになることって、大なり小なりあります。それも期限が割と早い。「やるなら〇時までに言わないと間に合わなくなります」「しかしそれにはこのようなリスクがともないます」「でもこれしか方法はないと思います」「でも、うまくいくかはわかりません」「検証したいんですがじっくりやっている時間はありません」みたいな話をされると「結局どうしたいんだよ!」といいたくなります(実際に怒鳴ったマネージャーを見たことあります)。

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ロジカルに最適解を判断する

 このようなときには、それぞれの話を聞きながら、ポイントを整理していきます(以前はホワイトボード使っていました)。先ほどの話を太字中心に整理すると、

・〇時までに暫定対応をする必要あり
・リスクは明確にわかっている
・ほかにとりうる手段がない
・ある程度の検証は可能だが、完全な検証まではできない

ということですね。なので、次の問いかけとしては「ゼロ検証では怖いんだけど、簡単に検証するとして、先ほどの〇時までの対応というのはできるのかな?」となります。

 こうすると「簡易的なものだとすぐできます。実はもうやっていて…(やってるのかよ!)、ほぼ問題ないと思っていて(思ってるのかよ!)これしかないと思っています」みたいな流れになることが多いです。ここまで来てしまえば、リスクを踏まえてやるか、やらないかをしかるべき人と共有して合意を得るだけになりますので、マネージャーでは「やる」「やらない」「ちょっと相談して決める」といった具体の指示ができます。

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 ちなみに「こうしたいと思っていてここまで調べてあります。これしかないのですがノーリスクじゃないです。私としては進めたいのですがよろしいでしょうか?気になることはありますか?」と言ってくださる人もいますね。こういった人は本当に頼りになります。

 以前の上司が「都度意思決定を待っていたら間に合わない。基本は全部部下が整理して、上司が「わかった」というだけになるのが情シスとしてあるべき姿なんだよ」と言っていましたが、本当にそうだな、と思っています。



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